@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000382, author = {佐藤, 聡子 and サトウ, サトコ and SATOH, Satoko}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {いくつかの活動銀河で、中心核から強力な、メーザ放射と呼ばれるマイクロ波領域のレーザ放射が検出されており、これらはメガメーザと呼ばれている。これまでに数個のメガメーザ天体が超長基線干渉針(VLBI)で観測され、その銀河の中心核近傍数光年スケールの領域の構造や運動が観測的に明らかになってきた。それらの結果から、メガメーザ放射が中心核近傍領域の薄い回転分子円盤や中心核からのジェットに付随している例が示された。しかし、メーザはごく限られた物理状態にあるガスのみを見ていることになり、中心核領域全体の構造や運動を調べるために、他の放射の情報も同時に得て議論することが重要となってきた。我々は、水メガメーザ天体のひとつであるNGC3079が水メーザだけでなく、中心核近傍領域の連続波、中性水素原子および水酸基吸収線のVLBI観測が可能と考えられることに着目し、中心核領域の解明を行なうためにVLBI観測を行なった。  VLBI観測の結果、まず中心核の位置を二つの連続波成分のうち北西側にある連続波成分であると決定した。その手がかりは以下の通りである。まず第一は、多周波による連続波観測より得られた、コンパクトな構造および10GHz付近にピークを持つ連続波スペクトルで、低周波数側で吸収を受けたスペクトルは、光学的に厚い領域からの放射であると解釈される。中心核からの放射の特徴でもある。第二は、モニター観測により、メーザガスを基準にして顕著な運動が検出されなかったこと、第三は、新たに検出された速度幅の広い(FWHM=265km s-1)中性水素原子吸収線の位置である。この吸収線は、この連続波成分を背景にした部分のみから検出され、他の吸収線より十倍高いカラム密度(3x10 22 cm-2)が得られた。速度幅の広い中性水素原子吸収線のガスのスケールが数パーセク程度であることから、中心核近傍に付随する中性水素ガスと考えるとうまく説明できる。これらの手がかりは全て北西連続波成分が中心核であるという決定に大きく貢献する。一方、他方の連続波成分はジェットと結論づけられる。このことは、メーザガスを基準にした時の運動が中心核から相対論的速度で噴出するジェットの運動でうまく説明できることからも支持される。  次に、中性水素原子、水分子ガスの分布の説明を試みた。中心核のみに見える幅の広い中性水素原子吸収線は、中心核近傍に付随する中性水素ガスの運動で説明することが可能である。中心核周囲でガスが回転していると仮定すると、回転軸の向きは、ジェットの向き、中性水素原子吸収線の速度勾配、速度変化するメーザの位置からそれぞれ同じ向ぎが示唆され、方位角は-20~-500となる。ここで示された回転軸は銀河回転軸とはほぼ垂直である。銀河全体の回転系と中心核近傍領域の回転系とが異なることは、これまでのメガメーザの観測でも示されてきたことであり、NGC3079の観測結果はこのことが銀河にとって珍しい現象ではないことを示唆する。メーザの分布は、連続波成分と相対位置が異なることから、ジェットとは関係がないと考えられる。メーザガスの分布は方位角約100の方向に約3光年にわたっていることから、この回転は、3光年程度の厚みを持った円盤であると考えられる。これまでメガメーザの観測から示唆されてきた構造の説明例をNGC3079にも直ちに適用することは困難であり、このことは、メガメーザの構造の多様性を暗示する。, application/pdf, 総研大甲第388号}, title = {Parsec-Scale Nuclear Structure of NGC3079based on VLBI Observations}, year = {} }