{"created":"2023-06-20T13:22:28.368537+00:00","id":3100,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"9a7272df-16ec-4c98-aabe-217fcd4d2643"},"_deposit":{"created_by":21,"id":"3100","owners":[21],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3100"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00003100","sets":["2:427:9"]},"author_link":["85","86","84"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"稲熊, あすみ"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"84","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"イナグマ, アスミ"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"85","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2012-03-23"}]},"item_1_degree_grantor_5":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"総合研究大学院大学"}]}]},"item_1_degree_name_6":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(理学)"}]},"item_1_description_12":{"attribute_name":"要旨","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"  本論文は、全四章で構成される。序章では、生命現象を研究する上でのライブイメージングの利点、および既存のmRNAライブイメージング法の問題点を概説した上で、本研究の目的を記述した。生物試料から空間的情報を得るために広く使われている手法は、サンプルを固定し、特定の観察対象物を染色して、顕微鏡で観察する方法である。しかし、この方法では同一のサンプルで時間的経過を追うことができない。ライブイメージングは生きたサンプルを観察するため、このような問題点を解決できる。\r\n  これまでに,mRNAが細胞内の特定の領域に局在することが知られている。しかし、その仕組みや生理的な意義の多くは解っておらず、ライブイメージング法によるmRNAの局在や、それに伴う動態の解明によって、これらの現象への理解が深まることが期待されている。既存のmRNAライブイメージング法には、内在性mRNAを可視化できないという欠点や、マイクロインジェクションを用いるため、細胞へ与えるダメージが懸念される、といった欠点が存在し、mRNAのライブイメージング法には更なる改良が必要である。本研究では、既存のmRNAイメージング法の持つ欠点を克服し、一分子レベルでのmRNAの動態を可視化できるプローブの開発を目的とした。\r\n  第1章では、全長の蛍光タンパク質を用いる「全長型プローブ」の開発について記述した。全長型プローブの構成と作動原理について説明し、設計したプローブの有用性を検証した結果と考察を記述した。\r\n  全長型プローブは、配列特異性を持つRNA結合タンパク質(Homo sapiens Pumilio1 Homology Domain : HsPUM1-HD)と蛍光タンパク質(Enhanced Green Fluorescent Protein : EGFP)から構成される。HsPUM1-HDは、RNAの認識に関わる数アミノ酸に変異を加えることによって、任意のRNA8塩基配列に特異的に結合するように改変できる。観察対象のmRNA配列に合わせて設計した二つの変異型HsPUM1-HDの間にEGFPを組み込むことで、観察対象のmRNA内の16塩基に特異的に結合し、蛍光標識するプローブを考案した。また、プローブに核移行シグナルペプチド配列 (Nuclear Localization Signal; NLS) を付加することによって、mRNAに結合していないプローブを核内へ局在させ、細胞質内の背景光が低減されるように設計した。このプローブは、プローブの遺伝子を細胞内へ導入することで、細胞内で産生される。このため、リポフェクションを用いて低侵襲的に細胞内へプローブを導入することができる。\r\n  本研究では、既に局在や動態が報告されているβアクチンmRNAを可視化することで、全長型プローブの有用性を評価した。作製したプローブの遺伝子を細胞に導入し、落射照明蛍光顕微鏡で観察した。核付近と細胞辺縁部付近に見られたプローブの局在は、過去に報告されたβアクチンmRNAの局在と一致した。この結果から、プローブがβアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。続いて、免疫沈降により細胞抽出液からプローブを単離し、プローブに結合しているmRNAを逆転写PCRによって増幅したところ、βアクチンmRNAが検出された。また、in situハイブリダイゼーションによってβアクチンmRNAを標識し、プローブの細胞内局在と比較したところ、プローブはβアクチンmRNAと共局在を示した。これらの結果から、プローブはβアクチンmRNAに特異的に結合することが証明された。全反射照明蛍光顕微鏡を用いて、プローブを発現した細胞の観察を行ったところ、輝点状の蛍光シグナルが多数観察された。輝点状に観察される蛍光シグナルは一段階消光を示した。従って、輝点状に観察される蛍光シグナルが一分子のEGFPに由来することが証明され、βアクチンmRNAを一分子レベルで検出できることを明らかにした。また、観察された輝点は、微小管上を直線的に移動した。輝点の動態が、過去に報告されたβアクチンmRNAの動態と酷似していたことから、本研究で作製したプローブは本来の動態を阻害することなく、βアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。\r\n  第2章では、二断片に切断した蛍光タンパク質の再構成法を利用した「再構成型プローブ」の原理を説明し、設計したプローブの有用性を検証した結果と考察を記述した。\r\n再構成型プローブは、EGFPのN末断片を連結した変異型HsPUM1-HDと、EGFPのC末断片を連結した変異型HsPUM1-HDから構成される。これらのプローブは細胞内で発現しても蛍光を示さないが、二つのプローブがmRNAに結合するとEGFPの二断片が近接してEGFPの再構成が起こる。それぞれのプローブがmRNA内の二つの8塩基配列に結合して初めて蛍光を示すプローブとして、再構成型プローブを考案した。\r\n  再構成型プローブを発現した細胞に対し、免疫沈降・逆転写PCR法を行った。その結果、βアクチンmRNAがいずれのプローブからも検出されたことから、二つのプローブは共にβアクチンmRNAに結合することが示された。また、プローブの遺伝子を導入した細胞で、βアクチンmRNAをin situハイブリダイゼーションによって標識したところ、βアクチンmRNAとEGFPが共局在する様子が観察された。この結果から、再構成型プローブがβアクチンmRNAに特異的に結合し、EGFPの再構成が起きることが確認された。続いて、プローブを発現した細胞を全反射照明蛍光顕微鏡で観察した。細胞内では、輝点状の蛍光シグナルが一段階消光を示した。これは、輝点が一分子のEGFPに由来することを意味し、一分子のβアクチンmRNAの観察が可能であることを証明した。血清刺激に対する輝点の局在変化や、微小管上を移動する輝点の動態は、βアクチンmRNAの過去の知見に一致した。このことから、作製したプローブが局在や動態を妨げずにβアクチンmRNAを可視化できることが示唆された。\r\n  第3章では、第1章と第2章を総括し、結論を述べた。本研究では、新規のmRNAイメージング用プローブとして、全長型プローブと再構成型プローブを開発し、その作製に成功した。まず、作製した両プローブが標的mRNAに特異的に結合することを証明し、これらのプローブによって可視化されたβアクチンmRNAが、これまでに報告されている局在や動態を示すことを実証した。両プローブにはそれぞれ利点があり、利点に応じた使い分けによって、多くの生物学的知見を得られることが期待される。全長型プローブは、EGFPの再構成に伴う発色団の形成に時間を要しないため、mRNAのスプライシングや、前駆体mRNAから成熟mRNAへの修飾過程など、転写直後のmRNAの観察に適していると考えられる。一方、再構成型プローブは、mRNAに結合して初めて蛍光を示すため、mRNAに結合していないプローブに由来する背景光が抑えられる。このことから、mRNAの輸送や翻訳、分解などの過程における一分子のmRNA観察に有用的であると考えられる。\r\n  開発したいずれのプローブも、低侵襲的に内在性mRNAを可視化することができる。本研究により開発したプローブを利用し、様々なmRNAの細胞内局在と動態を観察することにより、それらの仕組みや生理的意義の解明が期待される。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1474号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"物理科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"07 構造分子科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2011"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"INAGUMA, Asumi","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"86","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1474_要旨.pdf","filesize":[{"value":"395.3 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/3100/files/甲1474_要旨.pdf"},"version_id":"c00c3c6d-e9f4-4473-972b-6951e1636b85"},{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1474_本文.pdf","filesize":[{"value":"32.3 MB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"本文","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/3100/files/甲1474_本文.pdf"},"version_id":"9f5a6643-a5f9-4023-ae04-e885797f9167"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"内在性mRNAを可視化する蛍光プローブの開発とβアクチンmRNAの細胞内局在解析","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"内在性mRNAを可視化する蛍光プローブの開発とβアクチンmRNAの細胞内局在解析"}]},"item_type_id":"1","owner":"21","path":["9"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2012-09-04"},"publish_date":"2012-09-04","publish_status":"0","recid":"3100","relation_version_is_last":true,"title":["内在性mRNAを可視化する蛍光プローブの開発とβアクチンmRNAの細胞内局在解析"],"weko_creator_id":"21","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-06-20T15:39:00.381450+00:00"}