1.分子進化学的な解析:本年度は霊長類のCYP2Dサブファミリーの分子進化について詳細に解析した。ヒトのCYP2DサブファミリーはCYP2D6という機能遺伝子と、CYP2D7PとCYP2D8Pという二つの偽遺伝子から構成されている。この解析では、サブファミリーの誕生と二つの偽遺伝子の出現時期を詳細に調べた。この結果は国際誌、Genes and Geentic Systemsに掲載される予定である。さらに、サブファミリーの進化過程で働いた自然選択等についても解析した。その結果、多様な基質への対応のために、正の自然選択が主に働いていたと考えられていた基質認識部位では、サブファミリーのメンバーの特異性を保つ様な選択が働いていることが明らかになった。この結果は、国際誌に投稿準備中である。また、この研究成果を第82回日本遺伝学会大会で発表しBest Paper賞を受賞した。