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          <dc:title>農業技術改善の民俗誌　-紀ノ川下流域村落の一七～二〇世紀前半における動向の分析-</dc:title>
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            <jpcoar:creatorName>加藤, 幸治</jpcoar:creatorName>
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            <jpcoar:creatorName>カトウ, コウジ</jpcoar:creatorName>
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            <jpcoar:creatorName xml:lang="en">KATO, Koji</jpcoar:creatorName>
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          <datacite:description descriptionType="Other">本研究の目的は、日本の稲作における労働集約的性格が顕著に見られる畿内周辺農&lt;br /&gt;村をフィールドに、個別地域に視座を置いて農業技術改善の歴史的展開をとらえる、&lt;br /&gt;新たな民俗技術研究の枠組みを提示することにある。&lt;br /&gt;　労働集約型農業の研究としては、勤勉革命論や中耕農業論などが知られる。しかし&lt;br /&gt;それらは、社会・経済のモデルの抽出にとどまっており、農業を記述するための分析&lt;br /&gt;概念としては一定の有効性を持つものの、史実との齟齬から批判がある。筆者は、労働集約型農業を基盤とする個別地域内において、新技術の受容・排除といった選別が&lt;br /&gt;いかなる価値判断で行われ、その結果として標準がどのように形成されたのかを、具&lt;br /&gt;体的に記述するためのフィードワークが不可欠であると考える。&lt;br /&gt;　こうした問題意識において、筆者は小谷方明らが提唱した未完の流通民具概念を方&lt;br /&gt;法論的基盤に位置付けた。流通民具概念の今日的意義は、物質文化や民俗技術は、知&lt;br /&gt;識・情報・技術・物品の流通によって偶発的に形成されるという発想と、道具の規格&lt;br /&gt;化・標準化といった状況を、新技術の生活の現場への受容過程の創造的な営みとして&lt;br /&gt;とらえる見方にある。&lt;br /&gt;　筆者は独自のアイデアとして、この流通民具概念に、標準の形成に関する概念を結&lt;br /&gt;合させた。ここで借用した標準化の形成の概念は、ポール・デヴィッドが提示した「事&lt;br /&gt;実上の標準」である。これは、科学性・合理性を根拠としたトップダウン的な知識や&lt;br /&gt;技術の普及によって計画的に形成される「公的な標準」に対し、「事実上の標準」はユ&lt;br /&gt;ーザーやメーカーが生産現場の特定の事情から案出した技術革新が、ローカルな要因&lt;br /&gt;で普及した結果として形成される標準である。流通民具概念の知識・情報・技術・物&lt;br /&gt;品の流通による物質文化の理解と、特定の道具が地域的に普及するプロセスをトップ&lt;br /&gt;ダウン・ボトムアップの双方から理解しうる標準の形成の概念は、農具と農業技術の&lt;br /&gt;歴史的展開を追跡する本研究においては有効な組み合わせであると考える。&lt;br /&gt;　本研究は、民俗誌という記述のプラットホームを重視した。筆者は、近年隆盛の実&lt;br /&gt;践的なアプローチの民俗誌だけではなく、地域的に特色あるテーマを、より歴史研究&lt;br /&gt;に軸足を置いたアプローチによって描出する民俗誌を集積することも、民俗学の独自&lt;br /&gt;性獲得に寄与すると考える。本研究の目的達成のためには、様々な時代の、複数の形&lt;br /&gt;態の資料（文献史料・行政による統計資料・民具・建造物・聞書き）を分析する必要&lt;br /&gt;がある。本研究において、民俗誌は、個別の時代史の諸側面を地域において統合する&lt;br /&gt;機能を内在する歴史叙述のプラットホームである。&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;　本論のケース・スタディでは、フィールドを紀ノ川下流域に定めた。畿内近郊の河&lt;br /&gt;内・和泉地域の先進的な農業技術の影響をすでに近世から受け、近代以降は和歌山城&lt;br /&gt;下や大阪などの消費地を背景に、農業技術の実験場的な様相を呈したこの地域は、労&lt;br /&gt;働集約型農業における個別地域の農業技術改善を研究するための条件を整えている。&lt;br /&gt;筆者は、県立博物館勤務時代に行った文献調査、収集を伴う農具調査に加え、現地へ&lt;br /&gt;の住込みによる二年四ヶ月間（二〇〇六年四月～二〇〇八年八月末）のフィールドワークを行った。&lt;br /&gt;　この地域で編まれたいくつかの近世農書類からは、技術改善の農民の考え方として、&lt;br /&gt;次の三点を指摘できた。第一に、表作の米の収量向上のために労働をどう編成して投&lt;br /&gt;入するかという作業設計の洗練化である。第二に、「能作人（よきさくにん）」とよば&lt;br /&gt;れる農業に長けた地域の古老に取材し、それを地域内の他の農民に普及することで技&lt;br /&gt;術のレベルアップを図ろうとする民俗知の外部化である。第三に、裏作の畑作物によ&lt;br /&gt;る利益向上のための、市場を念頭に置いた商品作物の実験や試行錯誤である。&lt;br /&gt;　明治前期から昭和前期の農政資料の分析からは、紀ノ川下流域の農民は、二毛作と&lt;br /&gt;いう在来の生産基盤は放棄せず、二毛作特有の農繁期の効率化を最重要課題としてい&lt;br /&gt;たことが分かった。そのため、経験的に身につけてきた在来技術のセットに、新技術&lt;br /&gt;を作業工程の一部にだけ導入する傾向が強かった。また、個別地域においては農業に&lt;br /&gt;長けた人物が「老農」として技術改善を担う体制が作られ、彼らの知識は国家的な勧&lt;br /&gt;農に資する知識として回収されていった。&lt;br /&gt;　新技術を含む牛耕農具（二毛作独特の農繁期に用いる農具）の分析からは、新技術&lt;br /&gt;の普及が地域に浸透する過程と、農民と農具を製作する鍛冶職人や農機具商人が、地&lt;br /&gt;域のニーズをふまえた改善を加えて普及する過程が、せめぎ合うように展開したこと&lt;br /&gt;がわかった。前者は「公的な標準」、後者は「事実上の標準」の形成と理解でき、農民&lt;br /&gt;は、その両方を、二毛作特有の農繁期の負担軽減に益するか否かを本位として取捨選択していた。&lt;br /&gt;　現地での聞書きによる農作業と農具の使用に関する調査では、次の三点を明らかに&lt;br /&gt;できた。第一に、地域独特の灌漑による技術的制約や、それを逆手に取った新技術の&lt;br /&gt;導入は、技術改善に対する農民の関わり方にローカルな要因が強く働いていたことを&lt;br /&gt;示している。第二に、技術改善によって得られた余剰生産においては、威信獲得のた&lt;br /&gt;めの象徴財（公共事業や長屋門建設）への投資から、技術改善に関する投資（新製品&lt;br /&gt;の獲得）へと価値観が転換した。この動向は、農具の商品化による技術改善ブームと&lt;br /&gt;パラレルに進行しており、従来指摘されてこなかった農村における思考の転換点と位&lt;br /&gt;置付けることができる。第三に、労働への美学と労働軽減の正当化のダブル・スタン&lt;br /&gt;ダードが見出される。これは、自らの労働の軽減には“手抜き”といった消極的評価&lt;br /&gt;がみられる一方、使役する労働の軽減については、経営努力として積極的評価が付与&lt;br /&gt;される傾向である。こうした対する道徳や価値観は、農民による主体的な新技術の取&lt;br /&gt;捨選択に影響を及ぼしてきたと思われる。&lt;br /&gt;&lt;br /&gt;　結論では、他地域の事例にも適用可能な成果として、以下を提示した。&lt;br /&gt;　まず、本研究では新技術の受容をローカルな生産現場から記述してきたが、新技術は近&lt;br /&gt;代化の社会理論で指摘されてきた「専門化システム」への「信頼」を背景に普及するもの&lt;br /&gt;ばかりではかった。むしろ「パーソナルな経験主義への信頼」、農民の労働観や道徳への依&lt;br /&gt;存、農具における「事実上の標準」の形成といった要素が、新技術の受容において重要で&lt;br /&gt;あった。これを理解することは文献資料のみでは困難であり、現場で使用された道具の調&lt;br /&gt;査や民俗調査の成果をふまえた総合的理解が有効であると、筆者は考える。&lt;br /&gt;　そして、技術改善の歴史的展開を理解するためには、「地域における技術改善の本位」&lt;br /&gt;を浮き彫りにすることが有効である。単線的な技術発展をもとにした歴史認識ではなく、&lt;br /&gt;農民が本位とする思考に基づく偶発的な技術発展は、技術の地域差を理解するうえで&lt;br /&gt;も有効であろう。&lt;br /&gt;　筆者は、農業の生産現場を、行政による権力を背景とした施策、学理的農法や合理&lt;br /&gt;主義への信頼、物流体制の広範化といったマクロな状況と、農民側の価値観や志向性&lt;br /&gt;といったミクロな動向が交錯する場ととらえることが重要であると考える。本研究か&lt;br /&gt;ら、そうした視点によるケース・スタディの集積が、日本の農業と農村の特質を理解&lt;br /&gt;する道筋であると、筆者は考えるに至った。</datacite:description>
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