@misc{oai:ir.soken.ac.jp:00000936, author = {劉, 慶信 and リュウ, ケイシン and LIU, Qingxin}, month = {2016-02-17}, note = {ショウジョウバエのFTZ-F1は形態形成に関わるfushi tarazu (ftz)遺伝子の発現調節領域に塩基配列特異的に結合し、ftz遺伝子の発現をポジティブに制御する転写因子である。一方、カイコからFTZ-F1に相当する因子BmFTZ-F1もクローニングされた。in vitro転写系を用いた解析からBmFTZ-F1による転写活性化には、BmFTZ-F1と基本転写因子の間を仲介する2つのコアクチベーターMBF1とMBF2が必要なことが示された。MBF2とMBF1はへテロダイマーを形成し、DNAに直接には結合しない。MBF1はMBF2、BmFTZ-F1とTATAボックス結合蛋白質TBPと相互作用し、BmFTZ-F1のDNAへの結合を安定化する。また、MBF2はTF II Aのβサブユニットと結合することによって転写を活性化する。こうして、FTZ-F1結合配列に特異的な転写活性化が起きる。MBF1は酵母からヒトまで保存されていたが、MBF2はカイコからクローニングされcDNAの配列にもとづいて、データーペースで検索しても、ホモログを見つけることはできなかった。MBF2蛋自分子中で配列が保存されている領域を鑑定するために、私はクワコととマ蚕のMBF2遺伝子をクローニングした。クヮコとカイコのMBF2のアミノ酸のホモロジーは98%であるが、ヒマ蚕とカイコのMBF2のアミノ酸のホモロジーは50%しかない。カイコ、クヮコとヒマ蚕のMBF2分子中で4つの領域が保存されていた。これら保存領域のうち2つは、MBF2と II 川八の相互作用に必要であることが示されているMBF2の中央領域内に存在する。
 MBF2の生体内での機能を明らかにする端緒として、カイコ発育におけるMBF2の発現と局在を解析した。まず、カイコの胚におけるMBF2の発現をウェスタンブロッティングにより解析したところ、MBF2は未受精卵がら点青期(stage 26)にかけて存しているが、靜化直前(stage 30)に消失した。MBF2、MBF1とBmFTZ-F1を同時に発現している胚(stage 22)を用いた抗体染色がら、MBF2、MBF1とBmFTZ-F1は胚の神経細胞もしくはその近傍の細胞で発現していることが明らかとなった。
 カイコの幼虫期における、ノーザンブロットハイブリダイゼーションとウェスタンブロッティング法によって、MBF2発現を調べた。その結果、脂肪体と気管には発現していなかった。絹糸腺では、MBF2 mRNAはconstitutiveに発現しているが、MBF2蛋白質は各齢の途中から脱皮直前のD3期まで見られ、その後消失し、5齢の2日、3日にまた見られ、その後消失した。この間を抗体染色で追跡したところ、各齢途中からIX期までは細胞質に存在するが、D3期にのみ核に局在することが明らかとなった。MBF1のmRNAと蛋白質はすべての時期に発現していた。抗体組織染色から、MBF1はD3期にのみ核に局在し、D3期以外の時期に細胞質に存在した。BmFTZ-F1のmRNAと蛋白質はD3期から5齢2日まで発現していた。抗体染色によりBmFTZ-F1蛋白質は核内に存在し、MBF2、MBF1とBmFTZ-F1はD3期にのみ核に局在することが明らかとなった。さらに、免疫沈降反応によって、D3期にMBF2、MBF1とBmFTZ-F1は複合体を形成していることが示唆された。以上の結果から、MBF2は翻訳レベルでの発現制御をうけており、特定の時期に核へ移行し、MBF1とBmFTZ-F1と複合体を形成し、組織特異的および時期特異的転写制御に関わると考えられる。, 総研大甲第354号}, title = {カイコ、クワコとヒマ蚕のMBF2に関する研究}, year = {} }