{"created":"2023-06-20T13:20:13.005978+00:00","id":220,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"9cf746e7-a760-4a20-9b28-4f03bd6b2c65"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"220","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"220"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000220","sets":["2:427:9"]},"author_link":["7828","7826","7827"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"油, 努"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7826","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"アブラ, 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水溶性ルテニウムヒドリド錯体1を触媒活性種とし,ギ酸イオンを水素源とするカルボニル化合物の水中での水素移動型還元反応はアルコールを得るための非常に簡便な方法である.彼は反応の最適化を行なうためにpH効果に注目した.また,はじめて水中で水素移動型還元反応の触媒活性種となるヒドリド錯体1の結晶構造を明らかとした.この錯体は当量反応条件下でカルボニル化合物であるアセトフェノンを1-フェニルエタノールに変換する.また,触媒反応条件下(1/アセトフェノン/HCOONa=1/200/6000),pH4,70℃で反応をおこなうと,収率99%でアヤトフェノンから対応する1-フェニルエタノールを与える.Scheme 1にこの反応をまとめた.この反応はpH4で,もっとも活性が高ぐ基質としてアセトフェノンを用いると1時間当たりのターンオーバー数であるTOFは約100であった.反応活性がpH4でもっとも高いことは2つの理由から考えられる.それらは(1)pHが4以下では水中でヒドリド錯体へのプロトンの攻撃が優先され,ヒドリド錯体とカルボニル化合物の反応が起こり難くなる,(2)pHが4以上ではプロトンが減少し,プロトンによるカルボニル化合物の活性化ができないために反応が進行しないことである.彼は水中でのルテニウムヒドリド錯体を用いたカルボニル化合物の水素移動型還元反応はFigure 1のようなメカニズムで進行していると決定した.\n第2章\nイリジウムヒドリド錯体をもちいたカルポニル化合物のpH選択的水素移動型還元反応\n 水溶性イリジウムヒドリド錯体2を触媒活性種とし,ギ酸イオンを水素源とするカノレボニル化合物の水素移動型還元反応をおこなった.本研究ではルテニウム錯体からイリジウム錯体にかわったときに反応のpH依存性がどのように変化するのかについて興味をもった.\n 彼ははじめて水中で水素移動型還元反応の触媒活性種となるイリジウムヒドリド錯体2を合成し,その結晶構造を明らかとした(Figure 2).この錯体は当量反応条件下でカルボニル化合物であるアヤトフエノンを1-フェニル-1-エタノールに変換する.また,触媒反応条件下(2/カルボニル化合物/HCOONa=1/200/1000), pH2,70℃で反応をおこなうと,収率99%でカルボニル化合物から対応するアルコールを与える.この反応はpH2でもっとも活性が高ぐ基質をアセトフエノンとしたとき,1時間当たりのターンオーバ一数であるTOFは約400に達した.反応活性がpH2でもっとも高いことは1の水素移動型還元反応のときと同じ2つの理由から考えられる.反応活性のもつとも高いpHが1の反応と比較して小さいこと,及び,TOFが上昇したことはヒドリド錯体の金属イオンとヒドリド配位子の結合の強さの比較,さらに,反応メカニズムから考察した.\n\n第2部\n第1章\nルテニウムヒドリド錯体をもちいたスチレンのpH選択的重合反応\n 水溶性ヒドリド錯体の反応性は基質,及び,反応条件によって異なる.ヒドリド錯体にオレフィンが挿入する反応は様々な有機化合物の合成において重要である.また,その反応はオレフィン重合反応の鍵となる.本研究では,水溶性ヒドリド錯体1を用いた,pHに依存したスチレンの重合反応を開発した.この研究は水中でヒドリド錯体を用いるはじめての重合反応である.\n Scheme 2に反応のメカニズムを示す.重合反応はヒドリド錯体にスチレンが挿入するところからスタートする.1と1当量のスチレンをpH7で反応させたところ,ESI-MSでスチレンが挿入された錯体の生成を確認した.また,ヒドリド配位子を重水素に置換した錯体を反応にもちいたところ,ESI-MSで検出された錯体の分子量が1ユニットシフトすることも確認した.次に,1と1000当量のスチレンを水溶液/スチレンの2相系で重合反応させた.そして,その反応のpH依存性を求めた.その結果,pH7-9付近で重合反応の活性がもっとも高いと分った.100℃,pH8で8時間反応させることで生成するポリスチレンは分子量約10万,分子量分布を示す指標であるMw/Mn=1.8である.これらの結果より,ヒドリド錯体1はpHを制御し,スチレンと反応させると水中でポリスチレンを与えるとわかった.","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第658号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"数物科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"07 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