@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001160, author = {原田, 宗子 and ハラダ, トキコ and HARADA, Tokiko}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {触覚情報を用いて非言語的、空間的な処理を行う際の左手優位性、大脳右半球優位性は以前から多数報告されている。しかしながら、幾つかの先行研究より、左手及び大脳右半球が触覚による形状弁別において優位ではあるが、両半球間の情報交換が両手の能力を等しくしているのではないかということが示唆される。
 そこで、右半球優位であるならば、右手で非言語的かつ空間的な課題を行う際には左手で行う場合に比べて、両半球間の情報交換という意味でより負荷がかかるのではないか、従って、左手及び右手で課題を行った際の神経活動の差を調べればそのような負荷に関連する神経基盤が抽出できるのではないかと考え、その仮説のもとにfMRIを用いた実験を行った。本実験は次の二点について調べることを目的として行っている。一つはhemisphere effectであり、触覚による形状弁別において右半球優位であることに関連する神経基盤を調べることである。もう一つはhand effectであり、すなわち両半球間の情報交換による負荷に関連する神経基盤を調べることである。
 本実験では19人の右利き健常被験者に触覚による形状弁別課題を行ってもらった。触覚刺激としては二点点字のペアを用いており、同じ点字から成るペアか、異なる点字から成るペアかの弁別を行っている。被験者は全員点字読はできないため、点字を課題に用いてはいるが文字としての意味は持たない。従って、本実験で用いた課題は、非言語的な、空間パターンとしての形状弁別課題ということになる。指の運動という要素を除くため、触覚刺激は刺激の方を動かすことで指先に受動的に呈示し、課題は左手、右手それぞれについて行っている。
 結果は、hemisphere effectとして、課題を行った手に関わらず、右半球のdorsolateral prefrontal cortex,posterior parietal cortex,pre-supplementary motor area,及びrostral portion of the dorsal premotor cortex (PMdr)の活動が見られた。また、hand effectとして、左半球のcaudal PMd (PMdc)にのみ活動に有意な差が見られた。この活動は右手で課題を行った際にのみ見られ、左手で課題を行った際にはこのような活動は見られなかった。
 これらの結果を踏まえ、本実験では以下の二つのことが結論付けられる。一つは、触覚の形状弁別においても、空間的注意に関連する、右半球にウェイトのかかった神経基盤が重要であると考えられると言うことである。従って、左手から入った触覚情報は、右半球に直接入力されて処理されるが、右手から左半球に入った情報は、右側にウェイトのかかった神経基盤があるためにより両半球間の情報交換を必要とするのではないかと考えられる。そこで、そのような追加的な負荷というものに、左のdorsal premotorが何らかの関与をしているのではないかというのが二つ目の結論である。, application/pdf, 総研大甲第883号}, title = {Asymmetrical Neural Substrates of Tactile Discrimination in Humans: A Functional Magnetic Resonance Imaging Study}, year = {} }