@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001470, author = {住友, 洋介 and スミトモ, ヨウスケ and SUMITOMO, Yosuke}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {超対称性を持つ重力理論を構成するうえで、構成可能な最大の次元は11次元である。このことから、11次元超重力理論を低エネルギー有効理論に持つM理論の存在が期待されている。だが、M理論に含まれるべき基本的物体の性質が良くわからず、その正体は長年謎のままであった。
 2008年に、M-theoryの定式化に関する劇的な発展があった。3次元場の理論においてN=8の超対称性を持つChein-Simons理論がLie 3-algebra [X, Y, Z]を用いることによって定式化された(BLG)。この理論には最初SO(4)のgauge対称性を持つものしか存在しないと思われていた。だが、群構造の正定性を緩めることによってtr TaTbが負の符号を持つ、Lorentzian BLG理論が存在することが示された。このLorentzian BLG理論は交換子によるLie代数によって描けているので、Lie 3-algebraの際に不明であったM2-braneの枚数の議論が可能であることから注目を浴びた。
 拘束条件の解として1方向に定数の真空期待値を与えると、Lorentzian BLG理論はD2の有効理論そのものになってしまうが、我々は拘束条件の解として座標依存したものも許されることを指摘した。この拘束条件を用いた解を用いると、座標依存したcouplingを持つ理論となり、さらに任意の方向に拡張することによってSO(8)Rの対称性を保って議論を行った。通常のD2有効理論では結合定数が質量次元をもつのでconformal不変な理論ではないが、座標依存したcouplingでは元々存在したconformal対称性を保ち、かつSO(8)Rな理論の構成ができる。このことから、これはD2ではなくM―theoryとしての物理の側面を表していると考えられる。
 さらに、M―theoryが超弦理論からのduality mappingによって得られることを用いて、3次元N=6 Chern-Simons理論が構成された(ABJM)。これはlevelが逆の2つのChern Simons理論に、Chern-Simons項の前の量子化された係数からorbifold化されることを考慮し、bi-fundamentalなKlebanov-Witten型のsuperpotentialを結合して得られた模型である。この理論はD-braneを用いた構成より始めているので、枚数の議論が可能なLie代数構造のU(N)×U(N)のbi-fundamentalのgauge構造を持っているが、驚くことに、N=2の時にはSO(4)のBLG理論を再現していることがわかった。
 我々は、当初不明であったもう一つのBLG理論であるLorentzian BLG理論をABJM理論からscaling 極限を取ることによって導出できることを示した。これは、ABJM理論のbi-fundamentalなgauge構造からIönü-Wigner収縮を行うことによってLorentzian BLG理論のgauge構造が得られることに起因している。なお、本研究によりABJM理論にBLG理論全体が、少なくても古典的には含まれていることがわかった。
 ABJM理論のdualな時空は、M2-braneがorbifold化されたAdS4×S7/Zkであることが提唱された。kが十分大きいときには11次元時空から1次元compact化しIIA重力理論におけるAdS4×CP3になる。これはkが十分大きい際にN=6 (特にSU(4)R)の対称性が反映していることと合致しておりdualな時空だと考えられる。我々のscaling極限はk→∞であるのでこの時空を考える。AdS4×CP3時空におけるprobe braneの有効作用を評価したところ、座標依存したcouplingをもち、SO(8)Rまで対称性が高くなっていることがわかった。これは、Lorentzian BLGが持つ性質をすべて持っており、さらにCP3空間から非自明なSO(8)Rを理解できることから、Lorentzian BLG理論はAdS4×CP3時空におけるprobe braneであることを指摘した。
 また、M2-braneにはbraneと直交する8次元方向が存在するが、この8次元多様体は超重力方程式の解として非常に様々なものが存在することができる。これらはM2-braneの多様性を意味しており、M理論の理解の為には11次元超重力解の理解も重要なことである。特に、8次元Einstein多様体のうち非一様な多様体は低エネルギーのM2-braneを記述しており、我々の4次元の世界とM理論とを繋げるうえで重要な役割を果たす。このような多様体のうち、CP2上にSU(2)Hopf fibrationしている多様体が非一様化したものを得ることができた。この多様体は、特性上orbifoldの特異点が存在するが、その特異点が非一様化することによって隠されているようになっており、全体として特異点の存在しない時空になっている。
 本論文では上記事柄について、土台となった研究に関する詳細なreviewも含めて記述する。

Abstract
  Recently there has been a remarkable progress in constructing N = 8 supersym-
metric three-dimensional field theory with SO(8) R-symmetry by Bagger, Lambert and
Gustavsson (BLG model) which can be considered as the effective action of multiple M2-
branes. Another very interesting proposal for N=6 multiple M2-branes was also made
by Aharony, Bergman, Jafferis, Maldacena (ABJM model). We clarified Lorentzian BLG
model, which is one of the BLG models, could be derived from the ABJM model by tak-
ing the scaling limit. Also we found the coordinate dependent couplings was allowed in
Lorentzian BLG model. This fact is important for understanding the conformal symme-
try of multiple M2-branes. From the AdS/CFT point of view, we also studied the dual
gravity analysis and we made a point that the gravity dual of Lorentzian BLG model
was the probe branes in AdS space.  We also investigate gravitational solutions in 11-
dimensional supergravity with respect to the multiple M2-branes symmetry. We obtain
the solutions which has basically SU(2) fiber bundle over CP2.  We squash this space and get a higher-dimensional analog of Eguchi-Hanson space. We clarify the solutions have curvature singularity at one point where base space CP2 shrinks to zero., application/pdf, 総研大甲第1233号}, title = {Multiple M2-branes and Janus Couplings}, year = {} }