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          <dc:title>内在性mRNAを可視化する蛍光プローブの開発とβアクチンmRNAの細胞内局在解析</dc:title>
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            <jpcoar:creatorName>稲熊, あすみ</jpcoar:creatorName>
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          <datacite:description descriptionType="Other">&amp;nbsp;&amp;nbsp;本論文は、全四章で構成される。序章では、生命現象を研究する上でのライブイメージングの利点、および既存のmRNAライブイメージング法の問題点を概説した上で、本研究の目的を記述した。生物試料から空間的情報を得るために広く使われている手法は、サンプルを固定し、特定の観察対象物を染色して、顕微鏡で観察する方法である。しかし、この方法では同一のサンプルで時間的経過を追うことができない。ライブイメージングは生きたサンプルを観察するため、このような問題点を解決できる。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;これまでに，mRNAが細胞内の特定の領域に局在することが知られている。しかし、その仕組みや生理的な意義の多くは解っておらず、ライブイメージング法によるmRNAの局在や、それに伴う動態の解明によって、これらの現象への理解が深まることが期待されている。既存のmRNAライブイメージング法には、内在性mRNAを可視化できないという欠点や、マイクロインジェクションを用いるため、細胞へ与えるダメージが懸念される、といった欠点が存在し、mRNAのライブイメージング法には更なる改良が必要である。本研究では、既存のmRNAイメージング法の持つ欠点を克服し、一分子レベルでのmRNAの動態を可視化できるプローブの開発を目的とした。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;第１章では、全長の蛍光タンパク質を用いる「全長型プローブ」の開発について記述した。全長型プローブの構成と作動原理について説明し、設計したプローブの有用性を検証した結果と考察を記述した。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;全長型プローブは、配列特異性を持つRNA結合タンパク質（Homo sapiens Pumilio1 Homology Domain : HsPUM1-HD）と蛍光タンパク質（Enhanced Green Fluorescent Protein : EGFP）から構成される。HsPUM1-HDは、RNAの認識に関わる数アミノ酸に変異を加えることによって、任意のRNA8塩基配列に特異的に結合するように改変できる。観察対象のmRNA配列に合わせて設計した二つの変異型HsPUM1-HDの間にEGFPを組み込むことで、観察対象のmRNA内の16塩基に特異的に結合し、蛍光標識するプローブを考案した。また、プローブに核移行シグナルペプチド配列 (Nuclear Localization Signal; NLS) を付加することによって、mRNAに結合していないプローブを核内へ局在させ、細胞質内の背景光が低減されるように設計した。このプローブは、プローブの遺伝子を細胞内へ導入することで、細胞内で産生される。このため、リポフェクションを用いて低侵襲的に細胞内へプローブを導入することができる。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;本研究では、既に局在や動態が報告されているβアクチンmRNAを可視化することで、全長型プローブの有用性を評価した。作製したプローブの遺伝子を細胞に導入し、落射照明蛍光顕微鏡で観察した。核付近と細胞辺縁部付近に見られたプローブの局在は、過去に報告されたβアクチンmRNAの局在と一致した。この結果から、プローブがβアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。続いて、免疫沈降により細胞抽出液からプローブを単離し、プローブに結合しているmRNAを逆転写PCRによって増幅したところ、βアクチンmRNAが検出された。また、in situハイブリダイゼーションによってβアクチンmRNAを標識し、プローブの細胞内局在と比較したところ、プローブはβアクチンmRNAと共局在を示した。これらの結果から、プローブはβアクチンmRNAに特異的に結合することが証明された。全反射照明蛍光顕微鏡を用いて、プローブを発現した細胞の観察を行ったところ、輝点状の蛍光シグナルが多数観察された。輝点状に観察される蛍光シグナルは一段階消光を示した。従って、輝点状に観察される蛍光シグナルが一分子のEGFPに由来することが証明され、βアクチンmRNAを一分子レベルで検出できることを明らかにした。また、観察された輝点は、微小管上を直線的に移動した。輝点の動態が、過去に報告されたβアクチンmRNAの動態と酷似していたことから、本研究で作製したプローブは本来の動態を阻害することなく、βアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;第２章では、二断片に切断した蛍光タンパク質の再構成法を利用した「再構成型プローブ」の原理を説明し、設計したプローブの有用性を検証した結果と考察を記述した。&#13;
再構成型プローブは、EGFPのN末断片を連結した変異型HsPUM1-HDと、EGFPのC末断片を連結した変異型HsPUM1-HDから構成される。これらのプローブは細胞内で発現しても蛍光を示さないが、二つのプローブがmRNAに結合するとEGFPの二断片が近接してEGFPの再構成が起こる。それぞれのプローブがmRNA内の二つの8塩基配列に結合して初めて蛍光を示すプローブとして、再構成型プローブを考案した。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;再構成型プローブを発現した細胞に対し、免疫沈降・逆転写PCR法を行った。その結果、βアクチンmRNAがいずれのプローブからも検出されたことから、二つのプローブは共にβアクチンmRNAに結合することが示された。また、プローブの遺伝子を導入した細胞で、βアクチンmRNAをin situハイブリダイゼーションによって標識したところ、βアクチンmRNAとEGFPが共局在する様子が観察された。この結果から、再構成型プローブがβアクチンmRNAに特異的に結合し、EGFPの再構成が起きることが確認された。続いて、プローブを発現した細胞を全反射照明蛍光顕微鏡で観察した。細胞内では、輝点状の蛍光シグナルが一段階消光を示した。これは、輝点が一分子のEGFPに由来することを意味し、一分子のβアクチンmRNAの観察が可能であることを証明した。血清刺激に対する輝点の局在変化や、微小管上を移動する輝点の動態は、βアクチンmRNAの過去の知見に一致した。このことから、作製したプローブが局在や動態を妨げずにβアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;第３章では、第１章と第２章を総括し、結論を述べた。本研究では、新規のmRNAイメージング用プローブとして、全長型プローブと再構成型プローブを開発し、その作製に成功した。まず、作製した両プローブが標的mRNAに特異的に結合することを証明し、これらのプローブによって可視化されたβアクチンmRNAが、これまでに報告されている局在や動態を示すことを実証した。両プローブにはそれぞれ利点があり、利点に応じた使い分けによって、多くの生物学的知見を得られることが期待される。全長型プローブは、EGFPの再構成に伴う発色団の形成に時間を要しないため、mRNAのスプライシングや、前駆体mRNAから成熟mRNAへの修飾過程など、転写直後のmRNAの観察に適していると考えられる。一方、再構成型プローブは、mRNAに結合して初めて蛍光を示すため、mRNAに結合していないプローブに由来する背景光が抑えられる。このことから、mRNAの輸送や翻訳、分解などの過程における一分子のmRNA観察に有用的であると考えられる。&#13;
&amp;nbsp;&amp;nbsp;開発したいずれのプローブも、低侵襲的に内在性mRNAを可視化することができる。本研究により開発したプローブを利用し、様々なmRNAの細胞内局在と動態を観察することにより、それらの仕組みや生理的意義の解明が期待される。</datacite:description>
          <datacite:description descriptionType="Other">総研大甲第1474号</datacite:description>
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