{"created":"2023-06-20T13:22:06.645660+00:00","id":2518,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"00e2bcad-969c-416e-8c14-3e512d911c54"},"_deposit":{"created_by":21,"id":"2518","owners":[21],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2518"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00002518","sets":["2:429:17"]},"author_link":["0","0","0"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"吉羽, 要直"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"ヨシバ , 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まず,金融実務でのリスク管理指標として標準的になってきたバリュー・アット・リスク(VaR)とそれに代わる指標として提唱されている期待ショートフォールなどを導入したうえで,リスク指標に望まれる観点として,(1)テイルリスクの排除,(2)期待効用最大化原理との整合性,(3)劣加法性(凸性),(4)推計値の安定性,の4つを挙げ,これらの観点でVaRと期待ショートフォールの比較分析を行う.さらに,リスク指標のテイルリスクに焦点を当て,市場がストレス状態になることを多変量極値理論で表現し,リスクファクターの周辺分布の裾の重さとともにリスクファクターとなる資産価格変動の相互依存関係を表すコピュラなどがVaRや期待ショートフォールのテイルリスクに及ぼす影響を考察する.\r\n 次に,リスクファクターの相互依存関係を表すコピュラについて,その推定方法や特定化したコピュラに従う乱数の発生方法など実務でコピュラを用いた分析を行う際に必要な統計的な理論・技術をまとめる.そのうえで具体例として株価変動のコピュラを推定し,VaRや期待ショートフォールを算出して市場リスクを捉える.また,信用ポートフォリオに含まれる複数の企業の資産価値変動にさまざまなコピュラを想定したシミュレーションを行い,各企業については負債額等で定められる一定の閾値を下回ったときに当該企業がデフォルトするとしてモデル化して,信用リスクを捉える.特に,2000年以降2007~2008年の金融危機に至るまで信用ポートフォリオのデリバティブであるCDO(collateralized debt obligation)のプライシングの標準的な手法となっていたコピュラ・アプローチについて,さまざまなコピュラを想定して比較分析することで裾での依存関係がCDOのプライシングやリスクに大きな影響を及ぼすことを示す.\r\n 上記のCDOのプライシングは,さまざまなコピュラの選択を除くと,対象企業のデフォルト確率だけに注目したものであり,デフォルトは資産価値がある閾値を下回ったときに生じると考える典型的な構造型の信用リスクモデルに基づくものである.しかし,信用リスクの把握においては,単に対象企業のデフォルト確率に注目するだけでは不十分であり,追加融資を行うことなどにより当該企業への貸出額が増大する可能性があることも考慮する必要がある.そこで,貸し手が期待損失を最小化するよう合理的に追加融資を行うモデル化を行い,デフォルト確率や当該企業がデフォルトした際の回収率の変化を構造的に把握して,期待損失やVaRの個別融資寄与分に相当するストレス時期待損失を解析的に定量化する.\r\n また,典型的な構造型の信用リスクモデルでは,満期までの期間中に生じるデフォルトを捉えにくいことから,デフォルト確率や回収率は満期までの期間の景気等の状況に応じて連続的に変化することを直接的にモデル化したうえで,回収率との連続的な相関も考慮したモデル化を行う.デフォルト確率の連続的な変化を捉える信用リスクモデルはデフォルト強度型モデルと呼ばれ,構造型モデルと並んで代表的な信用リスクモデルであるが,回収率を固定とすることが多い.しかしながら,実際には景気後退期にデフォルト確率が上昇するとともに回収率が低下するという負の相関が観察されるという実証分析がある.そこで,担保付貸出を対象に,連続的に変化する非負のデフォルト強度過程とその強度と連続的に相関を持つ担保価値過程を想定し,担保付貸出の貸出価値を期待損失の形で解析的に評価するほか,損失の変動に関して標準偏差を含め,2次モーメントやより高次モーメントも解析的に評価する.\r\n こうした分析を通じて,資産価格変動や信用の変動などさまざまなファクター間の相関や依存構造を捉え,それらが金融リスクに与える影響を定量的に把握する手法を与え,実証分析や数値分析を行った.実証分析や数値例により,テイルリスクに関しては標準的なVaRよりも期待ショートフォールの方がリスク指標として頑健であり,ファクターの同時分布がリスクに与える影響については,各ファクターの周辺分布の裾の重さだけでなく,ファクター間の依存構造を表すコピュラがプライシングやリスク指標に及ぼす影響を無視できないことが示された.特に,下側裾依存性の強いコピュラが金融リスクに及ぼす影響は大きく,CDOのプライシングに際しては同じ順位相関を持つコピュラでも下側裾依存性の強いコピュラでは優先順位の高いトランシェについて期待損失が保守的に見積もられることとなり,該当する格付けも異なってくることが示された.貸出額の変化や回収率とデフォルト強度の相関を考慮した信用リスクのモデルでは,数値例により,デフォルト事象の相関のみならず,貸出額の変化や回収率とデフォルト強度の相関も信用リスクに大きな影響を及ぼすことが示された.貸出額の変化については期待損失を抑えるように追加融資することができてもVaRについては増加してしまうことが定量的に示された.回収率とデフォルト強度の相関については,デフォルト強度の中心回帰の速度が遅い場合には負の相関の強さが期待損失の増加幅に与える影響が大きいことなどが定量的に示された.\r\n 金融リスクを統計学的にきちんと把握し,必要な資本の算出や各ビジネスへの割当につなげていくことは,金融機関経営の本質であり,その精緻化が望まれる.本論文で考察した定量化手法とそれらを用いた実証分析・数値分析はその精緻化の一助になるものと思われる.","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大乙第210号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"複合科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"15 統計科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2010"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"YOSHIBA, 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