@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00001663, author = {原, 栄一 and ハラ, エイイチ and HARA, Eichi}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {1章・・・緒論  先進複合材料、特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、比強度と比剛性に優れ、航空宇宙分野において一次構造部材に使用されるなど構造軽量化に重要な材料であるとともに、近年では車両メーカーを含めた一般産業界においても軽量化による燃費低減の観点から環境に配慮した材料として適用されるなど、新しい用途が広がってきている。しかしながら、複合材料は材料の構成(マトリックス、繊維強化材、繊維とマトリックスの界面)、強化形態(一方向強化、多方向強化、織物強化、3次元強化)など、一般的な金属等とは異なった複雑な特性支配因子を有している。  近年、 CFRPは民間航空機の一次構造部材などの厚肉構造にも使用されるようになり、繊維方向と垂直な板厚方向(面外方向)の力学特性に関しても標準的な試験法を確立する必要性が指摘されるようになってきた。2008年には、ASTM(American Society for Testing and Materials)により試験法が規格化された(ASTM D 7291)が、この方法は標準試験法として採用するには課題点があることが、申請者らの予備検討で明らかにされた。そこで本研究では、現行の面外力学特性試験法の強度評価試験法と弾性率評価試験法課題点を明確にし、それらの課題を解決する方法を提案することを目的とした。  2章・・・面外引張強度取得試験法について  ASTMの規格の面外引張強度試験法(ASTM D 7291)は、円柱形状試験片を専用治具(鋼製のEnd tab)に接着して厚さ方向に引張荷重を加える方法である。しかし、この方法では、被検部に一様な引張応力を形成することは困難であり、 (1)負荷される体積が供試体寸法により変化し、破断基準強度が変化する (2)局部的な応力集中が発生し応力集中部からの破壊が発生する (3)一軸負荷にもかかわらず、多軸応力が発生する など、材料物性を決定する方法としては好ましくない状況が生じる。この結果、この方法で得られる見かけの面外引張強度は、寸法形状によって大きく変化する。  これの問題点を克服するために、本研究では、Weibull統計と有効体積および多軸応力に対する破壊則を導入してその有効性を実証した。 (1)面外引張強度の試験片の寸法・形状による変化を、有限要素解析と実験結果から取得したWeibull統計を組み合わせることにより定量化した。 (2)局部的な応力集中を有限要素解析により求め。この結果にWeibull統計の有効体積を導入することにより、様々な形状の供試体の面外引張強度が推定可能であることを示した。 (3)面外引張試験で生じる多軸応力の影響が、簡単な破損則を用いることにより定量化できることを示した。  3章・・・面外弾性率取得試験法 ASTM D 7291では、積層構成を指定せず、板厚6mm以上直径20mm~28mmの円柱形状供試体を用い、円周側面の板厚中心位置にゲージ長1。5mmの歪みゲージを貼り付けることを規定している。また、 歪みゲージの貼付位置に関しては、ゲージが2枚の時には供試体外周角の任意の180o毎に、 3枚の時には供試体外周の任意の120o毎に貼付することを推奨している。 しかし、積層CFRPは一般に異方性が顕著であり、円柱形状供試体の測定位置(外周の角度)によって歪み量が変化し、ASTM D 7291で規定された計測位置だけでは正確な弾性率の測定ができないことが想定された。その上、面外引張試験では、弾性率とポアソン比の異なる鋼製End tabや接着層と歪み測定位置とが近接することが避けがたいために、供試体板厚によっては、歪みの計測値に大きな誤差が含まれることが想定された。面外弾性率を計測する試験方法を最適なものに近づけるために、本研究では供試体板厚やプライ一層の厚さ、 積層構成、歪みゲージの貼付位置および歪みゲージ長の5つの因子が面外弾性率の計測に及ぼす効果を検討した。  異方性の強い一方向強化材複合材では、一様に引張荷重を負荷しても、ゲージ長・測定位置によって歪みが大きく変化することを示し、その変化が現れる機構を明らかにした。また多方向積層複合材の代表的な積層構成である擬似等方材では、歪みゲージ長・ラミナの板厚・測定位置によって計測される歪みに、大きな変化が現れることを明らかにした。これらの結果を踏まえて、CFRP積層材の面外弾性率を取得に当たり、箔歪みゲージを使用する際の指針を提案した。  4章・・・新規面外引張強度試験方法の提案について 2章で検討した強度試験法は厚板のCFRP板から円柱形状やくびれ円柱形状の供試体を切りだし、これを専用治具に接着して治具を介して直接面外方向に負荷させる方式である。この試験法の課題を2章では実験と有限要素解析を組み合わせることで解決した。しかしながら、円柱形状やくびれ円柱形状は加工が困難であり、試験自体も軸合わせに高精度が要求されるなど、より簡敏な方法の開発が求められていた。このような要求に応えるため、本章では簡易な強度を提案した。即ち、より簡単に切削加工ができる短冊形試験片を用い、面外方向の引張負荷が発生するような曲げ荷重をかけて破壊させる方法である。この方法を用いることで、既述の直接負荷法の専用治具や接着の工程が不要になるため、高精度な破壊試験が簡易に実施できることを実証した。さらに有限要素解析を実施し、推奨される供試体形状の検討をした。  5章・・・結論 本研究の成果をとりまとめ、残された課題や将来展望を述べた。, application/pdf, 総研大甲第1325号}, title = {炭素繊維強化プラスチック複合材料の面外引張試験方法の研究}, year = {} }