{"created":"2023-06-20T13:22:50.144450+00:00","id":3531,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"52d12a0c-764f-4516-9300-2074ded1a143"},"_deposit":{"created_by":21,"id":"3531","owners":[21],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3531"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00003531","sets":["2:426:7"]},"author_link":["1355","1354","1353"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"奥本, 素子"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"オクモト , 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序論では,先行研究より現在の博物館教育の理論的背景と現状をまとめた。近年,教育は博物館活動の中でも最も注目されている活動の一つである。その理由として,博物館に対する認識が展示施設から社会教育施設へと転換したこと,博物館教育が盛んな館ほど来館者が増加する傾向があること,などが挙げられる。しかし,博物館教育の重要性は論じられても,実際にどのような教育を行えば来館者の博物館学習を支援することができるのか,といった具体的な学習支援方略の研究は少ない。現在主流であるFalk&DierkingやHeinの博物館学習理論では,展示の理解・解釈は学習者が自立的に行っており,博物館側が一方的に解釈を押しつけても伝わらないとされているが,一方で,博物館経験や展示に関する知識が乏しい博物館非熟達者は,支援なしに博物館展示を理解・解釈することが難しいことも先行研究により明らかにされている。そこで本研究では,非熟達者が自立的に展示を理解・解釈できるようにするための学習支援の方略を構築し,提案することを目的とした。特にこのような学習支援は,自然科学系博物館とは異なり,展示の多様な解釈を許容する人文系博物館に求められているため,本研究の検証の場は人文系博物館に定めた。加えて,現状分析から我が国の博物館教育の課題として博物館教育に携わる人材が不足していることが明らかになった。そこで本研究では学習者が独力で事前学習ができるようなICT(情報通信技術)を活用した教材の開発というアプローチで博物館教育を実現することにした。\n 第2章では,ICTを活用した博物館教育の現状と可能性を,デジタル化された収蔵品情報の教育活用に関する質問紙調査によって明らかにした。その結果,現在の博物館におけるICTの教育活用の現状は,せいぜい収蔵品情報のアーカイブや広報のような一方的な情報によって構成されており,教育教材としては,現在の博物館が目指す学習者中心の博物館学習理論に適っていないことが分かった。しかし全体的にデジタル情報を教育活用しようとする意識は高いことが伺えた。そこで適切な学習支援方略モデルがあれば,ICTを活用した教育が普及する素地はあると考えた。\n 第3章 では,博物館非熟達者が自立的に展示を理解・解釈できるようにするための学習支援方略モデルについて論じた。まず,熟達者の自立的な展示理解と解釈を可能 にしている博物館リテラシー能力に着目し,先行研究より熟達者の展示理解・解釈の過程を検証していった。その結果,熟達者は展示を鑑賞する前に,展示全体 の包括的なテーマ・展示意図を把握し,そこから展示のどこを見るべきなのか,どの資料と資料が関連しているのか,といった鑑賞方略を導き出し,それを用いることで自立的に展示理解と解釈を行っていることが分かった。これは博物館研究において一般的なHooper-Greenhillの提唱する帰納的な解釈とは異なる,演繹的な解釈である。この知見から,非熟達者であっても,熟達者が展示理解・解釈の前提として持っている,展示全体の包括的なテーマ・展示意図の理解と,そこから導き出した鑑賞方略の獲得を事前に行えば,展示室で演繹的な展示理解と解釈が自立的に行えるのではないかという仮説を立て,事前学習のための学習支援方略モデルである博物館認知オリエンテーション(Cognitive Orientation of Museum : COM)モデルを提案した。COMモデルとは従来の解説に不足していた包括的テーマ・展示意図の説明と実際の鑑賞方略支援を解説することで非熟達者が不足している展示理解・解釈の前提知識を補い,自立的な展示理解・解釈の発展を支援する方略である。このモデルにしたがって学習支援を具体化していくことによって,博物館教育についての知識や経験の少ない館でも,効果的な教育ができるようになるという点で,博物館教育に一定の貢献ができると考えられる。\n 第4章ではCOMモデルにのっとったウェブ形式の教材を開発し,従来広く利用されている,作品単位の解説からなる単独解説教材と比較し,質問紙を使った量的分析と,インタビュー・自由記述ワークシートを使った質的分析から検証した結果を述べた。それぞれの教材を利用した後,被験者には鑑賞しながら自由記述のマインドマップ型ワークシートに感想・気づいたことなどを記入してもらった。そのワークシートの分析の結果,COM教材が単独解説教材よりも学習者独自の展示解釈を発展させることが明らかになった。さらに質問紙分析の結果,COM教材利用群は体験への満足度や動機付けが高いことも分かり,COM教材が博物館学習において効果的であることが示された。\n第5章では,第4章の結果を受けて,実際にCOM教材が教育実践現場でも効果があるのかをCOM教材利用群と教師の授業群との比較によって検証した。実践の場として選んだのは,小学校の社会科における博学連携(博物館と学校が協力して授業を行う)の授業である。両群の鑑賞中の自由記述マインドマップ型ワークシートを分析した結果, COM教材利用群の方が教師授業群に比べて独自の解釈や感想の出現率が高くなり,また独自で考えた概念間の関連性の出現率が高いという結果になった。第4章,第5章の結果により,COM教材が非熟達者の自立的な展示理解と解釈を支援していることが示された。\n第6章では,本研究の結果をまとめ,今後のCOMの展開として,現在進行中の実践現場でのCOMの活用の現状と今後の発展について述べた。さらにその結果から導き出した考察を今後の博物館教育の展望と重ねて論じ,本論文の結語とした。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1212号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"05 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