@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000798, author = {藤田, 裕一 and フジタ, ユウイチ and FUJITA, Yuiti}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {本論文では,オーロラ帯の昭和-アイスランド共役観測点のイメージングリオメータ対(SIRACEシステム)でのCNA現象の観測,および磁気圏静止軌道上での粒子観測に基づき,CNAの発生機構についての考察を行う.また,年間を通じたCNA出現緯度の南北比較によって得られた,夜間における共役点緯度の季節変化特性についても述べる.電離層-磁気圏,電離層(北半球)-電離層(南半球)の観測点で構成された共役対での観測データを利用することにより,これらの研究は行われた.
 まず第1章で,過去の共役現象に関する研究をさまざまな視点から概観し,本研究の歴史的な位置づけを行う.ここで本論文における共役性に関連する用語を定義する.
 次の第2章では,オーロラ帯でのCNA現象の性質について,SIRACEシステムで観測された現象例によって説明する.また,電離層における吸収量を,IRI95電離圏モデル,ロケット観測による電子密度と電子温度,およびMSISE90大気モデルを使用して計算する.次いで,観測装置としてのリオメータの開発経過,および現在の開発動向について,特に空間分解能の向上と観測範囲の拡大に重点を置いて述べる.
 第3章では,SIRACEシステム,およびSIRACEシステムによって取得された昭和基地およびアイスランド観測点での電離層吸収画像データの処理手順について述べる.
 第4章では,午前側でしばしば観測されるドリフトCNA現象の発生と磁気圏プラズマの比較研究を示す.従来の研究では,このCNA現象は,磁気圏コールドプラズマの空間構造を反映した波動-粒子相互作用領域から降下してくる高エネルギー電子によって生じる,と推測されていた.しかしこれまで,磁気圏でのプラズマ観測との比較は行われてこなかった.本研究では,1993年に昭和とアイスランドを通る磁力線の近傍に移動したLANL1990-095静止衛星のプラズマ観測データを使用し,地上のドリフトCNA現象と磁気圏低エネルギープラズマの比較をはじめて行った.比較の結果,低エネルギープラズマ密度が低い場合には高エネルギー電子束の増大にともなうCNAが見られない例があること,低エネルギープラズマ密度および高エネルギー電子束の変動によってCNAの変動を説明できる例があることが示された.これらの現象は,ドリフトCNAの発生は磁気圏低エネルギープラズマによる制御を受けている,という従来の仮説を支持している.ただし,本研究では低エネルギープラズマ観測に与える衛星電位の影響を考慮していないので,今後この点について検討する必要がある.
 第5章では,真夜中付近(21-24MLT)でオーロラブレークアップにともなって観測されるPECB(Poleward Expanding CNA Band)現象の出現緯度の統計的特性を示す.1992年2月から1993年12月の期間の統計解析の結果,北半球側に投影された昭和の共役点は,6月頃に最も低緯度側に,12月頃に最も高緯度側に変位すること,変位幅は平均地磁気活動度Kp=4に対して約200kmであることが示された.この季節変化特性は,IGRF-1995モデルおよびTsyganenko-1989モデルを用いた計算結果とよく一致した.また,PECB現象の極方向への伝播速度には共役点間で差が見られ,昭和側の方がアイスランド側よりも平均15%高速であることが示された.従来のオーロラ観測によってこの違いは見出されていたが,統計的な取り扱いはなされてこなかった.本研究の結果は,この違いが統計的に有意であることを示している.
 最後に第6章で,本研究全体の結果,問題点および将来の展望についてまとめる., application/pdf, 総研大甲第352号}, title = {イメージングリオメータを用いたオーロラ関連現象の 共役性の研究}, year = {} }