{"created":"2023-06-20T13:20:19.851921+00:00","id":332,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"cb8a73a3-5ecd-485a-afa9-672618b30512"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"332","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"332"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000332","sets":["2:427:10"]},"author_link":["7910","7912","7911"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"榮, 慶丈"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"サカエ, 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Waals力といった非結合のエネルギーなどが考慮された力場をもつエネルギー関数を使う。このエネルギー関数では各エネルギー項別にある複数のパラメータを必要とし,現在では力場パラメータとして,AMBER,CHARMM,OPLS,GROMOS,ECEPPなどいくつもの種類が存在している。これらの力場パラメータは,実験から得られた結果や小分子などを対象とした量子化学計算をおこない,その結果得られるデータなどを元に決められている。しかしながら,これらの力場パラメータによってどの程度まで自然に存在する複雑な分子の立体構造を再現できるのかといった精度の問題に関しては,まだ明らかになっていない。これは,特にタンパク質のような大自由度系では,エネルギーの極小状態が無数に存在し,最安定状態を見つけることが極めて困難になり,力場パラメータ自体の精度に関する議論ができないためである。\n近年,強力なシミュレーション手法の一つである拡張アンサンブル法を用いて,2つのペプチドによる折り畳みシミュレーションがおこなわれ,いくつかの既存の力場パラメータによる比較がおこなわれた。特に,それぞれの既存の力場パラメータでの,二次構造形成に関する傾向などが詳細に調べられ,その結果としてタンパク質の折り畳みシミュレーションにより自然の立体構造を再現できる程十分な精度をもつといえる力場パラメータは存在しなかった。\nそこで,現在存在する力場パラメータに対し最適化をおこない,よりよい力場パラメータを作ることを目的とした。この目的を実現するため,PDB(Protein Data 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version22,OPLS-AAの5種類のパラメータに適用した。使用したPDBデータベースの立体構造は,全てX線回折実験によるものであり,分解能が1.8Åまたはそれ以上の精度を持ち,アミノ酸数が200以下のタンパク質分子100個のものである。最適化をおこなうパラメータとしては,静電相互作用項に含まれる部分電荷パラメータと主鎖の二面角φとψのねじれエネルギー項の係数のパラメータを選んだ。この最適化の結果,電荷のパラメータに関しては5種類すべての力場パラメータにおいて,オリジナルの力場パラメータと比較し,それほど大きな変化はみられなかった。ねじれエネルギー項のパラメータに関しては,オリジナルと比較して,最適化したパラメータによるねじれエネルギーの関数形は5種類の力場パラメータ間で収束する傾向が見られた。さらに,最適化により得られた力場パラメータとオリジナルの力場パラメータの精度を議論するために,分子の折り畳みシミュレーションによる立体構造形成の傾向を調べた。対象とした分子は,実験によりαヘリックス構造をもつことが知られている分子であるCペプチドと,実験ではβヘアピンの構造をもつことが知られている分子であるGペプチドの二つです。シミュレーションには徐冷法を用い,これら二つのペプチド分子に対して,独立な徐冷シミュレーションをそれぞれ16回実行した。その結果,例えばオリジナルのAMBER parm94はαヘリックス構造を,また,オリジナルのAMBER parm96はβヘアピン構造を形成し過ぎる傾向が見られるなど,オリジナルの力場パラメータの問題点が明らかとなった。これに対し最適化した力場パラメータはオリジナルの力場パラメータよりも,実験により得られる構造を再現する傾向にあることが分かった。そして,主鎖の二面角に関するねじれエネルギー項の微妙な修正がタンパク質の二次構造形成傾向性を大きく変えることが分かり,特にこのパラメータの今後の更なる改善が重要であることを示すことができた。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大乙第134号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"物理科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"08 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