{"created":"2023-06-20T13:22:29.292105+00:00","id":3119,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"c3a518dc-1103-47c4-aa45-cc18bc4c1387"},"_deposit":{"created_by":21,"id":"3119","owners":[21],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3119"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00003119","sets":["2:428:14"]},"author_link":["143","142","141"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"許斐, 太郎"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"コノミ, タロウ"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2012-03-23"}]},"item_1_degree_grantor_5":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"総合研究大学院大学"}]}]},"item_1_degree_name_6":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(理学)"}]},"item_1_description_12":{"attribute_name":"要旨","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"  超伝導加速空洞は次世代高エネルギー物理学実験機ILC (International Linear Collider: 国際リニアコライダー)の中核技術として用いられる。ILCの特徴はビームが1つの加速空胴を1度しか通過しない線形加速器を使用する点である。このためILC加速器ではビーム衝突点までエミッタンスやエネルギー広がり等を保ったまま加速できる加速空洞が求められる。そこで、超伝導加速空洞の高電界化と高エネルギービームを高品質に保つことが重要である。また中心エネルギー500GeVを得るために、1.3GHzの9Cell超伝導加速空洞が約16000台必要であるため、建設コストを抑えるためにコンパクトな設計でなければならない。\r\n  加速空洞とはその内部にマイクロ波を閉じ込めた共振器であり、加速空洞の場合、加速に適したTM010モードを閉じ込めている。ただし、加速空洞にはビームの加速に用いる加速モード以外にHOM(Higher Order Mode:高次モード)と呼ばれる共振モードが数多く存在する。HOMはビームが空洞を通過するときに発生するWakefield(航跡場)により励起され、後続のビームに作用しビームエミッタンス・エネルギー広がりを劣化させる。このため、HOMダンパーと呼ばれるHOMをダンプする構造物が加速空洞には不可欠である。\r\n   HOMダンパーは加速モードとHOMを選別し、加速モードは空洞内に閉じ込め、HOMのみをダンプする機能が必要である。既存の超伝導加速空洞用HOMダンパーでは主に2つの方法が使われている。1つ目は導波管やビームパイプのCutoff周波数を加速モード周波数以上に設定することでHOMのみ伝播させRF吸収体でダンプする方法である。2つ目はビームパイプ部に設置したループアンテナで加速モードとHOMを結合させ、カップラー内部に組み込んだ加速モード周波数を反射するバンドパスフィルターを使い加速モードを空洞内部に閉じ込め、HOMのみカップラーから空洞外部に取り出しRFダンパーでダンプするTESLA型HOM Couplerと呼ばれる方法がある。後者の方法をILCではBaselineとして採用している。\r\n  導波管やビームパイプのCutoff周波数を利用する方法はHOMダンパーのサイズが大きくなることや、ビームパイプ径をHOMが取り出せるように大きくしなければならず加速モード場のビームパイプへの染み出しが大きくなり加速勾配が低くなるためILCには適さない。TESLA型HOM Couplerはコンパクトな形状ではあるが、ビーム軸に対し局所的に取り付けられるため、Dipoleモードの縮退が解かれHOM Couplerと結合が弱いHOMが生じる問題点を持つ。\r\n  一方、加速空洞の高電界化の観点から見ると、TESLA型HOM Couplerは複雑な形状を持ち洗浄が困難なため40MV/m付近から高電界でQ Slopeを引き起こし、高電界を達成できないという問題がある。\r\n  我々は既存のHOM ダンパーに代わるDemountable Damped Cavity (DDC)と名付けたHOMダンパーをILCのAlternative Cavity Design(ACD)として提案する。\r\n   DDCのRF構造について説明する。まず、加速モードとHOMを同軸管に結合させる。この同軸管の外導体にはBeampipeを用いる。内導体の挿入長さによって結合を強くできる。次に、同軸管途中に設置したChokeで加速モードのみ加速空洞側に反射して、加速モードを加速空洞内に閉じ込める。一方、HOMは同軸管を伝播し同軸管終端まで到達する。最後に、同軸管終端には77Kのサーマルアンカーに保持されたRF吸収体(Ferrite)で熱に変換しダンプする。\r\n   DDCでは高電界でのQ Slopeを克服するためにChoke部をフランジ構造にしてDemountableにすることで、洗浄を容易にしている。なお、DDCではHe Vessel のBaseplateをChoke空洞の一部としDemountableのフランジとしても用いることで、ILCに要求されるコンパクト化を実現する。\r\n  本研究ではIchiro単セル空洞にDDCを適用してDDCの原理実証を行うことを目的とする。原理実証試験で検証した項目は主に以下の5つである。\r\n\r\n[1] シミュレーションによるアイデアの検証\r\nシミュレーションの結果、Chokeのバンド幅は25kHzであった。これは9Cell空洞のLorentz Detuning量~1 kHzに比べて十分に大きい。超伝導空洞はHigh-Qであるために周りの振動やLorentz Detuningによる周波数の離調問題がある。本アイデアは、こうしたHigh-Qでも十分に使える事が検証された。\r\n\r\n[2] 加速空洞とChokeの周波数マッチングの検証\r\n加速空洞とChokeの周波数マッチングを室温で取った状態で2Kに冷却しても周波数マッチングを維持できた。空洞冷却時における空洞とChokeの周波数の離調問題がないことが分かった。Chokeにチュナーなどを付ける必要がないことが分かった。\r\n\r\n[3] Demountable性の実証\r\nDemountable部の磁場強さは加速空洞の最大表面磁場の1/6であるのでDemountable部はSuper-Jointでなければならない。Demountableのフランジ形状を修正する事で最終的に加速電界19 MV/m 、Qo=1.5×1010を得た。Demountable構造が磁場の強い場所でも使える事を実証した。ただし再現性の追求が今後の課題である。\r\n\r\n[4] 洗浄の容易さの実証\r\n上に述べたDemountable部の実証試験ではX線は観測されなかった。また、他の測定でもX線が観測されていない。これによりDemountableにすることで容易に表面洗浄できる事を実証した。\r\n\r\n[5] Multipacting(MP)、 Field Emission(FE)の検証\r\nシミュレーションでは、Choke内のMPは弱い事が予想されている。内導体を含めた試験では、最大加速電界までX線は観測されていない。このことからMPやFEは全く問題ないことが実証された。また内導体などを空洞に持ち込んでも、Field Emission やMultipactingが起きないことが分かった。\r\n\r\n[6] 吸収体でのHOMのダンプ率\r\n吸収体を装着した試験の結果、吸収体での損失を表すQ値QHOMは常温で、TE111はQHOM=200、TM110はQHOM=300を得た。これはTESLA型HOM Couplerに比べ1~2桁良い値である。このように高いダンプ力が得られる事がDDCの特徴の一つである。今後、2Kに冷却した場合の吸収体での損失を測定する。\r\n\r\n   以上のようにDDCの各項目を原理実証できた。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1492号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"高エネルギー加速器科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"12 加速器科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2011"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"KONOMI, Taro","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1492_要旨.pdf","filesize":[{"value":"333.2 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/3119/files/甲1492_要旨.pdf"},"version_id":"a4cec69c-771c-4bb3-a392-cc2966a99422"},{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1492_本文.pdf","filesize":[{"value":"21.5 MB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"本文","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/3119/files/甲1492_本文.pdf"},"version_id":"3ce97b63-8504-44dd-9de4-ac3afb119eb6"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発"}]},"item_type_id":"1","owner":"21","path":["14"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2012-09-10"},"publish_date":"2012-09-10","publish_status":"0","recid":"3119","relation_version_is_last":true,"title":["超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発"],"weko_creator_id":"21","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-06-20T15:38:21.779662+00:00"}