{"created":"2023-06-20T13:20:20.110560+00:00","id":336,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"34ab2634-6839-4e47-8671-cc5e4f9089b5"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"336","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"336"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000336","sets":["2:427:10"]},"author_link":["0","0","0"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"益田, 周防海"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"0","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"マスダ, スオミ"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"0","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_date_granted_11":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2005-03-24"}]},"item_1_degree_grantor_5":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"総合研究大学院大学"}]}]},"item_1_degree_name_6":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(理学)"}]},"item_1_description_12":{"attribute_name":"要旨","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":" この研究では、軽元素からなる簡単な分子での、内殻励起・脱励起過程に着目している。内殻ホールは特定原子に局在しているので、内殻ホール生成に伴い分子内の静電場は大きく変化し価電子の再配列が起こる。その為、内殻励起後の脱励起過程において、価電子の効果が重要になってくる。この様な価電子の効果としては、静電相互作用と交換相互作用があり、静電相互作用の方が支配的である。一方、近年、高分解能の分光測定が可能になった為、内殻電子の局在性の為に小さい交換相互作用の寄与も見える様になってきた。そこで、この研究では、内殻励起・脱励起過程の中で、交換相互作用の効果が重要になる系に着目している。交換相互作用の寄与は、開殻系と閉殻系では異なっている。閉殻の等核二原子分子では、内殻電子と隣接する原子価電子の交換反発が、内殻準位のgerade-ungerade分裂の大きさを決めている。一方、開殻系では交換相互作用は多重項状態間の交換分裂に寄与している。先ず、閉殻系としては、窒素とアセチレンについて内殻準位の高分解能の吸収スペクトルを測定し、g-u分裂を決定している。更に、Rydberg状態と近接する価電子状態との混合による振電相互作用も明らかにしている(第2章)。開殻系については、OCSのイオウ2p共鳴光電子放出過程における、スピン禁制四重項イオン化状態などの通常の方法では観測できない禁制イオン化状態を明らかにすることに成功している(第3章)。第3章では、内殻励起状態を中間状態としたイオン化終状態を調べたが、第4章では、レーザーにより価電子励起された分子の紫外光電子分光を行う為の装置開発について述べている。
第2章 アセチレンの内殻励起ダイナミクス
窒素やアセチレンのXPSでは、1σg,と1σuからのイオン化に対応するg-u分裂が観測されている。束縛状態への遷移の場合、選択則によりg→uとu→gの遷移のみが可能で、さらに、偏光励起スペクトルを与える角度分解イオン収量法(ARPIS)を用いると、励起状態のΣ,Πの対称性も分離することが出来る。その為、ARPISを用いた内殻-Rydberg励起スペクトルでは、g-u分裂の大きさをXPSよりも高精度で決定出来る。また、振動構造も明瞭に観測される。この研究では、SPring-8に於いてアセチレンと窒素の分解能10000程度の高分解能ARPISを測定し、内殻準位のg-u分裂と、内殻-Rydberg領域の価電子状態との混合による振電相互作用のメカニズムを詳細に議論し、分子軸方向に反発的に解離するσ* チャンネルにおいて、変角構造を持つπ* チャンネルと円錐交差する現象を始めて発見した。
第3章 OCSの内殻共鳴光電子ダイナミクス
光電子スペクトルでは、一電子準位に対応する主線に加え、電子相関や脱励起の効果でshake-up状態等のサテライト構造が多く観測される。入射光のエネルギーを内殻励起状態に共鳴させると、特定のサテライトが強調されたり、非共鳴では観測されない禁制のサテライトが観測されたりする。イオウ2p内殻励起での共鳴光電子スペクトルでは、2p電子を含む交換相互作用とスピン軌道相互作用が同程度(1~2eV)である為に、中間状態である内殻励起状態に於いて一重項と三重項が混合し、イオン化終状態では、スピン禁制の四重項状態が二重項状態と併せて観測され得る。この研究で、OCS分子のイオウ2p→4π*共鳴で光電子スペクトルを測定したところ、スピン禁制四重項状態4Π状態や、対称性禁制の2Φ状態が観測された。また、これらのサテライトの強度則を調べる為に、内殻励起中間状態からのAuger様二電子過程の行列要素を解析的に求めて議論している。
第4章 レーザー励起分子の光電子分光の為の装置開発
中性の電子励起状態やラジカル等の不安定種からのイオン化の信号は、通常の基底状態からイオン化の信号に埋もれてしまい一般に検出が困難である。近年、二次元検出器の利用により、電子分光器の検出効率が飛躍的に改善され、強度の小さい状態も効率的に検出することが可能になってきた。そこで、本研究では、高効率・高分解能な半球型電子分光器(SES200)を改造し、微弱で時間構造を持った信号を捕まえる方法を開発して、レーザー励起分子やラジカルの光電子分光を可能にするシステムを開発し、試行実験を行った。具体的には近紫外領域の色素レーザーの第二高調波を用いて、電子励起・解離した分子を、ECRタイプのHe光源を用いてイオン化し、レーザーパルスに同期したゲートを組み込んだ、検出器を用いて、レーザー照射後1μsecの間だけの信号を検出する方法である。今後は、放射光軟X線による光電子分光への展開を考えている。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第834号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"物理科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"08 機能分子科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2004"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"MASUDA, Sumio","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"0","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲834_要旨.pdf","filesize":[{"value":"293.8 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/336/files/甲834_要旨.pdf"},"version_id":"81466cc1-5cb0-4a83-8fdf-329f03c5fd25"},{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲834_本文.pdf","filesize":[{"value":"2.3 MB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"本文","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/336/files/甲834_本文.pdf"},"version_id":"5796853e-4ca3-4a75-b21d-2a097f68f786"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"簡単な分子の内殻励起状態に於ける価電子ダイナミクス","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"簡単な分子の内殻励起状態に於ける価電子ダイナミクス"}]},"item_type_id":"1","owner":"1","path":["10"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2010-02-22"},"publish_date":"2010-02-22","publish_status":"0","recid":"336","relation_version_is_last":true,"title":["簡単な分子の内殻励起状態に於ける価電子ダイナミクス"],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-06-20T16:13:39.553344+00:00"}