@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001131, author = {海老原, 利枝 and エビハラ, サトエ and EBIHARA, Satoe}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {小胞型GABAトランスポーター(VGAT)とグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)は線虫からほ乳類に至る神経系でGABAニューロンに選択的に発現している。従って、これらの遺伝子発現機構が明らかになればGABAニューロンの分化過程が理解できるようになると考えた。VGATは最近発見された(McIntire et al., 1997; Sagne et al., 1997)ので遺伝子構造や発現調節機構は調べられていない。そこでマウスVGAT遺伝子の構造および培養細胞中での発現を調べた。VGAT遺伝子は全長約4.7kbで、3個のエクソンと2個のイントロンから構成されていた。また、GADRT-PCR/southern blotting法を用いて既に同定されていた配列(VGATa)とC末端側のアミノ酸配列が異なるスプライシングアイソフォーム(VGATb)を同定した。主要な転写開始点は翻訳開始点から209bp上流だった。
 培養細胞においてVGAT遺伝子は、レチノイン酸(RA)で分化誘導したP19胚性腫瘍細胞で高レベル、未分化のP19細胞では低レベルの発現がみられ、Neuro-2a神経芽細胞では発現が認められなかった。プロモーター領域にはSp-1,Egr-1,Pitx等の転写調節領域が認められた。遺伝子の上流約2.0kbをルシフェラーゼ・レポーター遺伝子に連結し上記培養細胞に導入した結果、いずれの細胞でも同様の活性を示した。更に、遺伝子の上流約2.0kbから順次欠失させた変異体の解析により転写開始点より-161から+155までの領域が、プロモーター活性に最小限必要であることを明らかにした。ゲルシフトアッセイによって-49から-27の領域にSp-1に似た蛋白が結合することを示した。これらの配列がVGAT遺伝子の発現調節を行っていると考えられる。
 UNC-30ホメオドメイン蛋白はC. elegansでGABAニューロンの分化に必要な転写因子で、unc-25(GAD)とunc-47(VGAT)の発現を調節している。このことからほ乳類ではUNC-30のホモログであるPitx蛋白がGABAニューロンの分化に関与していると推測した。Pitx2a,Pitx2b,Pitx2c遺伝子の発現は、RA処理したP19細胞で同様に誘導された。更にPitx2aをRA処理したP19細胞に一過性に発現するとGAD67mRNAを発現した細胞とGABAを発現した細胞数が増えた。次に導入したPitx2a発現細胞とGABAニューロンの局在を抗体染色で調べると、発現した細胞は異なっていた。またPitx2aがVGATとGAD65遺伝子のプロモーターを活性化していることをレポーターアッセイで示した。これらの結果からPitx2aはRA処理したP19細胞中で間接的にGABAニューロンの分化を誘導している事が考えられた。
 今回の研究で、マウスVGAT遺伝子の構造を明らかにした。これによってVGATノックアウトマウスを作製し、生体内でのVGATの機能を調べることができる。また、VGAT遺伝子の転写調節機構を更に検討することにより、ほ乳類でのGABAニューロンの分化過程が明らかになることが予測される。, application/pdf, 総研大甲第700号}, title = {Vesicular GABA transporter and glutamate decarboxylase genes as targets for differentiation of GABAergic neuron: genomic organization and transcriptional regulation}, year = {} }