{"created":"2023-06-20T13:20:32.079200+00:00","id":559,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"fb106133-34a4-4474-92f5-017dcd65ab49"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"559","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"559"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000559","sets":["2:428:14"]},"author_link":["8747","8748","8749"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"川畑, 秋馬"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"8747","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"カワバタ, 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に超伝導電磁石が使用される環境-液体へリウム温度に冷却された状態<br /> における磁場特性の測定値に基づいた設計が必要である。<br />(2) さらに、超伝導電磁石では電流分布によって磁場を形成するため、超伝<br /> 導コイルの動きを数10ミクロン以下におさえる必要があり、常温から<br /> 極低温に冷却する過程及び通電時にコイルの受ける電磁力でコイルが動<br /> かないように予め大きな応力をコイルに近接するカラー及びカラーの外<br /> 側に配置される磁性鋼板製のヨークで押え込む構造にしている。このた<br /> め磁性鋼板は大きな応力を受け、磁気特性が変化することが予想される。<br />(3) 10テスラ級の超伝導電磁石では磁性鋼板による磁束密度の増加を目指<br /> すため、磁性鋼板の飽和による影響を無視できない。そのため室温で測<br /> 定できる範囲よりも高い磁界(3テスラ以上)を受けるので、広い範囲<br /> におけるB-H特性曲線の実測値が必要である。<br /><br /> このような問題点をふまえ、先ず超伝導電磁石が励磁中に経験する環境にお<br />けるB-H特性曲線の測定を行った。広い測定範囲を得るために、液体へリウ<br />ム温度で強い磁界を発生させる方法として従来の銅線の代わりに超伝導1次コ<br />イルを使用することを考案し、コイル巻き付けによってトロイダル形状の磁性<br />鋼板試料が応力を受けないようにするためにガラス繊維強化樹脂の鞘に試料を<br />おさめ、その外側に1次コイルを巻き付けることによって、試料が予定外の応<br />力を受けることを避けるとともに、従来の測定法に比べ約2倍の広い範囲にわ<br />たる磁気特性の測定を可能にした。また、超伝導電磁石の通電状態で磁性鋼板<br />に発生する応力を計算から求め、必要な応力下での磁気特性の測定法を新たに<br />考案した。それは磁性鋼板の外側に高耐力アルミウム合金のリングをはめ、液<br />体ヘリウム温度に冷却することによってアルミニウム合金が収縮し、これによ<br />る圧縮応力を利用することに着目したものである。応力計算によりアルミニウ<br />ムの機械的寸法を求め、10ミクロンの精度で加工することによって必要応力<br />を与えている。このようにして作った試料を上と同じガラス繊維強化樹脂の鞘<br />におさめ、同じ方法でB-H特性曲線の測定を行った。この新たに考案した超<br />伝導トロイダルコイル方式を用いた測定により、<br />(l) 4.2KにおいてH=20A/m~2.6MA/mの広い領域で磁性鋼<br /> 板の透磁率の測定が可能になり、透磁率の温度及び応力依存性について<br /> 系統的な測定ができた。測定により1.5テスラ付近以下では透磁率は<br /> 温度とともに減少し、それ以上では増加する。最大磁束密度は4.2K<br /> で室温より1~2%大きな値を示す。また、20N/mm<sup>2</sup>の圧縮応力と<br /> 冷却効果により透磁率の最大値が室温における値の約半分に減少するこ<br /> となどが明らかになった。<br />(2) 4.2Kにおける飽和磁化領域で利用される比透磁率の理論式μr=1+<br /> Ms/μ0Hが実験精度の範囲内で実測値に一致することを確認した。<br />(3) 測定結果に基づき超伝導電磁石の設計計算に使用するための応力ある場<br /> 合と無い場合の電磁鋼板の4.2KにおけるB-μr特性表を求めた。<br /><br /> 実測された磁気特性のデータを高磁場超伝導双極電磁石の磁場解析に反映さ<br />せ、磁場の持つ高調波成分に与える影響について検討を行った。検討対象は2<br />種類の異なる構造の超伝導双極電磁石-対口径双極電磁石及び単口径双極電磁<br />石-である。その磁場解析の結果、<br />(l) 磁性鋼板の中心磁場への寄与率を20%として磁性鋼板の位置を最適化<br /> した場合の極低温・応力下における透磁率減少による影響は、単口径超<br /> 伝導電磁石では6極成分に現れ、その大きさは2極成分に対して10<sup>-4</sup><br /> の程度である。また、対口径電磁石では4極及び6極成分に影響が現れ、<br /> その大きさは2極成分に対してそれぞれ3x10<sup>-5</sup>、1x10<sup>-4</sup>である。<br />(2) 磁性鋼板の中心磁場への寄与率を上げるために磁性鋼板をコイルに近接<br /> させれば、前項の影響は強く現れ温度及び応力による透磁率減少の影響<br /> は無視できない。<br /><br /> 以上にように本論文はシンクロトロン加速器用の超伝導電磁石における磁性<br />鋼板の磁気特性の研究を詳細に行い、この特性が磁場精度に与える影響を実際<br />の使用環境下の条件に合わせて定量的評価を行い、高性能の磁場特性を有する<br />超伝導電磁石の設計に重要な寄与を行ったものである。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第5号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"数物科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"12 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