@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001120, author = {石橋, 智子 and イシバシ, トモコ and ISHIBASHI, Tomoko}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {脊椎動物の有髄神経軸索は、中枢神経系ではオリゴデンドロサイト、末梢神経系ではシュワン細胞が形成するミエリン膜に覆われている。神経の活動電位はミエリンに覆われていないランビエの絞輸(node)からnodeへと伝わる跳躍伝導により、効率的かつ迅速に伝導する。ミエリンが形成されると軸索上にはnode、軸索とミエリンが直接接するparanode.juxtaparanode、およびミエリンに完全に覆われるinternode、という明らかに構造の異なる4つのドメインが形成される。活動電位発生に関わる電位依存性Na+およびK+チャネルは、無髄軸索上では均一に分布するのに対して、有髄軸索上ではそれぞれnodeあるいはjuxtaparanodeに特徴的に局在化することから、軸索上のこれらのドメインが機能的にも異なることが知られている。しかし、ミエリン膜がどのような機序で軸索ドメイン形成を引き起こすのか詳細は明らかではなく、またグリアとニューロンの相互作用を理解する上で重要なparanodal junctionの形成機構も依然不明である。彼らは上記の疑問を解明する目的で,正常および様々なミエリン形成異常マウスにおける軸索上のドメイン形成を解析した。
 その結果、ミエリン膜の重要性はドメインによってそれぞれ異なることが明らかとなった。Na+チャネルの存在するnodeの初期形成にはミエリン膜は必要なくオリゴデンドロサイトの存在が不可欠であること、しかしnodeの成熟化にはミエリン膜が必要であることが分かった。一方K+チャネルが局在しているドメインを形成するにはコンパクトミエリンが必須であること、その局在化部位の決定にはコンパクトミエリンおよびparanodal junctionが重要であることが明らかになった。さらに一旦形成されたドメイン構造が脱髄後に消失することより、ミエリン膜は軸索ドメインの初期形成のみならず維持にも必要であることが分かった。
 現在paranodeに局在しjunction形成に関与している細胞接着分子として軸索側ではcontactin、contactin-associated protein(Caspr)、ミエリン側ではneurofascin155(NF155)が既に同定されている。しかし、これら軸索およびミエリン側の分子が直接結合している証拠はなく、junction形成に関与している他の分子の存在が推測された。そこでミエリン側のjunction形成に関与する分子を解明するためにさらに研究を進めた結果、ミエリンの主要糖脂質の一つであるスルファチドおよびミエリン最外層に存在する4回膜貫通蛋白CD9の欠損マウスが、ともにjunction形成異常を呈すること、そしてCD9はparanodeにも局在していることを見出した。さらにどちらの欠損マウスにおいてもNF155の局在異常が認められた。これらのことよりスルファチドおよびCD9はNF155などjunction形成に関わるミエリン分子をparanodeに運ぶ重要な役割を果たしていることが明らかとなった。, application/pdf, 総研大甲第616号}, title = {Molecular compositions of myelin that restrict location of axonal proteins to the nodal region in myelinated fibers}, year = {} }