@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000882, author = {高柳, 淳 and タカヤナギ, アツシ and TAKAYANAGI, Atsushi}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {チミジル酸合成酵素(thymidylate synthase,略称TS)は、DNA合成に
必要な前駆体dTMPをde novoで合成する、細胞の増殖に必須な酵素の一
つである。ヒト正常2倍体繊維芽細胞内でのTSの発現は、細胞を低血清培地
中で休止期に同調するとTSmRNA量、酵素活性ともに非常に低い値を示す
が、次に血清を加えて増殖期に誘導した場合、DNA合成開始に先だって両者
とも急激に増加し休止期の20倍近くまで達する。ヒトTS遺伝子は7つのエク
ソンと6つのイントロンより構成され、他の増殖関連遺伝子と同様に、プロモ
ータ一領域は、GC含量が高くCAAT box、TATA boxが見あたらず、
転写開始点も複数存在する。
 本論文申請者は、ヒトTS遺伝子の細胞周期の進行に伴った発現制御の機構
を解明することを最終目標として、遺伝子上のそのような発現制御に関わる領
域を同定することを試みた。そのために、ヒトTS遺伝子から5’上流プロモ
ータ一領域やイントロンを欠く各種ミニ遺伝子を作製し、ラット3Y1TS欠
損株(3Y1TS-6)に導入し、得られた形質転換体でのヒトTS遺伝子の
発現を調べた。G0期からS期に進行するときのヒトTSmRNA量およびT
S酵素活性量の増殖に相関した正常な調節には、TS遺伝子の5’上流域とイ
ントロン1の両者が同時に必要であることが判明した。ところが、各形質転換
細胞より核を単離し、nuclear run-on解析を行い転写活性の変化を調べたと
ころ、どのミニ遺伝子においてもG0期、S期に関わらず一定速度で転写され
ていることが明らかになった。さらに、actinomycin Dを用いた追跡実験から、
G0期とS期においてTSmRNAの半減期には差はなかった。これらの観察
から、申請者は、TS遺伝子の5’上流域とイントロン1によるmRNA量の
調節は、一次転写産物から成熟mRNAに加工される間に行われることを示唆
した。, application/pdf, 総研大甲第21号}, title = {ヒト・チミジル酸合成酵素遺伝子の細胞周期に依存した発現制御機構のミニ遺伝子を用いた解析}, year = {} }