{"created":"2023-06-20T13:20:07.633604+00:00","id":133,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"540db5a5-95b4-41d7-8f5d-23f29bdd2952"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"133","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"133"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000133","sets":["2:426:7"]},"author_link":["7593","7595","7594"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"八木, 玲子"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"ヤギ, 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研究にあたり、申請者はまず研究基盤の強化をはかり、超高周波成分に対する人間の反応を簡便かつ鋭敏にとらえうる新たな研究手法と、近年のオーディオ技術環境に適合させた複製可能な実験システムとを開発し、その有効性を検証した。続いて、この基盤の上に、HSEの応用上検討が必須であり、かつその作用機構の解明に資する知見を導くための研究課題を設定した。すなわち、人間の心身により適合性の高い音の受容環境を構築するにあたり「聴覚で音量を知覚できる可聴域成分に対して、それを知覚することのできない超高周波成分の強さ(信号強度)をどう設定すべきか」という問題に関する知見を得ることを目的とし、超高周波成分の信号強度を変化させた場合に現れる呈示音に対する受容応答を、複数の指標を用いて検討した。その結果、超高周波成分の信号強度の変化にともなってHSEの発現状態に明らかな変化が現れることを見出した。あわせて、可聴域成分と超高周波成分との信号強度比に何らかの最適領域が存在する可能性を示唆する傾向が、複数の指標上に共通して認められることを明らかにした。\n 本論文は、以下の全7章から構成される。\n 第1章では、この研究の背景、目的、対象を述べた。まず、電子メディアが人間に及ぼす影響について、近年、社会的に注目されているふたつの側面、すなわち、心身への侵害的な影響を誘起しうるネガティブな面と、心身との適合性を向上させうるポジティブな効果との両面がありうることを示した。そして、後者のポジティブな効果に注目し、具体的な対象としてHSEをとりあげる理由を述べた。さらに、従来の研究手法と、この研究で新たに開発した手法とを組み合わせた評価実験により、超高周波成分が人間に及ぼす影響について、応用を視野にいれたより総合的な知見を得ることを目的に設定した。\n 第2章では、超高周波成分が人間に及ぼす影響に関する関連研究および芸術・技術領域の動向を概観した。先行諸研究とそれらにより得られた結果について検討を加えると同時に、HSE研究の動機を形成し、近年の音響メディア環境の高密度化を導いてきた芸術・技術領域における流れを示した。\n 第3章では、本研究で開発した、超高周波成分が人間に及ぼす影響の行動学的評価方法について述べた。まず、HSEの応用にあたって必要となる探索的研究に良好に対応する簡便な手法として、非言語的受容反応を指標とした行動学的評価法の応用可能性を指摘した。ついで、複数の指標、呈示装置、呈示試料、呈示条件、手続きについて検討を重ね、HSEを再現性よく安定して検出することのできる手法を開発した。この評価手法は、今後、HSEの探索的研究だけでなく、知覚と非知覚、意識と無意識との境界に位置する微妙な感性反応を検出するための簡便な実験手法として応用可能性が高く、幅広い有効性を発揮するものと考えられる。\n 第4章では、開発したHSEの行動学的評価実験に良好に機能する超高密度音響呈示システムの開発について述べた。仕様の策定、基本設計、試作、評価、製造の工程を経て、100kHzをこえる超高周波成分を高忠実度で再生可能な音響呈示システムが構築されたことを示した。最先端のオーディオ技術を駆使した複製可能なこのシステムは、従来の実験システムよりも簡潔で実用性が高く、HSE関連の研究領域で待望されているものであり、未知の部分の多いこの現象の解明に寄与するものと期待される。さらにこのシステムに適合した超高周波成分を豊富に含む音源を地球規模で収集し、実用可能にした。\n 第5章では、超高密度音響呈示システムの有効性を検証した。開発したシステムを用いて、呈示装置、呈示音源、被験者とも厳密に統制された同一の条件下で、音の受容行動を指標とした行動学的評価、主観的印象を指標とした・ら理学百勺古平価、月図波を指標とした生理学的評価という三種の指標を複合したHSEの評価を初めて実現した。その結果、すべての指標上でHSEの発生が有意に認められ、開発したシステムがHSEの関連実験に良好に対応することが検証された。また、本研究で新たな評価指標として設定した行動的応答が、心理・生理両反応の統合出力の指標として有効・陸を発揮する可能性が示された。\n 第6章では、超高周波分の信号強度の差が音の受容反応に及ぼす影響の評価を行った。この新しいテーマの検討にあたり、第5章同様3つの指標を組み合わせた多元的な評価の枠組みを構築し、できる限り包括的な理解を得ることをめざした。これらの検討の結果、超高周波成分の信号強度差が音の受容反応に及ぼす影響について新たな知見を得た。すなわち、超高周波成分を電子的に増強した音が、原音に較べて被験者の刺激受容行動を促進させると同時に、音の好ましさ、快適性を高める作用をもつこと、脳波α波を増大させる効果をもつことを、いずれも統計的有意に見出した。また、この増強効果は超高周波成分をある程度以上増強すると頭打ちないし低減傾向を示すことを、複数の指標上で共通に見出した。これらの知見は、メディア音響・情報と人間の心身との適合性を向上させる上で超高周波成分を増強することの有効性を示唆している。加えて、呈示条件とこれらの作用の発現状態との関係から、超高周波成分の効果が何らかの非線形的な特性を有し、可聴域成分と超高周波成分との信号強度比に最適領域が存在する可能性を指摘した。これらの結果は、HSEの応用上有効な知見として、また超高周波成分の作用機構を解明する材料として注目される。\n 第7章では、以上の研究の成果を整理し、今後の展望を述べた。また、一連の実験結果と、関連する知見とにもとづいて、超高周波成分が音の受容反応に及ぼす影響の発生機構について考察を加え、HSEの発生に何らかの非線形な応答特性を有するモジュレーション型神経ネットワークの関与を想定するモデルを提出した。\n この研究の成果は、人間の心身との適合性の高いメディア情報環境の構築に寄与し、メディア社会文化の将来に少なからず貢献するものと期待される。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第714号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"05 メディア社会文化専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2003"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"YAGI, 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