@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000888, author = {大羽, 玲子 and オオバ, レイコ and OHBA, Reiko}, month = {2016-02-17, 2016-02-17}, note = {真核生物のクロマチンDNAは互いに独立なトポロジーをとりうる多数のル
ープ状の構造を形成している。こうしたクロマチンのループ構造は、ゲノム
内の異なる領域を種々の程度に超らせん化することを可能にしており、それ
によって転写が調節を受けていると考えられる。この考えを検証するため、
私は、いろいろなトポロジーをもつDNAからin vitroでヌクレオソームを再構
成し、その転写活性を調べ、以下の結果を得た。
 (1) アデノウイルス後期主要プロモーターDNA上にヌクレオソームを形
成させるとRNAポリメラーゼIIによる転写開始が阻害された。
 (2) ヌクレオソーム形成に先立ち転写開始複合体をプロモーター領域に
形成させておくと、ヌクレオソームを形成したDNAを鋳型として転写が進行
した。
 (3) 転写開始複合体の形成とヌクレオソームの形成を競合させると、線
状DNAと弛緩型環状DNAではプロモーター領域へのヌクレオソーム形成によ
り転写が阻害された。一方、適度に超らせん化したDNA(超らせん化密度
-0.036)では、プロモーター領域でのヌクレオソームの形成に先行して速や
かに転写開始複合体の形成が起こり、転写が進行した。
 (4) ショウジョウバエHSP70プロモーターDNA上にヌクレオソームを形
成させるとRNAポリメラーゼIIによる転写開始が阻害された。
 (5) ヌクレオソーム形成に先立ち転写開始複合体をプロモーター領域に
形成させておくと、HSP70プロモーターDNAにおいてもヌクレオソームを形
成したDNAを鋳型として転写が進行した。
 (6) 転写開始複合体の形成とヌクレオソームの形成を競合させると、
HSP70プロモーターDNAでは、線状DNA、弛緩型環状DNA、超らせん化した
DNAのいずれにおいてもプロモーター領域でのヌクレオソームの形成に先行
して速やかに転写開始複合体の形成が起こり、転写が進行した。
 (7) H1ヒストンを除いたヒストンをヌクレオソーム形成に用いてもHIヒ
ストンを含むヒストンを用いた場合と同様の結果が得られた。
 (8) アセチル化ヒストンをヌクレオソーム形成に用いても普通のヒスト
ンを用いた場合と同様、ヌクレオソーム形成によって転写開始が阻害された。
 これらの結果は活性クロマチンドメインの形成にDNAの超らせんが重要な
役割を果している遺伝子とそうでない遺伝子が存在することを示唆している。, 総研大甲第62号}, title = {活性クロマチンドメインの in vitro 再構成}, year = {} }