{"created":"2023-06-20T13:20:00.835158+00:00","id":17,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"6cc447be-7fe1-4ac6-8c7f-903998d117ef"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"17","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"17"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000017","sets":["2:426:3"]},"author_link":["7377","7378","7379"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"清水, 郁郎"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7377","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"シミズ, 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本論の目的は、ひとつの村にロゥチとキリスト教徒が混在するこうした現在的な状況を踏まえて、アカの家屋とその変化が住み手とどのように関係しているのかをあきらかにするものである。そのさい、本論では、家屋と住み手の両者と、その背後にある文化や社会との対応関係を無前提に想定しないで、家屋とその形式的側面を扱う。住み手を取り巻く現実の社会の変化や、個々の住み手の多様な営為によって、家屋の形式もまた変わりゆくことに留意しながら、家屋と住み手との複合的な関係の中から、住み手がどのように決まってくるのか、また、住み手が家屋に住むことの意義をどこに見出し、家屋の形式がどのように決められるのかという側面を視野に入れる。\n 7章からなる本論の各章の論述内容は、以下のとおりである。\n 第1章では、本論の目的を述べた後に、先行研究の検討から本論を位置づける。また、調査地の概要と本論の構成を示す。\n 具体的な記述をはじめる第2章では、ロゥチの家屋と屋敷の形式面の特徴を全般的にあきらかにする。また、家屋の空間構成や構造、構法には、ロゥチに共有された形式があることをあきらかにする。\n 第3章では、このような家屋の形式面の特徴を、世帯における男女の行為や、ロゥチに共有された神話的な説話などとからめて考察し、ロゥチの世帯の特徴、および、ロゥチの家屋には、複数の二項対立的、相互補完的な分類観が並存することをあきらかにする。\n こうした分類観は、家屋の空間構成や構法などの形式と関連づけられるが、それがまた、ザンサンホと呼ばれる慣習と結びつくことによって、家屋の形式はロゥチのあいだに共有されてきたと考えられる。第4章では、このようなザンサンホの意味解釈を家屋との関係から考察し、ザンサンホには、その意味内容よりも、祖霊や外部の霊などの霊的存在との関係を含意するところに特徴があることをあきらかにする。\n 第5章では、ザンサンホに含意される霊的存在との関係を、家屋に設置される祖先の祭壇や系譜に着目して考察する。その中で、家屋の中に祭壇を持つことは、ロゥチのアイデンティティと密接に関連することをあきらかにする。\n 家屋の中に祖先の祭壇を設置することは、ロゥチの家屋の形式にもっとも大きな特徴を与えるが、現在では、祭壇を捨ててキリスト教徒になる者も多い。キリスト教徒は、祭壇を捨てることで、祖先との紐帯を維持しなくなる。さらに、ロゥチとは異なる形式の家屋を建設することが多くなる。第6章では、キリスト教徒は、祖先との紐帯やザンサンホをどのようにとらえているのかを具体的にあきらかにしながら、キリスト教徒の家屋の特徴を示す。\n 第7章では、第6章までの論述を総括し、本論の結論と今後の課題を述べる。\n 本論では、以上のような論述から、つぎの点を指摘する。 \n 北タイのアカの事例の分析から、家屋と住み手との関係が、相互に作用しあう複合的な関係であることをあきらかにした。ロゥチの目の前に投げ出された家屋やザンサンホは、その意味内容が理解できなくても伝えられる形式を持つ。ロゥチは、家屋に住み、ザンサンホをおこなうことを通して、自身がロゥチであることを確認しているかのように見える。しかし、そうしてロゥチに読まれた家屋は、多様に解釈されるために、その形式が変化する可能性がある。変化した家屋は、住み手であるロゥチによって再び読まれ、位置づけられる。家屋と住み手がこのように相互に作用しあうことで、家屋の新たな形式が生まれ、古い形式が失われる可能性がある。同じことは、ロゥチのあいだだけではなく、ロゥチとキリスト教徒を含めたアカ全体の中でも起こりえる。その場合、ロゥチであることとはなにか、アカであることはなにかといったことが問い直され、議論される。家屋の形式について、さまざまな解釈や議論が起こる局面には、アカが揺れ動く様態があらわれていると結論づけられる。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第496号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"01 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