@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00003133, author = {山田, 俊哉 and ヤマダ, トシヤ and YAMADA, Toshiya}, month = {2016-02-17}, note = {  WebページやWebサイトに対するユーザビリティの評価は,専門的に行う企業もあるほど,重要性が増しており,今後も発展していく技術である. 本論文では,Webユーザビリティの評価において,以下の3つの問題点に対しそれぞれアプローチした. ・ (被験者数) × (Webページ数)の評価値行列に欠損値を多く含む問題 ・ユーザビリティ評価に対して詳細な分析を行うべきWebページが膨大になる問題 ・ユーザビリティの問題箇所の発見抽出のための,被験者と評価者の負担が大きい問題 これらの問題へのアプローチを通じて,ユーザビリティ評価における,被験者と評価者の負担の軽減を図ることが本研究の,大きな目的である.   本論文1章ではユーザビリティ評価における,上記の問題点についての説明と,それぞれの問題に対する,本論文でのアプローチについて述べた.   2章では,ユーザビリティ評価についての詳細と本論文で使用したユーザビリティ評価支援ツールの紹介した.また,本研究で実施したユーザビリティ評価手法の一つであるユーザーテストについての詳細を述べた.   3章では,ユーザテストにおいて,(被験者)×(Webページ)の評価値行列に欠損値を多く含んでしまう問題を扱う.本研究では協調フィルタリングの手法の一つである行列補完手法を用い評価値行列の欠損値を補完することを提案する.被験者とWebページのそれぞれの評価傾向のバイアスと,評価値の平均値からの差によって重み付けされた行列因子分解(重み付分解A)を用いたところ,84%が欠損した評価値行列を平均RMSE=0.91で行列を補完することができた.これにより被験者にタスクの実行を依頼するユーザーテストにおいて,一部の被験者しか閲覧していないWebページに対しても,全ての被験者からの評価値を推定できるため,限られた被験者数によるユーザ-テストの評価値を有効に利用することが可能となる.さらに,行列潜在因子により,それぞれのユーザがどのような評価を着ける傾向があるか,また,各Webページがどのような評価を付けられる傾向があるかを把握することが可能となった.また,因子行列を用いて,ユーザーテストを行った際の被験者とWebページのクラスタリングを行うことも可能となり,特定のWebページグループと被験者グループの組み合わせによる評価傾向の違いを見ることが可能となった.   本論文4章では,ユーザーテストからユーザビリティ評価を得た後に,詳細な分析を行うべきWebページが膨大になる問題を扱った.ユーザーテスト後に,ユーザビリティ問題箇所の特定のために分析を行うページ数を減らし,評価者の負担を減らすため,ロジスティック回帰分析やSVMといった判別手法を用いて,被験者が主観的に「使いにくい」と評価したWebページを,被験者のユーザーテスト中の行動情報(インタラクション)から判別を行うことを提案した.   また,本研究では判別モデルに対し変数選択を行い,ユーザーテスト時に記録した被験者のWeb閲覧情報から,判別に有効な変量を特定した.これにより,使いにくいページの検出には注視点移動量と,ホイール回転量そして,閲覧時間が効果的であることが確認された.   「使いにくい」Webページの自動検出の精度は,正判別率とトレードオフの関係であるため,どの程度のページ数を「使いにくい」ページとして検出すれば,そのページの中にどの程度「使いにくい」ページが含まれているかは判別モデルのしきい値によって変化する.ユーザーテストのコストと効果により,求める検出率や,検出数は変化するため,場面に応じて,しきい値を設定する必要がある.本論文では,判別境界であるしきい値を変化させることにより,「使いにくい」ページとして抽出するページ数と,「使いにくい」ページの検出率の関係をMathematical-Lineとしてあらわした.   Mathematical-Lineは,(使いにくいページとして検出する数)=(評価分析コスト)と,(使いにくいページが検出される割合)=(評価分析効果)の関係を表し,これを用いる事でユーザーテストの対費用効果を考慮しながら,判別モデルの閾値を決定することができる.   本論文で用いたユーザーテストによる結果では,121PV中40PVを「使いにくい」ページとして検出するように判別を行うと,「使いにくい」ページの約80%が検出できる結果となった.これは,ユーザーテスト後に,従来では全てのページを評価者が分析していたところを,全体の3割のWebページを選択し分析することで,全体のユーザビリティの問題の8割が検出できる結果となり,ユーザーテストの対費用効果を調整しながらユーザビリティ評価が行えるため,評価者の負担は大きく減るものと期待される.   本論文5章では,ユーザビリティの問題箇所の発見抽出のための,被験者と評価者の負担が大きい問題を扱った.これに対し,本論文ではユーザーテストに時に記録した,被験者のインタラクションから,ユーザビリティの低いページに特徴的なインタラクションパターンの抽出を提案した.   本研究では,ユーザビリティの評価が未知のページではなく,ユーザーテスト後の被験者による主観的評価が判明しているページを対象にしている.インタラクションパターンの抽出にはテキストマイニング手法であるPrefixSpan Boosting(Pboost)を用いた.Pboostは系列データに対する判別手法の一種であり,これを用いる事で「使いにくいグループ」と「その他のグループ」を識別可能なインタラクションパターンを抽出することが可能である.   Pboostによる抽出の結果,インタラクションパターンは,WebTracerで記録したデータでは76パターン発見され,ITR-Recorderで記録したデータでは296パターン発見された.これらのパターンで学習データは完全に判別可能であり,それぞれのパターンに対する重み係数から「使いにくいグループ」か「その他のグループ」に判別される方向に影響を及ぼすパターンかが解る.両データにおいて,一致した結果となったことは,使いにくいと判別される方向に影響を及ぼすパターンでは,注視点領域の移動を表すパターンが多かったことに対し,その他のページと判別される方向に影響を及ぼすパターンでは,注視点がある特定の領域にとどまるパターンが多く,視線が活発に動けば,ユーザが使いにくいと判別される方向に向かうことが示唆される結果となった.   また,各パターンに対応する係数を比較することにより,それぞれのパターンが「使いにくい」ページとその他のページを分ける際の影響の強さを測ることができる.これにより,より強く「使いにくい」ページに判別する方向へ影響するインタラクションを優先的に,評価者が分析し,ユーザビリティの問題点の改善を行うことが可能になると期待される.   本論文6章では,ユーザビリティ評価の3つの問題点に対し,アプローチした3章から5章の結果について,まとめた結果と,今後の課題について議論した., application/pdf, 総研大甲第1506号}, title = {Webユーザビリティの統計的評価における研究}, year = {} }