@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000760, author = {島谷, 健一郎 and シマタニ, ケンイチロウ and SHIMATANI, Kenichiro}, month = {2016-02-17}, note = {論文は5章からなる。第1章は集団遺伝学や分子生態学の研究に初めて著者によって導入されたマーク付き空間点過程の統計的方法に関するものである。これにより個体の空間分布とその上の遺伝子分布を同時に扱う事が可能になった。従来、種子散布が狭い範囲に限られる事で遺伝構造が形成され、それは一方的に強められて行くと信じられていたが、場合によっては弱められることもある事が示され、定説を翻した。さらに実データに点過程モデルのパラメータを適合推定する事で、直接には計測が困難な過去の親集団の密度や種子散布の推定値を求めることを可能にした。
 第2章では、join-count statistics, spatial auto-correlation (Moran's I statistics), the number of alleles in common (NAC)などの計算・吟味によって、それらが異なる遺伝構造を示した場合に従来議論が紛糾・停止しがちであったものを、点過程の枠組みで統一的に定式化し、遺伝子分布パターンを表す統計量の包括的な取り扱いとより適切な生物学的解釈を可能にしたことが論じられている。
 第3章では、群集レベルのみ計算されてきた種多様性指数に空間スケールを組み込ませた。群集によっては、それ全体の多様性と各空間スケールで異なる多様性の評価を受ける場合もあることを実例で示し、また複数種の共存パターンの定量的記述にもなっている。
 第4章では種間差異を取り入れた種多様性指数を数学的に整理・発展させた。種間差異取り入れの有無によって異なる多様性指数が対立する多様性評価を与えた場合、従来はどちらの指数が優れているかに議論が終始していたが、これにより、なぜ種間差異の有無が異なる多様性評価を招いたのかが検証可能になり、群集構造を明らかにできる事になった。また種間差異の定義によっては、新しい種が群集に加わると種多様性指数が減少するという好ましからぬ事態を招く。これと同様な事が、遺伝的多様性指数として広く使われている塩基多様度についてもあてはまる事を示している。
 そして第5章では遺伝的多様団指数として用いられている塩基多様度について、新しい知見を述べている。いずれの章の内容も、すてに査読付き国際的学術誌に掲載されたものである。, 総研大乙第121号}, title = {Spatial point pattern,point processes and biodiversity for plant communities and populations}, year = {} }