@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000421, author = {坂本, 強 and サカモト, ツヨシ and SAKAMOTO, Tsuyoshi}, month = {2016-02-17}, note = {球状星団系は、銀河において最も年齢が古いことから、銀河初期や銀河形成過程を考察する際に大変重要な部ローブとなる。したがって、星団系形成されてからどのような力学進化を経て現在に到ったかを理解することにより、星団形の初期状態や銀河形成過程についても知見が得られると期待される。特に、近年すばる望遠鏡などによって高空間分解能観測が可能となり、銀河系ばかりでなく系外銀河の球状星団形についてもさまざまな観測データ(色分布、速度分布、空間分布)が集積されつつあるので、系統的に星団系進化を考察することが可能となってきた。一方、球状星団系の進化に関する理論研究として、これまで主にその質量関数の進化に重点が置かれ、多くの準解析的手法などによって調べられてきている。しかし、星団系全体の動力学構造(速度構造と空間構造)の進化に関する研究は不足しており、特に星団系は初期にどのような動力学構造をしていたのか、そしてそれは階層的銀河形勢の予言と合致しているのかどうか全く不明である。  そこで我々は、球状星団系の動力学構造と質量関数がどのように進化するかを考察し、準解析的手法によって進化過程を追跡した。過去の研究においてはその球状星団系の進化をダークハローのみを含む銀河の重力場の下で追跡していたが、われわれはダークハローのみならず、銀河円盤をも陽に考慮した軸対称ポテンシャルの銀河の下で自己矛盾なくおのおのの星団の軌道運動や質量損失を追跡している。我々は、この質量損失過程として星団内の星の進化や星同士の重力相互作用による緩和、さらに銀河重力場から星団内の星に与えられるgravitational shockを考慮し、さまざまな銀河環境下で球状星団系に様々な初期状態を採用し、その総数、質量関数、さらに動力学構造の進化を13Gyro間、追跡した。  その結果は主に次のとおりである。  (1)球状星団系の初期状態としてどのような状態を採用しても、それがどのような銀河環境におかれていても、最終的な質量関数は105M付近にピーク付近をもつGaussian-likeな形になり、それは様々な形態の銀河において現在観測されている球状星団系の質量関数とほぼ一致している。(2)離心率の大きい軌道上を運動する球状星団は銀河中心付近を通り、その際銀河重力場からうける潮汐力によって破壊されやすいので、球状星団系の最終的な速度構造は初期に比べよりtangentialに非等方になる。この非等方性は球状星団系の初期状態やそれが置かれている銀河環境に依存し、初期にradialに非等方な速度構造を持つ球状星団系が、中心集中度の高いかつ重い銀河の下でより顕著になる。(3)球状星団の生存率はその親銀河の内部環境のみならず、初期の球状星団系の動力学構造に依存している。この結果から銀河形成初期にその形態によらず同数の球状星団が形成されたとしても、その速度構造が大きく異なるために、その後、その構造に応じて星団系が進化し、その結果、銀河の形態ごと観測される球状星団の総数が異なっている可能性があることがわかった。  また、本研究で得られた球状星団の力学進化に基づき、現存する球状星団を銀河の質量決定に用いた場合、その動力学構造の進化効果はどの程度影響を与えるのか定量的に分析した。そして、現在最も精度よく球状星団の速度場が観測されている銀河系とM31に関して、我々の理論模型を適用して考察を行った。, application/pdf, 総研大甲第755号}, title = {Dynamic Evolution of a Globular Cluster System as a Probe of Galaxy Formation and Dynamics}, year = {} }