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シアノバクテリアは概日リズムが知られている唯一の原核生物である。他の既知の概日モデル生物と異なり、核といった細胞構造や、細胞周期に依存せずに、概日リズムを発現する。シアノバクテリアの概日振動体は、自己キナーゼ・フォスファターゼ活性を有するKaiCと、そのリン酸化を調節するKaiA、KaiBから成る。KaiCは転写の自己制御に関与し、これにより転写・翻訳レベルの概日振動が生じると考えられる。一方でKaiCリン酸化の概日振動は、転写が無くとも生体内で継続しており、また試験管内で3つのKaiタンパク質とATPを混ぜることでも再現された。このようにKai振動体ではTTO過程とnon-TTO過程の双方が働いており、これが他の生物にも共通する概日発振構造であるのか否かという議論を含め、概日システムの中核を解析する最も単純な系として注目を集めている。本研究では(1)TTO過程におけるKaiC転写制御機構(2)non-TTO過程におけるKaiCリン酸化制御機構について、それぞれ数理モデルを用いたメカニズムの予測を行った。
(1)TTO過程におけるKaiC転写制御機構について、KaiCはリン酸化状態によって転写を正にも負にも制御している可能性が実験により示されている。ここではKaiCの各リン酸化状態が自身(kaiBCオペロン)の転写制御にどのように働くのか、発現レベルの振動が起きる条件を明らかにすることで調べた。重要と思われる3つの要素、kaiBC mRNA、非リン酸化KaiC、リン酸化KaiCの発現の増減を微分方程式で表した。非リン酸化KaiCとリン酸化KaiCのそれぞれが、転写を正か負に制御すると仮定し、制御のあらゆる組み合わせを表現できる数理モデルを設定した。数理解析の結果、振動が起きるには(i)リン酸化速度が速く、リン酸化KaiCが転写を促進する場合、(ii)リン酸化速度が遅く、リン酸化KaiCが転写を抑制する場合の2通りだけが可能と分かった。どちらの場合も非リン酸化KaiCの転写制御における役割は重要では無かった。シミュレーションの結果、(i)ではkai遺伝子の変異株等で観察される転写活性の変化をよく再現できた。このモデルはKaiBによるリン酸化反応への負のフィードバックが重要であり、既知のTTO過程における転写制御様式と異なる。リン酸化速度の振幅が高いうえ、KaiCの濃度変化にロバストであり、生体内のメカニズムを表現している可能性が高いと考えられる。(ii)では実験結果を再現できず、リン酸化速度の振幅およびKaiCの濃度変化に対するロバストネスは 非常に低かった。以上、KaiCは非リン酸化状態では転写を抑制し、リン酸化されると転写を促進することが理論的に予測された。
(2)non-TTO過程におけるKaiCリン酸化制御機構について、Kaiタンパク質間相互作用の周期的変化に着目した。KaiAはKaiCのリン酸化を促進し、次第にリン酸化KaiCと安定な複合体を形成するようになる。よって複合体形成により、遊離KaiAが減少することで、KaiCリン酸化反応に負のフィードバックが働き、KaiCのリン酸化振動が生じる可能性がある。しかし、観察される複合体形成過程をそのまま取り込んだ基本モデルは、シミュレーションにより、振動しないことが分かった。そこで一般的な性質を解析するために、ある分子が全体の量を保ったまま、複数の状態を順番に遷移する系を考えた。このような閉鎖系で、各状態の濃度が振動するには、遷移反応へのフィードバックが必要であると証明できた。さらに、フィードバックを受ける反応と与える因子は、一定の状態数以上離れている必要があることを明らかにした。この知見を基に改良したモデルを用いてKaiCのリン酸化振動を解析した。その結果、振動するためには、KaiCは初期のリン酸化の後、KaiAとの複合体を形成する前に、未知の別の状態を経る必要があることが分かった。この結果はフィードバックの時間遅れが発振に必要であることを示している。ただし、時間遅れの効果を発現するためには状態数を増やすことが必要であり、反応速度を遅くするだけでは発振できないことも解析により示した。KaiCは発現すると速やかにホモ六量体を形成しており、多様なリン酸化状態や立体構造を取ると推測されている。本研究により、KaiCの多様な状態間の機能的差違と、その振動制御における重要性が明らかになった。
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