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          <dc:title>参加型開発を通した女性の自己変容過程に関する人類学的研究　　-北インド農村社会を事例として-</dc:title>
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          <datacite:description descriptionType="Other">本論文では、ある社会のジェンダー規範のあり方が、参加型開発プログラムという外部&#13;
からの力によっていかに変化するのかを、そこに巻き込まれた当事者個々人の視点に着目&#13;
しつつ検討し、社会変容の一端を明らかにすることを目的とする。&#13;
本論文が対象とした北インド農村社会では、現在、社会変化の様々な要因に曝されてい&#13;
る。その一つが、本研究で取り上げた参加型開発プログラムである。インドでは貧困女性&#13;
を対象とした政府のプログラムが1980年代より急激に増加しており、強固な家父長制に特&#13;
徴付けられてきた農村社会でも一定の変革が迫られつつある。そこで本論文では、社会変&#13;
容をもたらす一事象としての参加型開発を当事者たちがいかに受けとめ、受容していくの&#13;
かについて、彼らの主体的行為に着目しながら検討をおこなった。&#13;
第1章では上記の流れを明らかにするとともに、これまでの開発や社会変容に関する人&#13;
類学的研究を整理したうえで、先行研究の問題点を指摘した。この章で試みたのは、一つ&#13;
には従来の女性をめぐる開発の議論が、女性の現状や開発を通じて変化する状況を均質で&#13;
一様のものとして描いてきたことに対する批判的議論である。もう一つは、当該地域のジ&#13;
ェンダーをめぐって緻密な議論を展開してきた民族誌的研究が、変化を排除するような閉&#13;
ざされた社会を前提としており、変化を十分に捉えてこなかったことへの批判である。つ&#13;
まり、両研究分野の議論を批判すると同時に双方の特性をつなぎ合わせることで、開発と&#13;
いう事象が当該社会にもち込む変化を、一様で均質的なものとしてではなく、価値体系や&#13;
社会関係などが複雑に錯綜した状況のなかで捉えることの重要性を指摘した。&#13;
続く第2章では、開発プログラム実施の前提となる当該社会のジェンダーをめぐる観念&#13;
や規範について、女性たちの語りを交えながら記述した。当該社会では、女性たちを取り&#13;
巻く状況はおもに結婚を通じて規定されていく。つまり、婚家において家族からの役割期&#13;
待に対応しながら、既婚女性としての規範を学び取ると同時に、妻、嫁、母としての自己&#13;
を確立させていくのである。しかしながら、女性たちの暮らしからは、過度の労働や出産、&#13;
育児、家族との関係性などについて、少なからず苦悩を抱えている様子がみられた。女性&#13;
たちは語りのなかで、自らの苦境を「カルマ」や「キスマト」といった表現で説明した。&#13;
カルマは「定め」を、キスマトは「運」を意味する概念であり、こうした概念が、女性の&#13;
置かれた立場や状況、規範、役割をすでに定められた運命として受けいれるための説明原&#13;
理として機能しているのである。しかし、女性たちはカルマやキスマト、つまり運命論的&#13;
に自らの苦境を受け入れることには必ずしも納得していなかった。実際に、女性たちの中&#13;
には窮状や規範にとらわれた状況を改善し、カルマやキスマトを乗り越えようとする意思&#13;
を表す者もおり、女性のこうした思いを後押ししたのがマヒラ・サマーキャの活動である。&#13;
第3章では、マヒラ・サマーキャに参加する人々が、活動を通じてマヒラ・サマーキャ&#13;
の一員としての自己を確立させていく過程を検討した。政府主導型の本プログラムでは、&#13;
女性たちが行政的なタテ型の構造とそこに内在するメンバー同士の序列的関係性を利用し、&#13;
相互に「頼る」、「世話をする」という関係性を生み出していた。つまり、職員女性やベテ&#13;
ランの農村会員など序列性の上部に属する者がその下位に属する他の会員の世話をおこな&#13;
い、それに対する見返りとして、彼女たちから信頼や尊敬、感謝などを獲得するという関&#13;
係性が築かれていていたのである。このような「頼る」、「世話をする」関係性は、双方が&#13;
対等な立場にある状況では成立しない関係であり、彼女たちはプログラム側が否定してき&#13;
た序列関係をあえて利用しながら、相互依存的な関係性を作りだしていた。またそのなか&#13;
で、自己の役割や位置づけを認識し、マヒラ・サマーキャの一員としての自己を形成してい&#13;
たのである。こうして活動実践を通じて形成されたマヒラ・サマーキャの一員としての自己&#13;
は、女性たちがそれまでに形成してきた婚家における妻、嫁、母としての自己に新たに加&#13;
えられ、女性たちは婚家のみにとどまらず、プログラム内部にも自らの役割や存在意義を&#13;
見出すようになっていった。&#13;
一方、マヒラ・サマーキャがもたらす新たな価値観や行動規範は、当該社会における既存&#13;
の規範とはきわめて異質な性質をもつ。それゆえに、女性たちは婚家においては、妻、母、&#13;
嫁としての自己へと再び引き戻されることとなる。そこで第4章では、再び視点を農村に&#13;
移し、女性たちの活動への関わり方と、その背後にある当該社会の観念や規範との関係性&#13;
について考察をおこなった。当該社会では多くの女性が依然として開発による変化に戸惑&#13;
い、積極的な関与を躊躇する状況がある。その理由の一つには、第2章でも触れたカルマ&#13;
や穢れを意味するガンダーなどのこの社会のヒンドゥー的観念と結びついていることが分&#13;
かった。彼女たちの語りには、家の仕事や育児などカルマによって定められた既婚女性と&#13;
しての役割や行動規範を蔑ろにして活動に参加するという行為が、規範から逸脱した不道&#13;
徳(ガンダー)な行為であるという観念が表されていた。つまり、既存の規範を侵すこと&#13;
に対する不安の意識が、彼女たちを参加から引き止める要因となっていたのである。一方、&#13;
彼女たちの語りからは、困窮した生活といった自らのカルマを変革したいという願望も表&#13;
されていた。すなわち、女性たちの自己内部には、カルマの定めに従わなければならない&#13;
とする従来の規範と、カルマを変革したいという思いが混在しており、その狭間での葛藤&#13;
や戸惑いが語りや行為などの自己表出の揺らぎとなってあらわれていたのである。本章で&#13;
はこの揺らぎを「多元的自己表出」という概念で示し、この概念を用いながら当事者たち&#13;
による開発の受容のあり方を検討した。「多元的自己表出」とは、複数の性質の異なる価値&#13;
観や社会関係におかれた個人が、他者との相互交渉をおこなうなかで、相手や状況、立場&#13;
などに応じて自己表出のあり方を選び取り実践する行為を表す。マヒラ・サマーキャという&#13;
異質な経験を通して形成された女性の自己は、既存の規範との狭間で揺らぎをともないな&#13;
がらも、婚家における自己表出のあり方に少しずつ変化を生み出していた。つまり、揺ら&#13;
ぎのなかに生じる女性たちの変革への思いが、自己を表出する上での時と場所、相手など&#13;
ある一定の条件が揃ったときに、権力をもつ他者に対して発話や行為として発現されてい&#13;
たのである。本章では、このような多元的自己表出の反復を通して、女性たちが既存の権&#13;
力構造に変革を主体的に働きかけ、さらに変化を実現していく状況を明らかにした。&#13;
本研究では、「多元的自己表出」という視点からある社会が直面する変化の状況を捉える&#13;
ことで、序論で批判的検討を加えた、いかなる女性の変化も排除するような閉ざされた権&#13;
力構造を強調する議論を反証することができた。また、開発による変化を単線的に捉えて&#13;
きた先行研究に対しても、開発に巻き込まれた当事者たちが様々な社会関係や規範、役割&#13;
にとらわれつつも、従来の規範の変換を主体的に模索する様相を丹念に描き出すことで、&#13;
新たな視点を提示できたと考える</datacite:description>
          <datacite:description descriptionType="Other">総研大甲第1083号</datacite:description>
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