@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000643, author = {内藤, 孝 and ナイトウ, タカシ and NAITO, Takashi}, month = {2016-02-17}, note = {1980年代後半から進められて来た電子・陽電子衝突型加速器リニアコライダーの研究開発は2004年8月、ITRP(International Technology Recommendation Panel)の答申によって、それまで主に常伝導の加遠管を使用した方式と超伝導の加速管を使用した方式が提案されていたが、超伝導の加速管の技術を使用することが決定された。この技術方式を使用して国際協力によって世界に一つのリニアコライダー(ILC International Linear collider)を建設することをICFA(The International Committee for Future Accelerators)によって決定された。
 ILCの加速器構成の中でダンピングリング(DR)は高エネルギー実験の精度に関係するパラメーター Luminosdyを決定する上で重要な役割をになう。Luminosity増加のためには衝突粒子のEmittance(粒子の一団が位相空間中に占める面積)を小さくすることが不可欠であるが、Emittanoeの減衰はDRによって行われる。従って、DRの性能がILC加速器性能を大きく決定づける。このDRのパラメーターを決定する上で重要な問題の一つは、周長の決定である。ITRPの決定は超伝導加速管の特性を十分に活用するためにバンチ数2820(5640)、バンチ間隔308(154)nsという長いバンチトレインを加速するパラメーターを選択した。そのため、そのままではバンチトレインは300kmの長さになりダンピングリングの周長もその長さが必要になる。この様な長大な周長のDRを建設する事は現実的ではないため、ILCの設計で
はバンチトレインをDRに入射する際、バンチ間隔を圧縮し、エミッタンス減衰したビームをDRから取り出す際に再び元のバンチトレインの間隔に戻すことが考えられている。DRの周長を短くした場合、ダンピングタイムを短くする点でも有利であり、ダンピングタイムを短くするためのウイグラーマグネットの数を減らす事が出来る等の利点がある。DRの周長を制限しているのは、electron cloud やimpedace などによるInstabilityによってバンチ間隔が制限されることと、バンチトレインの中の個々のバンチごとに入射/取り出しの操作を行う特殊なキッカーの性能でる。Instabilityに関しては研究が進められており、KEKBではelectronに関しては7×1010electrons/bunchまでの電流がblawupすることなく蓄積されており、positronのelectron cloudに関してはKEKBでは6または8nsのバンチ間隔で6×1010electrons/bunch までInstabilityを抑える事に成功している。これらの結果かILC DRではpositron ring に関しては6ns、electron ringに関しては3nsまでバンチ間隔を狭め、周長6.7KmのDRが想定されている。
 これに対しキッカーの開発に関しては、いくつかのproposalがなされているだけであり、実現に向けた実験デ一タはほとんど示されていない。現在設計が進められている周長6.7KmのDRでは、バンチ間隔〜3nsの時間内に、ビーム軌道を変えるための電磁場を変化させなければならない。このキッカーのパラメーターは、既存の蓄積リングで使われているキッカーシステムの技術の延長では実現することが不可能であり、全く新しい方式のキッカーを開発する必要がある。
 本研究では、ストリップライン電極に高速のパルスを印加することよって生成される電磁場によってビームをキックする、ストリップラインキッカーを提唱し開発を行った。ストリップラインは、ビームモニタやビーム振動の抑制等に使われているが、ビーム軌道の変更に使われた例はあまりない。また、ILCパラメーターの様な高速の特性に関する測定がなされた例はない。ストリッブラインキッカーの時間応答は、ストリップライン電極の長さとパルス電源の特性に依存するが、現存するパルス電源の性能ではILCのパラメーターを十分満たす時間特性を得る事が灘しく、時間特性をさらに改善する必要がある。ストリップラインキッカーの時間特性を改善するためにwaveform compensatorを提唱し、評価実験を行った。waveform compensatorを使用する事に依ってILCのパラメーターを十分満たす時間特性が得られたことを確認し、waveimmaの有用性を実証することに成功した。, 総研大甲第1037号}, title = {ストリップライン電極を用いた高速キッカーシステムの開発}, year = {} }