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 生命の誕生や初期変化について考察を行うと、ゲノムも最初はDNAではなくRNAで、熱に対する安定性からDNA配列が一般的になったという説が有力であるが、本文でもふれるようにDNAの高次構造は大変可塑的であり、B-型DNAの二重らせんの他にもA-型やZ-型などの分子形態を持つことが、生命活動を行ううえで有利であったように思われる。そして、その構造は配列の並びによって決まるため、本研究の結果から明らかになるように、配列の最も基本的な一塩基ベルや二連塩基レベル、鎖非対称性やゲノムー貫性ともいえる様々なパターンが生物学的な機能と関係して観察されることは、配列と構造と機能が密接に関連している証拠である。
 生命活動における有利性といっても種によって様々であり、雄大な長い年月を要する進化過程において、その時その時の環境や体制そして偶然性によって、普遍的な配列頻度傾向が保存されながらも、現在のような種固有のパターンを持つように至ったのであろう。今後の詳細な解析によって、それらのパターンを生み出す機構が一つ一つ明らかになっていくのかもしれない。そして、それらを全て総合することによって、生命とは何か?あるいは、どのようにして誕生し、どのような進化を遂げていくのか?という問題の理解が深められていくことと思う。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第709号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"先導科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"21 生命体科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2002"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"SHIOIRI, Chiharu","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲709_要旨.pdf","filesize":[{"value":"298.2 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/1207/files/甲709_要旨.pdf"},"version_id":"1f8ab6e5-27dc-42f8-8ec2-321fb46362f9"},{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲709_本文.pdf","filesize":[{"value":"15.1 MB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"本文","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/1207/files/甲709_本文.pdf"},"version_id":"f73d25ee-051d-44c0-950a-985cbdf1fca1"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"ゲノム配列の数量的特徴づけ","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"ゲノム配列の数量的特徴づけ"},{"subitem_title":"Computational Characterization of Genomic Sequences","subitem_title_language":"en"}]},"item_type_id":"1","owner":"1","path":["23"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2010-02-22"},"publish_date":"2010-02-22","publish_status":"0","recid":"1207","relation_version_is_last":true,"title":["ゲノム配列の数量的特徴づけ"],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":1},"updated":"2023-06-20T14:39:42.191834+00:00"}