{"created":"2023-06-20T13:20:02.240084+00:00","id":41,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"f85c70a7-4f97-42bd-9f69-0afeaebcd651"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"41","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"41"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000041","sets":["2:426:4"]},"author_link":["1383","1385","1384"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"小島, 三弘"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"1383","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"コジマ, 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コ\nンピュータの発達は、他方で、モデル・シュミレーションという方法を生みだ\nし、データに対するトップダウン的なアプローチが可能になった。\n 本論分は、そのような時代的状況のもとで、現在、どのような分析が可能か\nを林の数量化理論と人工的人工集団(artifical population)を用いたモデル\n・シュミレーションの方法を用いて示し、また、将来どのような方法が必要と\nなるかについて考察している。\n\n2.用いたデータと分析法\n\n 今回の分析には文化要素のデータべースとして、マードックが集成した全世界規模\nの民族文化のデータベース(“Ethnographic Atlas”)と東南アジアからオセア\nニア地域の文化項目データベース(『東南アジア・オセアニアにおける諸民\n族文化のデータベースの作成と分析』)との2種類のデータを用いた。前者で\nは330民族、76の文化要素を、後者からは237民族、342の文化要素\nをそれぞれ分析の対象とした。 \n 分析はこれらの各民族、各文化要素に、最も反応パターンを反映するように\n数量を与えられる数量化3類の手法を用いて、文化要素の共通性を手がかりに、民\n族や、文化要素の内部に潜む構造を調べた。 \n また、モデル・シュミレーションによる分析の例としては成人T細胞白血病\n感染者率(キャリア・レート)の関係やその経時的な変化、婚姻制度がガキャリ\nア・レートに及ぼす影響などをモデル人工集団を用いて検討した。\n\n3. 結果と考察\n\n 数量化3類 による民族文化の比較分析の結果、次のようなことが分かった。\n “Etbigraphic Atlas” のデータを分析したところ、文化要素は、 “狩猟・採\n集”、 “牧畜”、 “根菜農耕”の3つの生業形態を頂点とする三角形の中に分\n布する形となり、これら3種の生業とそれに関する文化要素の分布がもっとも\n明瞭にあらわれる違いになっていることが分かった。また、民族については、\n旧大陸の民族と新大陸の民族の違いが最初にあらわれ、\nさらに旧大陸の民族も\n農耕と牧畜、穀類栽培、 根茎類栽培の組み合わさり方によってアフリカ・ヨー\nロッパの民族からアジアを経てオセアニアの民族までの連続的な変化が明らか\nになった。\n 一方、 東南アジア・オセアニアのデータの分析では、最初に東南アジア的な\n特徴とオセアニア的な特徴が2分され、前者はさらに中国南部からマレー半島\n、インドネシアにかけての高文化的な文化要素を多く持つ民族と、その周囲に\nあって、狩猟・採集・焼畑農耕に関する文化要素を多く持つ民族に分かれた。\n 一方、 オセアニア的特徴を持つ民族は、ニューギニア・オーストラリアのグ\nループとミクロネシア・ポリネシアのグループに分かれ、前者には狩猟や採集\nに関する文化要素が多く見られ、後者には漁撈や船に関する海洋的な文化要素\nが多く見られた。\n また、両データベースから抽出された特徴は、全世界規模のデータベース(“\nEthnographic Atlas”)を分析した場合、2番目の特徴としてあられるアジア\nからオセアニアにかけての特徴が、東南アジア・オセアニアのデータベースの\n場合では最初の特徴としてあらわれ、両者はほぼ同心円的な関係になっている\nことがよく分かった。 このように、異なる2種のデータベースの分析の結果がよく\n一致することは、分析の安定性や信頼性を示すものである。\n モデル・シュミレーションによる分析では、HLTV-Iが現在まで存在し\n続けるためには従来推定されていた感染率よりもはるかに高率の感染率が必要\nであることが示され、キャリア率を比較することで往時の感染率を推定してみ\nた。 また、感染率を効率に維持するメカニズムについて考察し、このウィルス\nが現在まで残存したシナリオを考えた。\n また、将来開発されるべき方法として、データベースの構造化(リレーショ\nナル化)やマルチ・メディア化の必要性を論じ、ファジィ論理学やエキスパー\nト・システム、コンピュータ・グラフィックによる仮想現実(Virtual realit\ny)といった技術が、文化分析の領域においてもさまざまな形で応用しうる可能\n性を指摘した。\n 多変量解析とモデル・シュミレーションという2つの文化分析の例から、数\n学的な手法を用いることの利点は次の点にあるといえる。\n\n(1) 分析結果を客観的に評価できる形で示すことができる。\n\n(2) 分析の手続きが確立しているので、他者が追試を行なったり、分\n  析法やデータを変えて結果がどのように変化するか調べること\n  ができる。\n\n(3) 多量のデータを高速に分析することができる。\n\n これらの天は従来の文化人類学研究にはあまり見られなかったものであり、\n数学的アプローチが文化の研究の場においても有力な道具になりうる可能性を\n示している。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第31号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"02 比較文化学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"1991"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"KOJIMA, 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