{"created":"2023-06-20T13:20:17.519034+00:00","id":296,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"0b98ec95-0334-4a58-bc63-74634246c1b3"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"296","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"296"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000296","sets":["2:427:10"]},"author_link":["8024","8023","8022"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"丸山, 豊"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"マルヤマ, 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量子フォッカー・プランク方程式は、周りの熱浴を調和振動子の集まりと考え、そのスペクトル密度の形をオーミック型やローレンツ型に仮定する事によって導かれる式で、それぞれガウスホワイト型とガウスマルコフ型に分類される。さらに多準位ポテンシャル面を考慮可能にしたものが多準位量子フォッカー・プランク方程式であり、温度効果による散逸の影響を正しく考慮できる唯一のものである。また、系のポテンシャルやそれらの間の透熱結合、作用させるレーザー場のパラメータなどを自由に変えることができるため、分子系を考えるときの強力な道具となる。特に凝縮相中の分子系においてフェムト秒の時間分解能の光学過程を扱う場合、系と熱浴の相関時間よりも早い時間領域を取り扱うため、時間相関をゼロとするホワイトノイズと熱浴をみなす事ができない。しかしガウス・マルコフ熱浴の多準位フォッカー・プランク方程式では、熱浴の相関関数が<Ω(t)Ω(0)>=exp(-γt)となり、ノイズの時間相関の効果を取り入れることが出来る。\n 分子系のモデルとしてモースポテンシャルで表わされる電子的多準位系を考えた。この系の初期状態は基底状態において振動準位が熱平衡にあるとした。このポテンシャルのパラメータとして、Cs2の基底状態をモースポテンシャルの形に合わせたものを使用した。まず、レーザーパルスが系の基本周期よりも短くδ関数とみなせる場合の吸収およびパンプ・プローブスペクトル、2光子フォトンエコーについて調べた。また、時間に関してガウス型の非常に強いパンプ光を用いた場合のパンプ・プローブスペクトルの計算も行った。\n 吸収スペクトルとはプローブ光が系と相互作用したときに吸収されるエネルギーを調べるものである。基底状態と励起状態の変位が小さい場合には分子系は調和振動子でよく近似され、吸収スペクトルも調和振動子ポテンシャルによるものと非常に近い形となる。変位が大きくなるとより高い振動準位に励起されるようになり、より多くのピークが見られる。さらに解離が生じる領域まで変位を大きくしていくとスペクトルが広がリ個々のピークが判別できなくなる。\n パンプ光を照射し遅延時間τ秒後にプローブ光をあてたときの吸収を見るのがパンプ・プローブスペクトルである。系の双極子モーメントは座標に依存しないとし、またパルスをδ関数としたために、パンプ光によって基底状態から励起状態に遷移する波束の形は維持される(コンドン近似)。励起された波束は励起ポテンシャル面上を振動し始める。この波束の運動の様子をプローブ光の吸収スペクトルによって調べることができる。この波束の運動の様子とスペクトルを計算することによって相互の対応をつけた。変位が小さい場合にはピークの振動の周期は波束の運動の周期と一致するが、変位を大きくしていくと特徴的なピークが現れてくる。これは、モースンポテンシャルでは基底状態と励起状態のポテンシャルの差が座標に対して線形でないために生じる。変位が大きくパンプ光によって解離が生じる領域になると、パンプ光とプローブ光の遅延時間τが大きい位置に新たなピークが現れる。このピークは解離していく波束の運動を表している。次に励起状態に反結合ポテンシャルが透熱結合していて前期解離を生じる場合の計算も行った。これらのスペクトルの振る舞いは同時に計算された波束の運動を良く示している。\n さらに分子系に強度の包絡線がガウス型のパンプ光を照射したときに分子がどのように振舞うかを調べた。これは強度の強いレーザー光を用いた実験が行われるようになってきたことに対応したものである。このような強いレーザー光と分子系が相互作用することで今まで見られなかった新しい現象が引き起こされると考えられている。具体的にはパンプ光が照射されている間に弱いプロープ光を入射して、その吸収スペクトルを調べた。まず基底状態と励起状態の2準位系の場合、パンプ光が弱い間はスペクトルは通常の吸収スペクトルと等しいが、パンプ光が強くなっていくとレーザーの周波数を中心としてコーヒーレントなくぼみが広がっていき、動的シュタルク効果を引き起こす様子が観察された。しかし、励起状態と解離状態が透熱結合していて前期解離を起こす場合には2準位系で観察されなかったピークが新たに観察されるようになる。これは励起状態から反結合ポテンシャルに波束が逃げて励起状態の波束が減少するために引き起こされることがわかった。\n 最後に2準位系での2光子フォトンエコーシグナルの計算を行った。2光子フォトンエコーは、最初のレーザー光と系が1回相互作用し、τ秒後に2つ目のレーザー光と2回相互作用して2τ秒後に現れてくるシグナルを観測する手法である。調和振動子系で、基底状態と励起状態の振動数が同じ場合には調和振動子の周期の間隔ごとにピークが現れた。基底状態と励起状態の振動数が異なる場合には励起状態と基底状態の周期に一致した位置にピークが観察された。モースポテンシャル系ではピークが広がった形として現れた。これはポテンシャルの非調和性のために周期の異なるピークがいくつも重なりあったためである。\n これらの計算によりモースポテンシャルの非調和性がスペクトルにどのように現れてくるかがわかった.今回の計算ではモデルポテンシャルを使用したが、ポテンシャル面を選ぶことにより実験事実との対応を付けて行くことも可能である。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第347号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"数物科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"08 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