{"created":"2023-06-20T13:20:02.304369+00:00","id":42,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"33f7d153-e49c-49a6-9fca-50deae0f91b2"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"42","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"42"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000042","sets":["2:426:4"]},"author_link":["7423","7422","7424"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"鈴木, 清史"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"スズキ, 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第2章では、シドニーにおける今日のアボリジニの概況をしめした。アボリジニの人口数は少なく、その居住地は市の全域に分散しており、移民や少数民族によくみられる集住地区をほとんどもたない。また、社会的・文化的特性としての、職種、住居、服装、習慣、宗教などは、平均的オーストラリア市民のもので、かれら自身も「白人とかわらない」という認識をもっている。 しかしながら、かれらはアボリジニであることで差別されてきたが、逆にアボリジニであることを主張し始めると、混血で白人的な外見をしているので「本物ではない」といわれる。これが都市部のアボリジニのもっともおおきな問題点であり苦悩なのである。 第3章では、まずアボリジニをめぐる社会状況の歴史的変遷をのべた。アボリジニにたいする社会環境は時代をおうごとに寛容になってきている。その時間的経緯をみるために、(1)アボリジニの都市民化が始まった1950年代に移住してきた男性、(2)社会運動がもっとも活発だった1970年代に思春期を過ごした男性、(3)1990年代の大学教育をうけているシドニー生まれの青年の3人の男性と、(4)現在白人の配偶者をもつアボリジニ女性のシドニーでの生活史をとりあげた。 その結果、1970年代以降、アボリジニであることはかくすべきものから、抵抗の根拠へとおおきく変化したことがわかった。今日では、差別観が利得を生みだす要因となり、アボリジニであると主張することが権利拡大のための武器となっている。 第4章は、アボリジナリティと文化学習について考察した。シドニーのアボリジニの考えるアボリジナリティは、従来の民族誌を中心とする研究でのべられてきたものと、あまりかわるものではなかった。大学や専門学校(ダンス・スクール)の教育内容をみると、現在も狩猟採集を基盤とする生活を営む辺境のアボリジニの生活と文化を理想化し、地域や部族の相違を無視して、その文化要素を恣意的に抽出することによってアボリジニ文化を構築している。しかも要素は絵画、音楽、舞踊などの表象的なものがほとんどで、かれらのいうアボリジニ文化は、脱コンテクスト化して実質に欠ける。そのため、辺境のアボリジニは、都市のアボリジニとその文化を虚構あるいはすくなくとも同列にあるものとみなしていない。 したがって、都市のアボリジニの文化学習運動とは、自らのアボリジナリティを確立し、認識を強化し、次世代に伝えるためにおこなっている努力であり、真の意味での文化復興ではなく、生活の実態にそった伝統の創造だといえるだろう。それにもとづいて、都市部のアボリジニは、まったくあたらしい民族集団の形成にむかっての歩みを始めていると考えられるのである。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第65号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"文化科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"02 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