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実験装置を製作した。これにより掃引式のダイナミックレンジの優位さと測定条件の多様性
という特長を保持したまま、測定速度を向上させることができた。測定速度が向上すること
でスペクトルの検出感度も向上し、電波天文観測にも簡易な分光計としても使用可能である
ことが分かった。

(1)掃引式スペクトラム・アナライザは擬似的なフーリエ変換装置である。掃引式スペク
トラム・アナライザでは、掃引速度を高速にすると「過掃引現象(over sweep response)」が
発生し、観測結果にひずみが生じる。一般には、そのひずみの許容値を定め、それに対応し
た低速の掃引速度で使用しているのが実情である。著者は数値および実機による実験からそ
の性質を分析し、動作原理と数学モデルを明らかにした。このモデルから掃引式の過掃引現
象を厳密に議論することができた。その結果、掃引式における掃引速度がこのように制限さ
れる主たる理由は、スペクトラムを得るために、周波数掃引しながら、分解能フィルタにI
F信号を入力させていることにあることが明確になった。

(2)掃引式スペクトラム・アナライザの掃引速度の制限を軽減するには、IF信号のチャ
ープ成分を複素信号処理により相殺すればよい。著者はこの新しい手法を「Super Sweep
Method (超掃引方式)」と名づけた。その数学モデルを確立し、有限の掃引速度においても擬
似的フーリエ変換が成立することを確認した。このモデルは、観測スペクトラムが、分解能
フィルタのフーリエ変換と被測定信号のフーリエ変換の畳み込みで得られる、というもので
ある。

(3)(2)の数学モデルを検証する実験装置を考案・製作し、その詳細な実験結果を報
告した。実験装置は、既存のスペクトラム・アナライザを用い、局部発振器が掃引発振する
周波数ダウンコンバータとして活用したもので、そのIF信号出力(21.4MH-z)を80MH-z) 14bit
にてA/D変換し、デジタルダウンコンバータにより帯域幅とサンプルレートを、測定条件に
応じた所定の割合で減じたのち、複素数の係数を持つ「逆チャープ・フィルタ」によりスペ
クトラムを抽出するものである。

提案方式において掃引と同期してスペクトラムを得るには高速な演算装置が必要となる。
本方式で要求される演算速度は、分解能帯域幅と倍速率(従来の掃引式に対する掃引速度の倍
率)の二乗に比例することを解明した。
本方式を実現するには、システムに関与する多数のパラメータを整合させなくてはならな
い。特に、水平軸を測定すべき周波数と合致させるには、各処理段階におけるサンプル数を
厳密に管理しなくてはならない、著者は、これらのパラメータの最適化を計り、歪のないス
ペクトル計測を超高速の周波数掃引で実現した。
(4) 著者が製作した実験装置により、従来方式よりも3倍、10倍、30倍、100倍の掃
引速度においても過掃引現象が発生しないことを確認した。より高速な掃引を実現するに
は、より広帯域なIF信号に対して複素信号処理を施せばよいことを明らかにした。IF信号
の広帯域化に伴って高速演算が必要になるが、昨今のDSPやFPGAを用いれば十分実現は
可能であり、そのモデルを提案し将来の発展方向も示した。

(5) 著者は超過掃引方式の性質について議論し、次のよう3つの特徴を明らかにした。
1.FFT方式ではIFフィルタの周波数特性は、観測スペクトラムに対する乗算の形
で観測結果に影響を与えるのに対して、超掃引式では畳み込みの形で現れる。超掃引式で
はIFフィルタの特性は、より狭帯域な分解能フィルタの効果が支配的になり、観測結果
にほとんど影響しない。これはFFT方式に対する優位性である。
2.  著者は、既存のスペクトラム解析手法であるチャープZ変換と超掃引方式の関連を
明らかにした。超掃引方式はチャープZ変換と主要な部分を共有し、重要度の低い部分を
簡略化し、前半はアナログ、後半をデジタル信号処理で実現したものであることを明確に
した。本実験装置は、掃引式局部発振器をもつ受信機を前段に用いることでチャープZ
変換によるスペクトル分析を可能にした最初の装置である。
3. 掃引式スペクトラム・アナライザでは、ときとして内部のひずみ等によるスプリアス
が発生し、観測信号との識別が困難である。本方式では、スプリアス信号は、周波数軸上
で拡散され、かつレベルが低下した状態(過掃引現象の状態)で観測されることにより、実
際の測定信号との判別が可能となっている。これは従来の掃引式にもFFT方式にもなか
った特徴である。 

(6) 本研究の実験装置により、電波望遠鏡による水メーザー天体のスペクトトル観測を
行った。掃引式に対してスペクトル計測感度の点で格段の優位性を実証した。電波望遠鏡の
簡易な分光器としての応用も可能であることを確認した。また本方式による性能の限界と実
現可能性を考察し、より高性能な分光装置開発の可能性を検討した。
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