@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001111, author = {森, 誠之 and モリ, マサユキ and MORI, Masayuki}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {活動電位はニューロンや筋細胞などの興奮性細胞に見られる特有の膜電位変化である。この活動電位の発生には幾つかのチャネル分子が関与しているが、彼は、このうちうちの一つである電位依存性ナトリウムチャネルについて研究を行ってきた。彼の目的はこの活動電位の発生機構の詳細を調べる為にこのナトリウムチャネルに結合する蛋白質を探し、機能への関与を検討することにあった。まず最初に脳に最も多く発現しているナトリウムチャネルのカルボキシル末端ドメインを用い、これに結合する蛋白質をラット脳から探索した。方法として、細胞内の環境に近い形でスクリーニングするため、酵母Two - Hybrid法を用いた。
 その結果、新規結合分子としてカルモジュリンを同定した。カルモジュリンはカルシウムシグナル系の中心的分子であるが、細胞が興奮する際に機能する点においてナトリウムチャネルと共通性を持っていることから、興味深い分子間相互作用であると思われた。そこで更にナトリウムチャネルと、カルモジュリンの相互作用を解析した。その結果、カルモジュリンがナトリウムチャネルの1901~1938アミノ酸残基の領域に結合することを明らかにした。またナトリウムチャネル由来の融合蛋白質を用いてカルシウム依存性について検討したところ、カルシウム依存的に起こるカルモジュリンの一般的な結合とは異なり、カルシウム存在、非存在下、何れにおいてカルモジュリンはナトリウムチャネルのC末に1:1の割合で結合していた。加えて、興味深いことにカルシウム非存在下においてより強い結合を示していた。この様に珍しい性質をもつ分子間相互作用を検討するため、ナトリウムチャネル由来のペプチドを用いて詳細に解析した。この結果、カルモジュリンとペプチドの複合体の構造上の差異を、ダンシル力ルモジュリンを用いた蛍光スペクトルの変化から初めて見出すことができた。更にこの複合体の2次構造を円偏光二色法を用いて比較したところ、両者の相違は約5アミノ酸残基分のアルファヘリックスに相当していることが明らかになった。これらのことを総合的に判断するとナトリウムチャネルとカルモジュリンは、構成的に複合体を形成しており、カルシウム依存的に複合体の構造を変化しているものと考えられた。
 昨年、ナトリウムチャネルと最も相同性の高い電位依存性カルシウムチャネルにおいて、カルモジュリンがやはりC末ドメインに結合し、そのカルシウム依存的なチャネルの不活性化に関与していることが相次いで報告された。そこで、これらの結果を踏まえ、カルモジュリンのナトリウムチャネルへの関与を電気生理学的な実験を行い検討した。現在、基本的なチャネル活性について解析を行ってきたが、今のところ大きな変化は得られていない。しかしながら、本研究で用いているナトリウムチャネルの以外のサブタイプにも本研究で明らかとなったカルモジュリン結合部位は高い相同性を持って存在している。このことから、今後も他のサブタイプも踏まえ、カルモジュリンのナトリウムチャネルへの関与について研究を続行したいと考えている。, application/pdf, 総研大甲第480号}, title = {Interaction between the Voltage-Dependent Sodium Channel and Calmodulin}, year = {} }