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度を知ることが重要である。これらのパラメータについて、人工衛星搭載の合成開口レー
ダ(Synthetic Aperture Radar : SAR と略す)から得られるデータを用いた干渉SAR解析
(Interferometric SAR : InSARと略す)が有効であることが知られつつある。InSARでは、
棚氷の海洋潮汐による上下動を利用したgrounding line の抽出や、氷床DEMの作成、氷床
流動の解析などが可能である。本研究では、これまで試行的には行われてきたInSARによ
るgrounding lineの同定を南極大陸の広い範囲について行い、
広域にわたり不確定であったgrounding lineの抽出を実施した。またあわせてInSARによる
高精度高分解能氷床表面地形の把握とその評価を実施した。
 Groundinglineの抽出は、東南極域25°W-40°Eの範囲及び西南極域85°W-165°W
の範囲で実施した。これらの地域はいずれも大陸縁辺部に沿って2000km以上にわたり棚氷
が分布している領域である。同一地域において観測時間が24時間異なる2つのSARデータ
(タンデムデータ)を用いた干渉処理によりInSAR画像を作成した。InSAR画像には、
RAMP(Radarsat Antarctic Mapping Project)画像と呼ばれる地理情報を持っ画像データセット
を介して地理情報を与えた。その結果、InSAR画像から抽出されたgrounding lineにも地理
情報が付加されている。使用している座標系はWGS-84系で、WGS-84基準楕円体上の緯度・
経度をPolar Stereographic投影(Standard Parallel 71°S)で地理情報を与えた。
 既存のgrounding lineデータとして存在するものにはADD(Antarctic Digital Database)
がある。しかし、ADDに描かれているgrounding lineの情報には多くの誤りや不足があるこ
とが知られている。東南極域 / 西南極域の両方でみられたInSARとADDのgrounding line の違いには、地理的な空間位置のずれ及び形状の不一致がある。位置ずれの空間分布には
系統性がなく、ランダムであった。その理由としては、ADDに反映されている地図情報が
部分的に30年以上昔の観測結果を利用しておりその位置の精度に問題があるものと、新し
い(精度の高い)観測結果を用いているものが混在してしまい、その結果地理的な網が歪
んでしまったことが一因として考えられる。InSARによる結果には、1997年観測のRAMP
画像を基準として地理情報を与えており、RAMP画像のノミナルな幾何的誤差は±200mと
されていることから、こうした誤差は起こりえない。ADD-lnSAR間のgrounding lineの具体
的なずれの量は、東南極・昭和基地周辺域ではRiiser-Larsen半島付近で約5000m、Padda島、Sallen付近で1200mを示した。その一方で、Neumayer基地周辺(10°W)では200m未満の良い一致を示していた。西南極域においてもこうしたランダムな位置ずれは起きており、ず
れ量はSiple島(125°W)近辺では約6000m西向きへ、Pine island coast沿いのKing半島
(102°W30')付近で東向きへ7100mと非常に大きなずれ値を示した。
 また、InSARによるgrounding lineはADDによるそれと比べて、各地域の微細な海
陸境界の形状を反映していることがわかった。これは、InSARによるgrounding lineの抽出
が棚氷と氷床の境目を棚氷の潮汐変動に伴う衛星方向視線ベクトルの変化で検出するとい
うgrounding lineの定義に対して本質的な観測原理であるのに対して、ADDによるgrounding
lineの抽出方法が主にLandsat衛星画像の判読により行われていることに起因する。例示す
ると,ADDでは東南極のLazarevisen地域(70°00'S,14°30'E)の中央部において、grounding line が半島状に描かれており、またこの地域のLandsat画像やSAR強度画像をみても、半島が存在しているようにみえる。しかしInSAR解析により、実際にはこの形状は南極大陸から分離した3つの小さな島の集合であることがわかった。つまり、grounding lineの判読にはSAR強度画像、あるいは光学センサ画像のみを利用するのでは不十分であり、InSARによる情報の重要性が改めて確認されたといえる。また、Bear半島(74°S35',111°WOO')はADDにおいては「半島」の扱いであったが、InSAR画像の判読結果よりここも「島」であることがわかった。
 その一方で、grounding lineの抽出がうまくいかない領域が存在した。Robertskollen
(71°30'S,3°15'W)付近では、grounding lineを判読することが難しかった。その理由として
は、氷流や急峻地形などの複雑な地理的条件によるフリンジの重なりや、潮汐振幅の小さ
さが関係していると予想される。このような領域では、潮汐振幅の大きいSARデータペア
を用いるか、あるいはDifferential InSARにより地形縞や流動縞の影響を取り除いた上で
grounding lineの抽出を行う必要がある。
 InSARを用いた氷床表面地形の解析は、Prinsesse Ragnhild Kyst地域(70°30'S,
24°00'E)とBreivika(70°S15',24°E10')南部について実施した。InSAR単独でDEMを作成し
た場合、データの空間密度は高いが、高さの値の精度に難がある。一方、近年レーザー高
度計と呼ばれる衛星を用いた高度の測定が行われている。レーザー高度計は、空間的な観
測密度は低いものの、高さ方向の精度は公称約14cmと非常に高い。そこで、ICESat / GLAS
と呼ばれるレーザー高度計のデータを真値とし、InSARによるDEMの誤差をそれを用いて
補正する処理を行い、高精度InSAR DEMを作成し、地上データを用いてその結果の検証、
評価を行った。InSAR DEM単独ではGLASの楕円体高に対してそれぞれRMSでPrinsesse
Ragnhild Kyst地域で±168.7m、Breivika南部地域で±284.Omの誤差があったが、それが補正後にはそれぞれ士31.Om、±32.6mまで改善することが可能であった。これらの結果より、いずれの場合においても、RMSで誤差量を一桁改善することが可能であった。なおBreivika 南部では、JARE(Japanese Antarctic Research Expedition:日本南極地域観測隊)28次隊により取得されたGPS観測点高度との比較を行った。その結果、補正後InSAR DEMとGPS高度間の差はRMSで±39.5mとなり、本研究で提案した補正手法が良好に機能していることが確認できた。以上の結果より、本研究で提案した手法は現地観測によるGCPが不要であり、かつ実用的なDEMが場所を選ばずに作成できるいう優れた利点を持っているといえる。
 以上に示したように、InSARを用いたgrounding lineや氷床表面地形の把握は事例研
究から実利用の領域に達している。今後、ALOS等の洗練された高性能SAR衛星データを
用いることにより、さらに地球環境計測に貢献できるより精度良い南極域の地理情報の作
成が可能になるであろう。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1045号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"複合科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"16 極域科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2006"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"YAMANOKUCHI, Tsutomu","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"甲1045_要旨.pdf","filesize":[{"value":"349.4 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/832/files/甲1045_要旨.pdf"},"version_id":"01e7c1e9-5c60-4b8d-8fde-3874db63cf7d"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"In SARを用いた南極域における接地線と氷床表面形態の決定に関する基礎研究","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"In SARを用いた南極域における接地線と氷床表面形態の決定に関する基礎研究"}]},"item_type_id":"1","owner":"1","path":["18"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2010-02-22"},"publish_date":"2010-02-22","publish_status":"0","recid":"832","relation_version_is_last":true,"title":["In SARを用いた南極域における接地線と氷床表面形態の決定に関する基礎研究"],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":1},"updated":"2023-06-20T15:59:40.766737+00:00"}