{"created":"2023-06-20T13:20:00.541560+00:00","id":12,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"373ca326-dadd-4ec0-a9c5-84570c4d4e57"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"12","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"12"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000012","sets":["2:426:3"]},"author_link":["7371","7372","7373"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"栗原, 伸治"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7371","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"クリハラ, 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6章からなる本論文の各章における論述の概要は、以下のとおりである。\n 第1章では、本論文の背景、目的・意義と、先行研究の検討から本論文の位置づけをあきらかにした。また、調査対象、調査、研究方法などの概要についてものべた。\n 第2章では、本論文の切り口となる窰洞の物的な面での特徴をあきらかにした。まず、窰洞建築のいわば通時的な位置づけと共詩的な位置づけをおこなった。つぎに、窰洞建築の総合的な再分類をこころみた。そのうえで、窰洞建築および窰洞住居建築の固有性について考察した。その結果、窰洞建築の固有性として、第一に「掘る」ことによって得られた構造体としてのアーチ形状の内部空間という形状と建設方法に関連したことが、第二にそして窰洞住居建築の固有性として、物的な要素、材料、機能、平面構成において「多配列的」により「洗練」していることがあげられると指摘した。\n 第3章では、まず窰洞および”房屋(fang-wu)”とよばれる「近代的」な家屋の空間構成について分析したうえで、両者の住居空間にたいして現地のひとびとが潜在的な意識レベルでどのような秩序づけをおこなっているのかを、空間序列にかんする秩序の生成文法とその傾向という観点から、統計的かつ視覚的に分析した。そして、窰洞から房屋へ移り住むという近年の現象に焦点をあてれば、両者の空間構成は類似しているものの、移り住みにともなって、中庭を中心とした住居空間にだいする現地のひとびとのとらえ方が、外部的なものから内部的なものへと変化した、あるいは変化しつつあることを指摘した。また、秩序の地域的ズレ、理念と実態とのズレについても同様の方法をもちいて分析し、これら静態的秩序の動態的解釈をこころみた。そのうえで、秩序の動態的視点と展望にかんする考察もおこなった。\n 第4章では、第3章で得られた視点と展望をもとに、窰洞も黄土高原の「伝統」もいまなお「生きている」黄土高原北部の集落を対象とした住空間の秩序にかんする諸相の記述を、民族誌的資料にもとづいておこなった。まず、対象とした窰洞集落の集落空間を描くとともに、窰洞の住居空間もその建設方法にしたがって記述した。つぎに、住空間でみられる基礎としての静態的秩序についてのべた。一方、動態的秩序については、それが顕在化する儀礼や年中行事を取り上げて、それぞれの場における住空間の秩序にかんする諸相の記述をおこないながら解釈していった。最後に、これまでみてきた社会秩序の隠啼でもある空間秩序の動態的解釈をこころみて、第3章での分析結果も考慮しながら、住居空間の住空間における位置づけにかんしての考察をおこなった。その結果、住居空間とは、住空間において、(1)基礎としての静態的秩序が存在し、同時にあるときにはそれらと一致した、またあるときにはそれらとはちがった動態的秩序もあらわれる空間分節、かつ、(2)中心にかんする秩序が「面」的にあらわれない空間分節、である((1)∩(2))と位置づけられることを指摘した。\n 第5章では、前の3章であきらかにしたように構成され、秩序づけられ、位置づけられる住居・建築にだいする、図像的、感覚的な住居観・建築観のそれぞれについて、前の3章と対比しつつ考察した。前半では、現地のひとびとは住居を図像としてどのようにみており、それにたいしてどのような理想をもっているかについて考察した。ここでは、第3章での分析結果をべつの角度からあらためて論証し、さらには住居空間のとらえ方にたいする居住歴の影響も指摘した。また、第4章で考察した住空間における住居空間の位置づけの今後の変化も予想した。後半では、現地のひとびとは住環境としての住居・建築にたいしてどのような感覚をもっており、現地のひとびとにとってのそれはどのような存在なのかについて考察した。そして、黄土がかれらのいう「環境」の第一の要素であることと、窰洞住居は母親像がもつ二面性のうちの一面を兼ね備えており、それが期待されていることをのべた。最後に、前の3章と本章での考察結果をもとに、図像的、感覚的な住居観・建築観の両者をあわせた黄土高原における住居観・建築観にかんして、「掘る」という行為を中心に、総合的なまとめの考察をおこなった。\n 第6章では、本論文の結論をのべるとともに、今後の課題と展望についてものべた。\n 以上のような各章での考察結果をもとに、本論文ではおもに以下の4点を指摘した。\nI . 窰洞は、「掘る」ことによって得られた空間を中心に展開しており、その建設行為は、日常的におこなわれている。黄土高原には、この窰洞という建築を媒介とした社会集団や社会環境が存在している。\nII. 黄土高原のひとびとにとっての「掘る」こととは、自然環境と一体化しつつもそれをその内から日常的に制御し管理しようとする内部世界をつくることで、建築するという実践の基礎としてとらえることができる。\nIII. 身体行為としての「掘る」ことが、ほかとは差異化のできる固有の「知識」を生産し、それらは窰洞に住まうことをとおして再生産される。\nIV. 窰洞こそが黄土高原の地域文化を規定しており、窰洞に住まうことをとおして、その地域文化とそれを身につけた成員をもつ社会集団からなる地域社会を再生産している。\n すなわち、窰洞という建築と黄土高原という地域文化・社会は、両者の相互作用のなかで、「掘る」ことを基礎に、黄土高原の窰洞に住まうことをとおして、継承され、維持されてきたことをあきらかにした。同時に、文化的・社会的概念としての窰洞という建築が、そこに住まうアプリオリでない集団を、政治的イデオロギーとは無関係に、「民族」とはちがった次元でひそかに規定し、秩序づけできたことも指摘した。そのうえで敷衍的に、建築と文化・社会との相互作用のなかで、建築に住まうことをとおして規定され、生産あるいは再生産されてゆく文化・社会の存在について、つまりきわめて積極的な文化的・社会的概念としての建築がもつ力について指摘した。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第344号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"01 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