{"created":"2023-06-20T13:20:01.353896+00:00","id":25,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"df47d2b1-2ecf-4059-85a4-2191af47653b"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"25","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"25"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000025","sets":["2:426:3"]},"author_link":["7418","7416","7417"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"布谷, 知夫"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"ヌノタニ, 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二つ目は「博物館の四つの事業は相互に結びついて行われる」ということである。それぞれの事業が独立して行われていては、全体としての発展性は生まれない。例えば研究の成果は展示や教育学習活動の中で生かされ、そのような活動に参加した人から資料の寄贈がおこなわれたり、研究会や同好会などへの参加があり、さらにそこから新しい研究のテーマが生まれるなど、ひとつの仕事は他の博物館の仕事の発展にむすびつくような活動のあり方が博物館には求められる。\n そして三つ目は、「研究の発展と成果の発信が博物館の豊かな経験を生み出す」という考え方である。博物館は利用者にとっては、まず主体的に学ぶことができる場であり、それは展示のみならず、日常の博物館の活動のどの場面においても同じである。他のアミューズメントの施設や社会教育施設と異なり、博物館の学芸職員の研究活動の発信は、独自の研究の成果を基にして行われ、その研究から発展した展示や学習教育の活動にと結びついている。ある意味では博物館の魅力は、学芸職員が研究をし、その内容や経験を直接に利用者に伝えることにある。したがって、博物館の四つの事業の基礎にあるのは研究であるといえる。\n この三つの考え方は、これまでも議論がされている部分があるが、この考え方をいわば一体のものとして博物館の活動を総合的に考え直そうという方法は、これまでにはなかったものである。\n このような視点で博物館利用者と博物館との関係を考えると、博物館をこれまでのように教育のための施設とは考えず、利用者が主体的に活動をするための仲間つくりやきっかけつくりの場となるようにすることを考えるべきである。そして象徴的な議論として、近年に話題になることが多い博物館でのボランティアについては、博物館という場を活用して本来行われるはずの活動の一部だけがボランティア活動として位置づけられている場合が多く、それは博物館と利用者とのかかわりを考える上では混乱を生じているため、博物館でボランティア的な自主的な活動を行う利用者を博物館のさまざまな利用形態であると位置づけたうえで、ボランティアという呼び方にかわってミュージアム・パートナーという語を用いることを提案した。\n 本論文では、以上のような立場からさらに、博物館で行われる各事業についての検討を行った。\n 研究活動については、他分野の研究者と日常的に議論ができ、現場が近く、さまざまな形で成果を発表でき、同時に批判を受けることができるという博物館ならではの研究の可能性について論じ、この活動が博物館活動の基礎であることを強調した。\n 利用者向けの事業については、「普及教育活動」という言い方を「交流活動」という名前に改めた上で、だれもが参加でき、同時に好奇心を持続しながら次のステップアップをはかることができるようなプログラムの必要性について指摘した。\n 資料整備活動では、情報の媒体という視点から、これまで博物館で扱われてきた資料の性格を改めて検討し、資料とその情報の活用の方法を論じた。\n 展示活動に関しては、展示を見る人にとって自分との関係がわかり、自分の問題として考えることができるような展示が重要であることを指摘し、その具体例を提示した。\n このようにすべての博物館の活動を利用者主体にして見直したことが、本論のもっともオリジナルな特徴であり、また今後の博物館学に対して貢献できる内容である。\n 博物館の理念や実際の事業についての個別の議論は、これまでもそれぞれに行われてきたが、利用者の視点を持つことで、博物館の理念はどのように変わる必要があるのか、またそういう理念を持った博物館は実際にはどのような事業展開を行うのか、ということを総合的に行った例はない。今後の日本の博物館が、利用者を迎え入れ、利用者とのかかわりを強めながら運営がされていくことは明らかであり、本稿の議論は今後の日本の博物館のあり方を考えていく上で、現実的で重要な提案になると考える。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大乙第130号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"01 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