{"created":"2023-06-20T13:22:30.929222+00:00","id":3157,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"7fd178c7-1b1a-40da-a4e9-d1b49ed2a1b5"},"_deposit":{"created_by":21,"id":"3157","owners":[21],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3157"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00003157","sets":["2:431:25"]},"author_link":["271","270","269"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"加藤, 直子"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"カトウ, 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つのアウトカムの規定要因とその関連を探求する.2 つのアウトカムとは,経営学で最も重要な説明対象である外的なアウトカムとしての成果(Jobperformance)と,産業・組織心理学で最も重要な説明対象である内的なアウトカムとしての職務満足(Job satisfaction)である.分析の視角として,個々の科学研究者のアウトカムという個人レベルの分析と,研究プロジェクトグループのアウトカムという集団レベルの分析の双方を考慮に入れることで,個々の研究者の創造性を発揮しつつ,集団としての生産性の向上を促進しうる要因を探求しようとするものである.第一部の分析は,日本における物理科学分野の基礎科学を担う,次の5つの文部科学省所管の公的科学研究機関に所属する科学研究者を対象とした組織調査に基づいている.(1)宇宙科学研究所/宇宙航空研究開発機構,(2)核融合科学研究所,(3)高エネルギー加速器研究機構,(4)国立天文台,(5)分子科学研究所.第一部の結果では,第一に,科学研究者の職務満足感と成果には,相関があることが確認された.ただし,相関は創造性が必要な職務に関する成果のみに観察され,定型的な職務に関する成果では観察されなかった.この結果から,タスクの創造性が相関関係に影響を与える可能性が示唆され,個人レベルの分析でも集団レベルの分析でも一貫していたことが注目される.\r\n  第二に,科学研究グループを対象とした集団の成果の規定要因を探求した構造方程式モデリングによる分析では,環境→士気→成果といったモチベーション理論の仮定と一致する因果的構造が観察された.集団の成果に最も大きな直接効果を与えている変数は,職務満足感であった.さらに,集団の職場環境要因の内部におけるそれぞれの下位概念の因果的構造を探索したところ,コミュニケーション(communication),職場の人間関係(Atmosphere),組織コミットメント(Involvement)のそれぞれは,プロジェクトのスーパーバイザーのリーダーシップを通して,職務満足感を媒介し,成果に間接効果を与えているという構造を発見することができた.また,研究に関連した資源を測定する変数のうち,資金と物資(Budget & Materials)は背景要因として存在するだけでなく,成果に対する直接効果を持つことが分かった.さらに,研究活動の活発さ(Research activity)は,成果への直接効果だけでなく,コミュニケーションから成果への媒介変数であるという構造を見出すことができた.推定したモデルの適合度指標の値は良好で,モデルと実際のデータとの高い整合性が認められたことから,本結果を公的科学研究機関における研究グループの成果モデルとして提示した.\r\n  第三に,科学研究者個人の職務満足感の規定要因を扱った分析では,重回帰分析の結果から,職場の環境が個々の科学研究者の職務満足感に影響を与えていることが示唆された.また,有期雇用の職員と比較して,パーマネント職員のほうが職務満足感が高い傾向にあることが分かった.このことから,現在の職場環境が,パーマネント職員により適した環境にあることが示唆される.他の要因が一定ならば,会議(Meetings)の在り方は,職務満足感に負の効果を与えていた.さらに,構造方程式モデリングを用いた職場環境内部における因果的考察を行ったところ,環境要因は個人の組織コミットメント(Involvement)に集約され,結果として職務満足感に影響を与えているという構造を見出すことができた.\r\n  第二部では,消費者行動論の考え方を応用し,公的科学研究機関に来場する市民の特性と多様性を理解することで,公的科学研究機関における現在の科学のアウトリーチ活動の在り方を評価・検討する.科学技術基本計画の閣議決定を受けて,現在多くの公的科学研究機関はさまざまな科学のアウトリーチ活動を実施し,市民への活発な情報発信を行っている.しかしながら,公的科学研究機関と社会の接点のひとつである科学のアウトリーチ活動に関して,活動に参加する市民は主にどのような特性をもっており,当該イベントにおいてそれぞれが実際にどのような行動をしているのかといった,本研究のような「顧客を知る」ための分析は行われていない.第二部の分析は,第一部の調査対象組織のうち,分子科学研究所における一般公開日の来場者に対する定量調査と,国立天文台における特別公開日の来場者に対する定性調査に基づいている.\r\n  第二部の結果では,公的科学研究機関の一般公開日の来場者は,高学歴の親と学齢期の子供の組み合わせが多いという特徴が見出された.また,統計的検定の結果,当日の展示に関する観覧行動に関して,過去に最も多くの文化的な慣習行動を行っている層と,科学・技術に関する文化的な慣習行動を頻繁に行っている層において,活発な「科学文化の消費行動(Consumption of scientific culture)」がみられることが分かった.また,因子分析と構造方程式モデリングの結果により,来場者の文化的な慣習行動について,科学・技術的文化資本と文学・芸術的文化資本の相関が発見された.この結果により,科学・技術的文化資本と文学・芸術的文化資本はそれぞれ別の軸に属する因子であることが示唆された.したがって,我が国における公的科学研究機関の一般公開の来場者には,「理系・文系」という表現に象徴されるようなそれぞれが軸の対極であるとした背反モデルではなく,両立モデルの適用が可能であることを意味しているといえる.","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1530号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"先導科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"23 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