{"created":"2023-06-20T13:20:46.971051+00:00","id":833,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"47ccfdce-94d1-4770-87b9-045783691bb3"},"_deposit":{"created_by":1,"id":"833","owners":[1],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"833"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ir.soken.ac.jp:00000833","sets":["2:429:18"]},"author_link":["0","0","0"],"item_1_creator_2":{"attribute_name":"著者名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"鈴木, 香寿恵"}],"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"0","nameIdentifierScheme":"WEKO"}]}]},"item_1_creator_3":{"attribute_name":"フリガナ","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"スズキ, 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本研究は日本の観測拠点のうち、長期間観測データが蓄積されている沿岸部の昭<br />和基地と、氷床コア掘削地点である内陸部のドームふじ基地を例にとり、それぞれ<br />に到達する大気輸送経路の特徴を調べ、さらに降雪時の水蒸気輸送経路の推定を<br />行った。本研究の特色は、沿岸部と内陸部での大気輸送の違いに着目した点と、地<br />上気象観測データを用いた降雪時の選別手法にある。大気輸送経路の算出にはNIPR<br />流跡線モデルを用い、ECMWF現業解析データとERA-40再解析データを入力データ<br />とした。気象観測データは天気概況による雲量、現在天気とレーウィンゾンデによ<br />る温度、気圧、相対湿度を用い、それぞれ天候データと可降水量を算出した。ま<br />た、昭和基地については対流圏中層と下層による違いについても調べ、中層の代表<br />として500hPa、下層は850hPaに到達する空気塊について調べた。ドームふじ基地<br />については500hPaへの大気輸送について調べた。<br /><br /> まず南極沿岸域への大気輸送を明らかにするため、1997年の昭和基地に到達す<br />る空気塊について、対流圏中層と下層における輸送の特長や季節変化について調べ<br />た。対流圏中層へ到達する空気塊は大半が大西洋上を移動していた。輸送経路長は1<br />月に極小があり、その後ゆるやかに増加して冬季に最長となり、夏季にまた短く<br />なっていた。1月には、多くの空気塊は鉛直方向に移動しないが、インド洋上の対流<br />圏下層を通過して中緯度側から到達する空気塊も見られた。冬季にはほとんどの空<br />気塊は中緯度側から対流圏下層を通過して到達していた。対流圏下層へ到達する空<br />気塊は1年を通じて、東沿岸や南極内陸部から、大陸表面に沿って下降流となり内陸<br />側から到達する空気塊がほとんどであり、夏季は東側の大陸沿岸からの数が多く<br />なっていた。対流圏中層ではほとんどが大西洋側から大気が輸送されていたのに対<br />し、対流圏下層では中層と比べて輸送される場合が減っていた。<br /><br /> 昭和基地周辺において対流圏下層には準定常的に低圧部が存在している事から、<br />東からの大気輸送が卓越していた。対流圏中層では、下層と同じ状況は夏季にみら<br />れ、同時期では大陸やインド洋側からの大気輸送が多くなっていた。対流圏中層と<br />下層において大気輸送経路の違いは、背景となる大気循環場の季節変化に伴って生<br />じていた。<br /><br /> 次に、対流圏大気の南極氷床への輸送経路および起源の季節変化について、沿岸<br />部と内陸部、また沿岸部における対流圏の中層と下層での違いを明らかにするた<br />め、5日前の空気塊の位置を起源として、海領域ごとの季節変化を調べた。昭和基地<br />上空500hPaに到達する一年通じて空気塊は海起源が約8割を占め、大陸起源は2割と<br />なっていた。海起源の中では、中緯度から偏西風帯を横切る際に上昇し、その後大<br />西洋上を南東方向へ移動する大西洋起源の空気塊が約7割となっていた。太平洋側か<br />ら偏西風帯域を東向きに長距離輸送される空気塊は、高度方向の運動は少なく、イ<br />ンド洋側から移動してきて大陸沿岸近くで急激に上昇した空気塊は、沿岸伝いに西<br />向きに輸送されていた。昭和基地上空850hPaへ到達する空気塊は、海起源と陸起源<br />の割合はほぼ等しく、中層に到達する空気塊よりもインド洋側・内陸側から西向き<br />の輸送が多くなっていた。対流圏中層では下層の約2倍の速度で風が吹いているた<br />め、長距離を輸送された経路が比較的多くみられたが、下層ではほとんどみられな<br />かった。<br /><br /> ドームふじ基地上空500hPaへ到達する空気塊の経路には、海起源と陸起源の割合<br />は昭和基地の対流圏下層と同様に半々であるが季節変化がみられた。夏季は大陸を<br />覆う高気圧に影響を受け内陸起源が優勢となるが、冬季には総観規模擾乱などによ<br />る大気の流入が増加する事で海起源が優勢となっている。大西洋、インド洋側から<br />偏西風帯を横切る際に上昇し、その後も内陸部へ上昇しながら到達する空気塊と、<br />ロス海側から南極点付近を通過して、中層域から下降して到達している空気塊がみら<br />れた。<br /><br /> 昭和基地へ東向きに海上から大気が輸送されるのは、昭和基地の西側に低圧部が<br />ある場合であり、西向きに沿岸伝いに下降して大気が輸送されるのは昭和基地付近<br />に高圧部、インド洋側に低圧部が発達する場合であった。ドームふじ基地へ大西洋<br />およびインド洋上から大気が輸送される場合は、ドームふじ基地周辺が高圧部と<br />なっている場合であった。太平洋上から南極点側を通過する大気の流入や南極氷床<br />上からの大気が輸送されるときは、ドームふじ基地周辺が低圧領域になって北西方<br />向へ大気が輸送される状況になっていた。<br /><br /> さらに、地上気象観測データを用いて天候ごとの対流圏中層・下層における大気<br />輸送経路の特徴を調べ、水蒸気輸送の推定を行った。天候別に平均した可降水量の<br />季節変化は、全ての天候において気温に依存していた。その値は降雪時に全体の平<br />均値よりも高く、快晴時の約2倍になっていた。降雪時には昭和基地周辺に水蒸気を<br />多く含んだ大気が輸送されていることが示された。<br /><br /> 降雪時、水蒸気が多く含まれる大気が大西洋上の偏西風帯からプラネタリー波の<br />蛇行によって転向され、到達直前に上昇して直接昭和基地に輸送されていた。曇天の<br />場合においては、降雪時と同様に海上起源の輸送が多いが、直接昭和基地へ到達す<br />るのは対流圏中層の冬季に限ったものであり、到達2日前付近で緩やかな上昇をして<br />到達していた。曇天の場合の対流圏下層と、快晴・晴天の場合の対流圏中層におけ<br />る大気輸送の特徴には、大陸上に一旦侵入してから昭和基地へ到達する傾向がみら<br />れた。快晴・晴天の対流圏下層の空気塊は、海上からの流入は少なく、沿岸部を西<br />向きに地形に沿って移動していたが、全体的に輸送距離が短かった。水蒸気を多く<br />含む大気は、偏西風帯から蛇行して輸送され直接昭和基地へ到達しており、総観規<br />模擾乱に伴う移流によるものであると考えられた。<br /><br /> ドームふじ基地における降雪時の大気輸送経路の特徴は、プラネタリー波の蛇行<br />によって生じたドームふじ基地の上空に侵入したリッジと西側に発達したトラフに<br />より、水蒸気を多く含んだ大気が内陸部まで直接流入していた。また、ウェッデル<br />海側からも大気が流入しやすい状況になっていた。平均的な比湿の値は他の天候の2<br />倍程度になっており、中緯度側から水蒸気を多く含んだ大気が到達していた。降雪<br />時以外の天候の場合の大気輸送経路は、輸送経路によらず比湿の値は小さいまま<br />ドームふじ基地に到達していた。<br /><br /> 沿岸部の昭和基地では一定方向からの大気輸送が卓越している故、天候によって<br />輸送経路の特徴が明確であるのに対し、内陸部のドームふじ基地においては様々な<br />方向から大気輸送がされており、天候による大気輸送経路別の起源や到達する方向<br />の特徴は明確には得られなかった。そこで積雪量の多い降雪をもたらす大気輸送経<br />路について着目し、内陸氷床を涵養する総観規模擾乱の輸送経路の特徴を得る試み<br />を行った。<br /><br /> 1997年のドームふじ基地における現地気象観測データおよび雪尺データから特に<br />降雪量が多いブリザード時を選別し、その大気輸送経路の特徴について調べた。水<br />平輸送経路はほとんどが大西洋上を大きく蛇行しており、風向を変えてドーム基地<br />のある内陸部へ侵入していた。到達2日前には50°Sから60°Sの間に収束し、その後1<br />日ごと、緯度にして約10度程度移動しており、1日前では2000m以下の対流圏下層<br />部にあった大気が1日で2000m以上上昇する様子がみられ、到着直前まで空気塊は<br />比較的水蒸気を多く含んでいた。中緯度側から気温の高い大気が偏西風帯を通過し<br />て発達した総観規模擾乱により移流され、大陸上へ短時間で侵入することで、内陸<br />部に降雪をもたらすことが示された。本研究の結果は1997年のみに限っているた<br />め、一般性については言及できないが、ドームふじ:基地周辺の涵養に影響を与える<br />水蒸気輸送経路の一片を示すことが出来たと考えられた。<br /><br /> 本研究では1990年から1999年における客観解析気象データを用いた大気輸送経路<br />について、南極沿岸部と内陸部における違いについて調べ、さらに降雪時の大気輸<br />送経路から降雪中の水蒸気起源の推定を行った。南極氷床を酒養する積雪は、沿岸<br />部には主に低気圧性の擾乱によって、内陸部には高気圧性の擾乱が侵入することに<br />よってもたらされてることに着目し、その水蒸気輸送経路と起源を推定する試みが<br />された。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大甲第1046号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"複合科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"16 極域科学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2006"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"SUZUKI, 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