{"created":"2023-06-20T13:21:09.139931+00:00","id":1260,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"b9963ba1-17a1-4fff-bad2-a9449cd6367b"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"1260","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"1260"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00001260","sets":["2:432:26"]},"author_link":["8415","8417","8416"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"木村, 洋昭"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"8415","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"キムラ, 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2枚の反射型偏光素子を使ってそれらの方位角を別々に変化させながらトータルの反射強度を測定する事ができる装\n置を開発した。2枚の偏光素子は、1枚は移相子として、もう1枚は検光子として使う。以下にその特徴を述べる。\n(1)軟X線ビームラインに直接接続できるように超高真空仕様\n(2)2つの素子の方位角を独立に変える事が可能(0゜?360゜、最小ステップ0.036゜)\n(3)2つの素子の入射角を独立に変える事が可能(90゜?20゜、最小ステップ0.05゜)\n(4)架台にジンバルサポートを採用し、交換式ピンホールを使用する事によりオンラインで測定光を使って容易に光軸調\n整ができる。また、この機構を利用してビームプロファイル中の偏光状態の場所依存性を調べる事ができる。\n(5)偏光素子を光路から外して光を後流にスルーする事ができ、他の実験装置と併用して測定を行う事ができる。\n(6)光の偏光測定の他に、軟X線エリプソメータとして反射面の光学的実験を行う事ができる。\n この装置を立ち上げて実際に使用し、精度などで測定可能なものに関して調べた。\n(a)到達真空度は、モータ一回転時に5×10-8 torrである。\n(b)移相子方位角の精度は0.06゜、検光子のそれは0.08゜以下、原点精度は共に0.02゜である。\n(c)移相子入射角の原点精度は0.05゜、他は測定できなかった。\n(d)上記(4)、(5)の機構は設計どうりに機能している。\n2.偏光測定法\n ポラリメトリ:光の位相情報を得られない測定を意味する。具体的には、測定光を検光子で反射させ、その反射光強\n度を検光子の方位角を変えながら測定して得られる余弦自乗型のシグナルを得る。検光子の偏光能が既知ならば、この\nデータから、偏光楕円の見かけの楕円率角(直線偏光度)と主軸の方位角を知る事ができる。\n エリプソメトリ:光の位相情報も得られる測定を意味する。測定には移相子と検光子の2つの素子を使う。移相子の\n方位角を変化させながら移相子からの反射光に対してポラリメトリを行う。得られた結果をポアンカレ球上にプロット\nし、理論式に当てはめて、移相子と入射光の偏光特性をフィッティングによって求める。これによって入射光の偏光状\n態をすべて決める事ができる。\n 尚、この論文では、以下の用語について併記してあるとおりに定義する。\n リターデーション:Δ=Δp-Δs\n 偏光度:全強度に対する偏光成分の割合\n 楕円率角:右廻りが正、偏光成分のみに関する偏光楕円の楕円率\n 見かけの楕円率角:極性がなく常に正で、非偏光成分も含む楕円率角\n 方位角:光源に正対し水平を0度とし、水平からccw方向に正方向をとる。\n 円偏光の回転方向:光源に正対し、光軸に垂直な面に射影された電場ベクトルの回転方向\n3.偏光測定\n PFのBL-28A、BL-18A、SOR-RINGのBL-1'において、移相子と検光子にはMo/Si101層の多層膜を使い、主に波長12.7nmの光を使って測定を行った。得られた成果を以下に述べる。\n3-1.PF BL-28A(直線・楕円アンジュレータ)での測定\n◎測定法の検定\n・エリプソメトリの測定法の確認のため、移相子の条件や光源の条件を組み合わせてフィッティングを行ったが、同じ\n条件のものは良い一致を見た。\n\n◎直線偏光モード\n・エリプソメトリにより、偏光度0.99±0.002、楕円率角4゜±0.2゜、主軸の方位角0.7゜±0.3゜であった。移相子の条件\nを変えたり、日付を変えて測定したが変化はなかった。\n・ポラリメトリによりアンジュレータのギャップを変えて相対スペクトル位置を変化させて、見かけの直線偏光度の変\n化を測定した。その結果、垂直方向偏光成分はギャップ値に関わり無く一定の強度を持っていることが解った。\n◎円偏光度モード\n・一次のピークで、偏光測定を行った結果、偏光度は0.9±0.2、楕円率角は40゜±2゜、主軸の方位角は-40゜±5゜であった。分光器のΔを考えると電子リングからの放射光の円偏光度は1に近い事が予測される。\n・水平方向に角度0.5/γ軸外しの光の楕円率角は変化しなかったが偏光度が0.8±0.1程度に低下した。\n◎円偏光回転方向について\n・ポラリメトリにより、IIUPモードの時、-45゜方向(IIUNモード時、+45゜方向)に主軸を持ち、見かけの楕円率角35゜程度\nの楕円偏光が観測された。分光器のΔを0゜から90゜の間とすれば、これは右円偏光であるという結論に達する。\n・多層膜の偏光特性の理論的予測により、全反射領域では多層膜のリターデーションも正の値をとる。移相子をこの領\n域で使ってエリプソメトリを行った結果、楕円率角は正の値(右円偏光)をとった。\nこれらは蓄積リングアンジュレータ内のポジトロンの回転方向と矛盾しない。\n3-2.PF BL-18A(偏向電磁石)での測定\n◎ボラリメトリ\n・分光器の入射スリット前にあるダイアフラムによって、取り込む放射光の垂直方向観測軸角を変化させたところ、楕\n円率角は理論計算値どうりに変化したが、楕円の主軸も系統的に傾き、垂直方向観測軸角1mradあたり20゜にもなった。\n・同じダイアフラムによって垂直方向取り込み角幅を変化させたところ、見かけの直線偏光度は1/γ幅までは0.95程度\nであったが2/γ幅で0.93、6/γ幅(ダイアフラム全開)では0.90程度であった。\n・ビームプロファイル中の偏光の場所依存性を測定したが、変化がなかった。\n◎エリプソメトリ\n・軸上と軸外しの放射光に対して測定を行った結果、偏光度は0.97で変化せずに偏光楕円の主軸と楕円率角が変化した。\n3-3.SOR-RING BL-1'での直接偏光測定\n・前述の楕円の主軸の垂直観測角軸依存性がSR本来の性質かどうか調べるため、光学素子を途中にいれない状態で直\n接偏光測定を行った。多層膜とA1のフィルターにより85eVの準単色光を測定した。観測軸角を2γまで変化させたが主軸\nの傾きは観測されなかった。従って、主軸の傾きは分光器などの光学素子のΔが原因であることが確かめられた。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第42号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"数物科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"X1 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