@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000630, author = {山岡, 義和 and ヤマオカ, ヨシカズ and YAMAOKA, Yoshikazu}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {半導体電子素子の集積化および高密度化は,メモリー素子ばかりでなく信号処理を実行するシステム素子においても,近年その要求が高まっている.その際,各機能モジュール間を接続する配線は薄く細くさらに多層となるため,眉間の絶縁膜の持つ静電容量に起因する信号伝達遅延時間の増大が問題となる.このため,従来から絶縁膜として用いられてきた酸化シリコン系化合物こ代わり,より誘電率の低い材料の利用が強く求められている.半導体素子の製造プロセスにおいてフォトレジストとして使われている有機ポリマーは低誘電率の絶縁材料であり,この要求を満たすものとして,さらに,工程においてハロゲン系ガスが不要なため地球環境に適合するものとして,大いに期待されている.しかしながら,実際の製造工程,とくにプラズマエッチング工程におけるプラズマと有機ポリマーとの相互作用に関しては明らかになっていない部分が多く,反応の素過程を解明して,エッチングのプラズマ最適条件を確立することが要求されている.
 本論文では,プラズマと有機ポリマーとの反応素過程を詳しく調べるため,まず,プラズマからイオンおよび活性中性粒子をビームとして取出す装置を構築した.各種混合ガスで生成されるプラズマから取出されたビームの,中性粒子のフラックス強度,および,イオンの組成比とフラックス強度,エネルギー分布などを,質量分析器,ファラデイカップなどを用いて詳しく測定し,さらに,イオンビームの収束状態を測定し,かつシミュレーションにより確認した.これらの結果を利用して,ビームの様々な条件を精度よく制御することに成功した.
 次に,このビームを有機ポリマーに照射し,その結果表面から脱離してくる反応生成物を,雑音を低減する工夫を施した質量分析器により詳しく測定し,生成物の同定,ビーム中のイオン組成比と生成物との関連について,新しい知見を得ている.
 さらに,ビームとの反応の前後における有機ポリマーの表面状態を電子スピン共鳴法により「その場測定」し,プラズマ中のある種のイオンによりポリマーの構成元素である炭素の電子構造に変化が起きることを見い出した.
 これらの実験から,有機ポリマーのエッチングにおいては,プラズマ中の活性中性粒子よりもイオンによる反応が支配的であること,エッチング収率はあるイオン種に対して特に高くなること,さらに入射するイオンのエネルギーにより特徴的な振舞いを持つことなど,新規性の高い事実が見い出された.そして,これらは,シリコン系材料のエッチング過程とは大きく異なることが明らかにされた.したがって,シリコン系材料と有機ポリマーとを複合的に用いれば,選択性の高いエッチング工程が可能であることが示された.また,有機ポリマー中の炭素原子の電子状態の観察から,水素イオンによる炭素未結合手の形成とその後の窒素イオンとの反応という最も基本的な過程を推察することが,今回始めて可能となった., application/pdf, 総研大乙第139号}, title = {プラズマビーム照射による有機ポリマーエッチングに関する研究}, year = {} }