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 高等脊椎動物のセントロメアタンパク質のうち、CENP-Aは細胞増殖に必須のタンパク質でありその機能的なホモログが酵母からヒトまで広く存在している。CENP-AはヒストンH3のパリアントで、セントロメア特異的にヒストンH2A,H2B,H4とヌクレオソームを形成する。CENP-Aがセントロメア特異的なヌクレオソームを形成することがら、CENP-Aの局在機構がセントロメア形成の引き金になると予想されている。分裂酵母では、Mis6というタンパク質がCENP-Aの局在に関与するという報告があるが、出芽酵母では、Mis6のホモログであるCtf3はCENP-Aの局在に関与しない。本論文では、高等脊椎動物のセントロメア形成機構を理解するために、高等動物のMis6相同タンパク質について研究した。
 DT40は、ニワトリBリンパ細胞株で、相同組換えが高率で起り、標的遺伝子破壊のシステムが確立されており、核型が安定で導入した変異の表現型が安定であることがら、条件的ノックアウト株を用いた研究が広く行われている。このため、本論文ではDT40細胞を用いてセントロメアタンパク質の研究を行った。
 はじめに、分裂酵母のMis6の配列を参考にMis6と相同性を示すニワトリ遺伝子のクローニングを試みた。本研究でクローニングしたニワトリMis6は、分裂酵母Mis6とアミノ酸レベルで25%の相同性を示した。この遺伝子のC末端にGFPを結合させたプラスミドを構築し、DT40細胞に導入した。Mis6-GFPのシグナルと複数のセントロメアタンパク質に対する抗体を用いた多重免疫染色の実験結果がらMis6はCENP-A,C,Hという構成的セントロメアタンパク質と同様に細胞周期を通じてセントロメアに局在するセントロメアタンパク質であることが示された。そこで、ニワトリMis6をCENP-Iと命名して、その機能解析を行った。
 CENP-Iのセントロメアでの機能を調べるため、テトラサイクリン誘導プロモーターを応用したCENP-Iの条件的ノックアウト細胞株を作成した。本細胞株では,テトラサイクリンの添加によってCENP-Iの発現を完全に抑えることができる。ノックアウト株にテトラサイクリンを添加してウェスタンブロッティング解析を行うと、12時間後にCENP-Iのシグナルは検出されず、CENP-Iのターンオーバーは比較的早いことが示唆された。CENP-I欠損下では、細胞は約2.5回の細胞周期を経て増殖速度の低下を示した後死滅し、CENP-Iが細胞増殖に必須のタンパク質であることが示された。FACS解析では、CENP-I欠損細胞はテトラサイタリン添加24時間後からG2/M期に蓄積し、36時間後で60%に達した。48,60時間後には8N DNAが認められ、72,96時間でDNAの多くは分解していた。細胞生物学的観察ではテトラサイタリン添加24時間後からM期の形態異常を示す細胞が増加し、48時間後で約40%の細胞が異常な染色体形態を示した。48時間後で分裂後期の細胞は観察されず、FACS解析で示されたG2/M期の細胞の蓄積は62期よりM期での蓄積であり、分裂後期の前で遅延していることが示された。分裂中期で遅延している細胞では染色体の過凝縮が見られ、複数の染色体が分裂中期の赤道面に並んでいなかった。48,72時間後にはスピンドルの異常も観察され、72時間後の細胞の多くはアポトーシスを起こして死滅していた。分裂酵母Mis6はG1/S期で作用し、G1/S期でのMis6欠損が続くM期に影響を与えると報告されている。そこで、CENP-I欠損細胞のM期での遅延が、G1/S期の通過が関係しているかをFACSで解析した。CENP-I欠損でG1/S期を通過させなかった細胞ではM期の遅延が認められなかったが、G1/Sを通過させた細胞ではM期遅延が観察された。これらの結果は、分裂酵母Mis6と類似して、CENP-I欠損細胞のM期での遅延は、CENP-I欠損の状況でG1/S期を通過することが原因であると結論づけた。
 CENP-I欠損細胞の染色体数をFISHで解析したところ、テトラサイタリン添加24時間後から異数性を示す細胞が増加し、CENP-I欠損によるM期の遅延が染色体数にも影響を与えていることが示唆された。CENP-I欠損細胞のM期の遅延と微小管の動きをリアルタイムで観察するために、GFPを結合させたα-tubulinをCENP-I条件的ノックアウト細胞株に導入した。この細胞株のDNAをHoechst 33342で染色し、37℃の条件下でタイムラプスの蛍光顕微鏡観察を行った。CENP-I欠損下で細胞は染色体の形態異常を示し約800分のM期での遅延が観察された。その後α-tubulinは間期様の形態を示し細胞は分裂なしに細胞周期が進行し、アポトーシス起こして死滅した。
 CENP-I欠損細胞におけるスピンドルチェックポイント蛋白BubR1の局在を免疫染色で観察したところ、テトラサイタリン添加48時間後には弱いながらもシグナルが認められたが、60,72時間後になるにつれてBubR1の局在は消失した。この結果からCENP-I欠損細胞のM期の遅延はスピンドルチェックポイントの活性化によるものであり、チェックポイント制御が失われることで細胞周期の進行が起こることが示された。
 CENP-I欠損細胞をCENP-A,CENP-C,CENP-Hに対する抗体で免疫染色した結果、CENP-Aの局在には影響を与えなかったが、CENP-CとCENP-Hの局在が変化した。また、CENP-Hの欠損細胞を各種セントロメアタンパク質に対する抗体で染色した結果、CENP-Aの局在に影響を与えなかったが、CENP-CとCENP-Iの局在が変化した。以上の結果を合わせて考えると、CENP-Iは、CENP-H,CENP-Cのセントロメアの局在に必要であり、CENP-Aの局在には関与しないことが示された。また、CENP-Hの条件的ノックアウト株を用いた免疫染色の結果と合わせて、CENP-IはCENP-Hと相互依存的にセントロメアに局在し、これがCENP-Cのセントロメアへの局在に必要であることが示された。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_18":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_description_7":{"attribute_name":"学位記番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"総研大乙第118号","subitem_description_type":"Other"}]},"item_1_select_14":{"attribute_name":"所蔵","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"有"}]},"item_1_select_8":{"attribute_name":"研究科","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"生命科学研究科"}]},"item_1_select_9":{"attribute_name":"専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"18 遺伝学専攻"}]},"item_1_text_10":{"attribute_name":"学位授与年度","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"2002"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"NISHIHASHI, Ai","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_files":{"attribute_name":"ファイル情報","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"乙118_要旨.pdf","filesize":[{"value":"362.2 kB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/991/files/乙118_要旨.pdf"},"version_id":"a12c4b16-2e45-4c37-a709-6b14b14f1882"},{"accessrole":"open_date","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2016-02-17"}],"displaytype":"simple","filename":"乙118_本文.pdf","filesize":[{"value":"8.2 MB"}],"format":"application/pdf","licensetype":"license_11","mimetype":"application/pdf","url":{"label":"本文","url":"https://ir.soken.ac.jp/record/991/files/乙118_本文.pdf"},"version_id":"970b986d-dd63-418a-a2c6-17e3fb74d9f2"}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"eng"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"thesis","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]},"item_title":"Genetic Approach To Study Centromere Function In Vertebrate Cells: CENP-I is essential for centromere assembly in vertebrate cells.","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"Genetic Approach To Study Centromere Function In Vertebrate Cells: CENP-I is essential for centromere assembly in vertebrate cells."},{"subitem_title":"Genetic Approach To Study Centromere Function In Vertebrate Cells: CENP-I is essential for centromere assembly in vertebrate cells.","subitem_title_language":"en"}]},"item_type_id":"1","owner":"1","path":["20"],"pubdate":{"attribute_name":"公開日","attribute_value":"2010-02-22"},"publish_date":"2010-02-22","publish_status":"0","recid":"991","relation_version_is_last":true,"title":["Genetic Approach To Study Centromere Function In Vertebrate Cells: CENP-I is essential for centromere assembly in vertebrate cells."],"weko_creator_id":"1","weko_shared_id":1},"updated":"2023-06-20T14:43:45.063463+00:00"}