{"created":"2023-06-20T13:20:17.646352+00:00","id":298,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"64abb1eb-0905-455b-acb9-43ac15cd3691"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"298","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"298"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000298","sets":["2:427:10"]},"author_link":["8027","8025","8026"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"柴田, 武"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"8025","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"シバタ, 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彼が研究対象として選んだアセチルラジカル(CH3CO)単分子解離は、近年、アセチルクロライド(CH3COCl)を光励起した際の2次解離として観測されている。しかし、これまでの報告ではCH3COの単分子解離を時間を追って実際に観測した例はない。そこで彼は、CH3COの単分子解離を実時間で追跡し、その解離速度定数k(E)を測定した。そして実験で求めた速度定数を統計理論と比較検討している。\n 実験では、アセチルクロライド(CH3COCl)をTi:Sapphireフェムト秒レーザーの第3高調波(~254nm)で光解離し、生成したCH3COを基本波(762nm)による非共鳴多光子イオン化によって検出した。また光励起と検出の遅延時間を変化させることで、各時刻におけるアセチルラジカル散乱分布を測定した。\n ラジカルの信号は5ps以内に立ち上がり、その後、30psまで信号強度の有意な差は見られなかった。遅延時間10psで測定された画像から求めた速度角度分布は、ナノ秒レーザー(248nm)を用いて光励起し、Cl原子を検出した文献と良い一致を示した。速い立ち上がりと高い異方性因子(β=0.9±0.1)はC-Cl結合の開裂が1ps以内に起こっていることを示した。観測されたβ値と光励起にともなうCH3COClの動力学的効果を考慮した結果、CH3COClのn→π*遷移双極子モーメントの方向は分子面内にあると結論した。\n 観測したラジカルの画像から、エネルギー分布p(E,t)を各時刻ごとに求めた。これらのデータから得た、特定の並進エネルギーをもったアセチルラジカルの減衰曲線を指数関数によって最適化し解離速度定数k(E)を求めた。このときラジカル分子内の内部エネルギーは、エネルギー保存則を用いて、光励起エネルギーEpump、並進エネルギーE T およびD0(CH3CO-Cl)から一義的に定まる。\n 実験的に求められたCH3COの解離速度定数はk(Eint=17kcal/mol)=8.6x10 9 s -1、k(19)=1.0x10 10 s-1、k(21)=1.3x10 10 s-1、k(23)=1.9x10 10 s-1となった。\n この実験で得られた速度定数をRRKM理論を用いて求めた解離速度定数と比較した結果、実測値は統計理論で求められる値よりも1桁以上の小さいことを明らかにしている。\n 文献によればHCO、HFCOなどの解離の場合、CO伸縮振動の励起は解離の促進にはきがないことがわかっている。また、より大きな分子CH3COCHOにおいても、分子内で分子内振動緩和が制限されていることが報告されている。文献によれば、カルボニルラジカルの解離生成物のCO分子の振動が統計的解離モデルに以上に励起されていると報告されているこどもあり、今回観測したラジカル解離は分子内振動緩和が律速になり反応速度に影響している可能性が考えられる。\n また、ラジカル生成の時の構造を考えImpulsive Modelと、角運動量の保存から、ラジカルの内部エネルギーの振動と回転エネルギーへの分配を見積もっている。その結果、余剰エネルギーの約25%が回転エネルギーになる可能性があることを明らかにしている。そのため回転の寄与で準安定状態になっている可能性は否定できないとしている。\n 彼は、新しい実験手法である1時間分解画像観測法」を用いて、特定の内部エネルギーにおけるアセチルラジカルの解離速度を初めて求め、実験値が統計理論に基づいた計算値に比べ、1桁以上小さい値であることを見い出した。そして、両者の差は、1)アセチルラジカルの解離において振動緩和が抑制されている、あるいは、2)生成したラジカルの回転エネルギーが大きく、振動回転相互作が弱いために解離が遅くなっている、のいずれかであるとした。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第380号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"数物科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"08 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