@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001144, author = {三木, 研作 and ミキ, ケンサク and MIKI, Kensaku}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {脳磁針を用い、「口の動き」がヒトの脳内でどのように情報処理されているかを調べるために以下の二つの実験を行った。

(1) 「口の動き」によって誘発される脳活動の時間的、空間的特徴
(2) 音声を聞いているときに同時に「口の動き」を提示した際の聴覚野活動に対する影響

 まず(1)に関して、仮現運動刺激を利用し「目の動き」をコントロールにして、「口が開く」、「口が閉じる」動きによって誘発される脳活動の違いを調べた。「口の動き」によって明瞭な成分(潜時は約160ミリ秒)が誘発された。次に複数双極子モデル、the brain electic source analysis(BESA)を用いて以下の4つの活動源を推定した。

1 後頭側頭部(ヒトのMT/V5野) 2&3左右の第一次視覚野
4 側頭葉下面(紡錘状回)

 双極子1の活動は他のものに比べて大変大きいものであった。「口の動き」の認知には主として後頭側頭部が関与していることが示された。
「口が開く」と「口が閉じる」という条件より推定された双極子1はほぼ同じ所に位置していた。(1)の実験結果より、「口の動き」、「目の動き」によってヒトのMT/V5野が活動することが示された。また「目の動き」による活動は「口の動き」によるものより大きく、「口が開く」動きと「口が閉じる」動きによって誘発される脳活動には違いはなかった。MT/V5野は動きの認知に関して上側頭溝と異なった過程を持つことがわかった。
 次に(2)の実験では、音声聴取の際、「口の動き」を見たときに聴覚野の活動にどういう影響が生じるかを、聴覚野の反応を示すM100(潜時が約100ミリ秒)の時間的、空間的特徴を調べることで明らかにした。
 「音声のみの出力」と「音声と口の動きの同時出力」の際のM100を比べると両条件の間に潜時、振幅に関して有意な差はなかった。次にM100の活動源を単一双極子モデルにて推定したところ、両条件ともにヘシェル回に位置し、なおかつその場所に関して有意な差は認められず、またその活動の大きさにおいても有意な差は認められなかった。
 (2)の実験結果より、音声聴取の際のへシェル回の活動に対して、「口の動き」の影響はなく音声の特徴を処理していることが示された。, 総研大甲第780号}, title = {Human brain activities relating to mouth movements perception}, year = {} }