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 実験1の結果、一次体性感覚領域における最初期応答時間は、対側半球にて約19ミリ秒、同側半球において約20ミリ秒であった。また描出された波形には、最初期応答から合計6つのピークが存在し、それぞれのピークを1Mから6Mと名付け検討を行ったところ、刺激対側半球と同側半球の潜時が1~3Mまでは約1~3ミリ秒しか違いが無いのに対し、4M以降は刺激対側半球の潜時が、同側半球の潜時に比べ、約10ミリ秒も速い結果となった。刺激応答半球は、刺激の提示部位に関わらず両側性の投射を示し、また舌後方刺激時の脳活動は、前方と比較しても一時体性感覚野においては明瞭な違いは得られなかった。今回の結果から、舌体性感覚刺激に対する一次体性感覚野への刺激投射は、両側性の投射を示すことが分かった。これは対側半球へ体性感覚処理された刺激が脳梁を介して同側半球へ投射される、手や足とは投射形態が異なることを示している。そしてこの結果に4M以降の磁場強度の変化と、半球間の潜時の変化を加えて考察すると、最初期応答から3Mまでは両側性の投射が見られるが、4M以降は手足と同様、脳梁を介した投射が新たに加わるのではないかと考えられる。
 実験2の結果、舌の前方と後方の磁場強度や潜時に有意差はなく、また舌の領域は手や足と比較したところ、最も外側、前方、下方に位置することが分かり、二次体性感覚野における舌領域を確認することが出来た。この結果から、一次体性感覚野にホムンクルスがあるのと同様、二次体性感覚野においても体部位再現性があると考えられる。また刺激応答潜時は、刺激対側半球が刺激同側半球より約10ミリ秒早い結果となり、これは脳梁を介した伝達によって、潜時に遅れが出ることが原因であると考えられる。
 以上より、ヒト舌一次体性感覚野の実験から、画期的な刺激装置を作成したことで、舌の一時体性感覚野における応答潜時と左右半球間差が解明され、舌の後方刺激時の体性感覚誘発磁場測定に成功した。そしてヒト舌二次体性感覚野の実験から、世界で初めて、ヒトの二次体性感覚野における舌の応答部位が解明された。この結果を踏まえ、今後は刺激装置を応用することで、歯牙や頬粘膜、そして咽頭のさらに奥の体性感覚刺激時の脳反応の測定や、さらには咀嚼機能が脳の高次機能へ及ぼす影響についての検討へと発展させていきたいと考える。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1258号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"生命科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"20 生理科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2008"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"SAKAMOTO, Kiwako","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"0","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1258_要旨.pdf","filesize":[{"value":"299.7 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/1452/files/甲1258_要旨.pdf"},"version_id":"f52b033b-cf43-4f6d-8043-c8220be3d3e7"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"eng"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"Somatosensory evoked magnetic fields following stimulation of the tongue in humans","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"Somatosensory evoked magnetic fields following stimulation of the tongue in humans"},{"subitem_title":"Somatosensory evoked magnetic fields following stimulation of the tongue in humans","subitem_title_language":"en"}]},"item_type_id":"1","owner":"21","path":["22"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2010-03-24"},"publish_date":"2010-03-24","publish_status":"0","recid":"1452","relation_version_is_last":true,"title":["Somatosensory evoked magnetic fields following stimulation of the tongue in humans"],"weko_creator_id":"21","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-06-20T16:04:04.154009+00:00"}