@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000873, author = {山中, 秀夫 and ヤマナカ, ヒデオ and YAMANAKA, Hideo}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {この論文は、和古書の総合目録構築について総合的な研究を行ったものである。
和古書とよばれる日本の近代化以前の出版物は、世界史的に見ても中国、ヨーロッパと比肩する量と広がりを持っており、文化的にも貴重な財産である。また、文学等の研究者にとっては、直接資料として必須のものである。しかしながら、その総合目録を構築するという観点で正面から取り組んで行った研究はこれまでなかった。図書館における目録の作成は、最近20年ほどの間に、印刷または手書きのカードから、書誌ユティリティとよばれる情報システムを利用したデータベース作成へと大きく変化している。この中で、和古書の目録については、データベース化以前の1963年から1976年にかけて出版された「国書総合目録」、これを受け継いで国文学研究資料館がデータベース化を行ってきた「日本古典籍総合目録」があるが、基本的に、手作業で作成された冊子体の目録を集めて編集責任部署が編集を行うという方式であり、この方式をこのまま進めるだけでは真の総合目録としては完成しないのではないかという疑問が、背景の1つである。また、近年のいわゆる「電子図書館」等のサービスの中で、和古書をディジタル化してサービスすることも多く行われるようになってきている。しかしながら、これらのディジタルリソースには、メタデータが全く付与されていなかったり、あるいは和古書の目録としては不十分なメタデータのみしか付与されていない、などの理由で、利用者がリソースを見つけ出すのが困難な状況である。こういった現代の環境で、和古書の総合目録を構築するための方策を考究したのは、本論文が初めてである。

 論文は、こういった時代背景、和古書の目録の歴史、和古書の書誌的な特徴についての導入の後、総合目録の評価軸の検討を行っている。その結果として、網羅性と識別性という2つの機能をとりあげ、この評価軸を中心として総合目録の構築方法の検討を進めている。特に、網羅性の観点では、国内外でこれまでに作成されてきた古典籍の総合目録における構築方法を詳細に検討し、また、これまでに提案された構築方法も加えて6つの類型を考案し、網羅性を確保するためには、それらの内、協同分担目録型に一部短期集中訪問型を併用する方式がもっとも効果的であると結論している。識別性の観点では、目録における識別機能を検討した後、和古書における識別機能は、従来のデータモデルではおさまりきれない機能が要求されていることを論証している。そのうえで、和古書にとっての識別性を確保するための書誌レコードの要件を検討し、情報源の規定、刊写の別、書誌的巻数、版に関する事項ならびに著作典拠コント目一ルについて、目録規則や実務規定の中で、対応する必要があること、またその方法についての提言を行っている。さらに、識別性を確保するためにこれまでのテキストデータのみでなく、情報源のイメージデータをも書誌レコードの中に記録することを提言し、このための技術的検討も行っている。, application/pdf, 総研大甲第1158号}, title = {現代の情報環境における和古書総合目録構築に関わる研究}, year = {} }