@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000395, author = {秋山, 幸子 and アキヤマ, サチコ and AKIYAMA, Sachiko}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {太陽フレアのループ上空は、フレアの発生メカニズムを議論する上で非常に興味深い領域である。なぜならば「ようこう」衛星の軟X線望遠鏡によりループの上空にカスプ構造が、続いて硬X線望遠鏡の観測によりループトップ硬X線源が発見され、フレアループ上空で発生する磁気リコネクションがフレアの発生メカニズムに関与していることが強く示唆されたからである。Tsuneta(1997)は1992年1月13日に発生したフレアの解析を行い、フレアループの上空には軟X線画像からも局所的な高温領域が存在することを示した。この高温領域は約2000万度とフレアループの平均温度より1.5倍ほど高温であり、体積エミッション・メジャー(VEM)についてはフレアループよりも1桁低い10 48cm-3であった。そして高温領域はフレアの軟X線ピーク以前に発生していることから、ループ上空の高温プラズマは彩層蒸発によるフレアループプラズマとは異なり、磁気エネルギーの解放に伴い直接的に加熱されたコロナプラズマである可能性を提案した。しかしループ上空の高温部についての詳細解析はこの一例のフレアのみであること、また「ようこう」軟X線画像を用いて低輝度部分の温度を求めるにはデータの慎重な取り扱いが必要なことから、上記の推測の確証は得られていなかった。  そこで我々は、「ようこう」軟X線画像を用いて、リムで観測された141例のフレアについてループ上空の温度構造を統計的に解析した。画像から温度を求めるうえでは、特に精度を下げる原因となる、衛星の微小振動とPSEがフィルター毎に異なることから生じる散乱光成分について評価を行い 一定の精度が得られる温度画像を作成した。そして解析の結果、約4割(64例)のフレアにおいてループ上空が周囲より高温に観測されることを発見した。また高温領域の平均温度、平均VEM、平均面積はそれぞれ1500~3500万度、10 47-48cm-3、1500万km2であり、温度と面積はフレアループの値と正の相関があることが解った。さらに高温領域は、ほぼ硬X線インパルシブ期に発生し、軟X線ピーク前に最高温度に到達し後、約10分観測されていた。これらの結果はTsuneta(1997)の結果をさらに一歩進め、フレアルーブ上空のプラズマがリコネクション領域から直接的に加熱されている可能性を強く示唆するものとなった。また高温領域が観測されたフレアはされないフレアに比べて、X線強度が強く、大きさが大きく、寿命が長いという特徴をもっていた。このことから高温領域が観測されないフレアにおいても観測精度の向上に伴って高温領域が検出される可能性があることが予測され、ループ上空の高温領域は多くのフレアに共通する重要な現象であることが推測された。またフレアに関連する現象の1つとして知られる硬X線ダブルフットポイント源に注目して、高温領域との関連を調べた。その結果高温領域は常に硬X線強度が強いループ足元付近に位置していることが解かった。両足元の硬X線強度比はその場所の磁場強度比と反比例するので、高温領域は磁気圧が低くなる磁場の弱い領域に位置する傾向があることが示唆され、これはCSHKPタイプのフレアモデルから予測される結果と一致することが認められた。  最後に一般的にフレアループは見かけ上、上昇しているように観測されるが、高温領域はフレアルーブより2~5倍速く、平均15km s-1で上昇することが観測された。この速い上昇運動の原因は未解明であるが、エネルギー解放領域を考慮する上で非常に重要な情報を含んでいると推測される興味深い結果である。, application/pdf, 総研大甲第516号}, title = {Soft X-ray High-Temperature Regions above Solar Flare Loops}, year = {} }