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  1. 020 学位論文
  2. 文化科学研究科
  3. 01 地域文化学専攻

カストム・メレシン -ウ゛ァヌアツ共和国トンゴア島民の民間医療 および民間医療観の現代的位相

https://ir.soken.ac.jp/records/10
https://ir.soken.ac.jp/records/10
bd7e1d04-0aa0-47e4-89d9-9179fd59ecac
名前 / ファイル ライセンス アクション
甲301_要旨.pdf 要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (426.7 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2010-02-22
タイトル
タイトル カストム・メレシン -ウ゛ァヌアツ共和国トンゴア島民の民間医療 および民間医療観の現代的位相
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec
資源タイプ thesis
著者名 白川, 千尋

× 白川, 千尋

白川, 千尋

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フリガナ シラカワ, チヒロ

× シラカワ, チヒロ

シラカワ, チヒロ

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著者 SHIRAKAWA, Chihiro

× SHIRAKAWA, Chihiro

en SHIRAKAWA, Chihiro

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学位授与機関
学位授与機関名 総合研究大学院大学
学位名
学位名 博士(文学)
学位記番号
内容記述タイプ Other
内容記述 総研大甲第301号
研究科
値 文化科学研究科
専攻
値 01 地域文化学専攻
学位授与年月日
学位授与年月日 1998-03-24
学位授与年度
値 1997
要旨
内容記述タイプ Other
内容記述 本論文の目的は、ヴァヌアツ共和国トンゴア島民の民間医療の実際を民族誌的に明らかにし、人々が西洋医療との関係で民間医療をどのように位置づけ、認識しているかを明らかにすることである。さらに、オセアニアを対象とした人類学的研究における中心的問題である伝統的事象と西洋的事象の関係に関する議論を、トンゴアの民間医療をめぐる民族誌的資料に基づきながら批判的に検討し、考察を加えることである。
 従来のオセアニアの医療人類学および文化人類学的研究との関係における本論文の独自性、あるいは新たな貢献としては、少なくとも次の4点を挙げることができる。
 (1)ヴァヌアツにおいて民族誌的研究がほとんどなされていなかったトンゴア島、およびオセアニアにおける医療人類学的研究の空白地帯であったヴァヌアツの民間医療を研究対象として取りあげたこと。
 (2)トンゴアの人々の民間医療および民間医療に対する見方を、トンゴア島のみに限定することなく、ヴァヌアツ全体に及ぶ民間医療をめぐるマクロな社会的状況やマス・メディアなどを介して得られる情報との関係をも視野に入れて解明したこと。
 (3)トンゴアの民間医療の西洋医療との関係における位置づけを、従来の研究に支配的であった「棲み分け」論とは異なる「はみ出し」論という概念を新たに提出することで考察したこと(「棲み分け」論と「はみ出し」論については後述する)。
 (4)たんに民間医療研究の領域にとどまらず、従来のオセアニアにおける伝統的事象と西洋的事象の関係に関する人類学的議論を民間医療研究の立場から批判的に再検討する新たな試みを行い これまでの議論に新たな知見を加えたこと。
 7章からなる本論文における各章の論述の概要は、次のとおりである。第1章における問題提起をうけて、第2章ではさまざまな病気に対する人々の療法選択の実際を、219の事例に依拠して解明した。人々は民間医療を西洋医療との関係のなかで選択するさいに、カストム・シックという病気を想定している場合がある。第3章でその詳細を民族誌的資料に基づき明らかにしたカストム・シックとは、霊的存在や邪術などを病因とする病気を含み、西洋医療では対処することができず、民間医療のみが有効であるトンゴアに在来の病気であるとされている。しかし、人々はカストム・シックとは結びつがない症状や病気、たとえば病院などで生医学的病名を付与された病気に対しても民間医療は効果があるとみなし、これを利用する。第4章では、このような民間医療がカストム・シックとは結びつかない生医学的病名を有する病気などにも効果があるという認識について詳細に検討し、生医学的病名を付与された病気などが、病因の観点からカストム・シックに変換されて位置づけられ、民間医療によって対処可能なものと認識される一方で、カストム・シックを引き起こす霊的存在や邪術などの病因の介在が想定されない場合においても、民間医療は効果があると認識されていることを指摘した。また第5章では、民間治療者を含む人々の治療技術を取りあげ、西洋医療では対処することができないカストム・シックに対する民間医療独自の治療技術とともに、西洋医療でも治療が困難であるとされるガンやエイズなどの難病に対処することのできる技術について、その実際を詳細に明らかにした。以上、第2章から第5章まででは、特に人々の間にみられる、民間医療がカストム・シックとは関連づけられない生医学的な病名を有する病気や西洋医療でも治療が困難な難病にも効果があるという認識の詳細を、療法の選択、病因論、治療技術の三つの側面から実証的に解明した。これをうけて第6章では、上述した認識が形成されている背景を、ヴァヌアツ全体に及ぶ民間医療をめぐるマクロな社会的状況、具体的には政府による民間医療政策、学術機関による薬草調査、デング熱の流行、キリスト教諸宗派の活動などの事例を取りあげて明らかにした。人々は、マクロな社会的状況やマス・メディアを介して西洋医療でも治療が困難な難病が存在することを認識しているとともに、西洋医療の側から民間医療、特に薬草に対して肯定的な評価がなされており、薬草には病気の治療において生医学的・科学的に妥当性をもつものが存在することを自覚している。そして薬草には、西洋医療でも対処が困難な病気にも効果のある種類が存在する可能性があると位置づけている。
 最後の第7章では、以上の民族誌的論述を踏まえて、トンゴア島民の民間医療と西洋医療の関係に関する認識と、従来のオセアニアの医療人類学的研究における議論との比較考察を行った。従来の研究には、霊的存在や邪術などを原因とする病気には西洋医療は効かず専ら民間医療が使われるのに対して、そうした超自然的病因によらない病気には西洋医療が使われており、民間医療と西洋医療は対応する病気の領域を異ならせながら並存しているという指摘が多くみられる。本論文ではこれを「棲み分け」論とよんだ。一方、トンゴアの民間医療においては、この「棲み分け」論では捉えられない側面がみられる。すなわち、従来の研究では専ら西洋医療が対処するとされてきた超自然的病因とは関係のない生医学的病名を有する病気などや西洋医療によっても治療が困難な難病にも、民間医療は効果があるという認識がトンゴアではみられる。本論文ではこれを「はみ出し」論とよんだ。また、こうした認識が醸成された背景には、第6章で述べたマクロな社会的状況とトンゴアの民間医療をめぐる歴史的プロセス、ならびに精霊や神から夢などを介して薬草などの知識が教示される治療技術習得のシステムが介在していることを指摘した。
 さらに、同じく第7章では、従来のオセアニアにおける伝統的事象と西洋的事象の関係に関する人類学的議論を、トンゴアの民間医療をめぐる状況を踏まえて再検討し、考察を加えた。1980年代初頭のR.キージングらから1990年代のN.トーマスらにいたる議論は、伝統的事象と西洋的事象の差異性に比重をおくものであったが、トンゴアの民間医療と西洋医療をめぐる関係においては、そうした差異性や双方の単純な共通性のみに比重をおいた議論だけでは捉えきれない側面がある。トンゴアの人々は、民間医療を自らの社会に在来の技術や知識に依拠した独自のものとして位置づけつつ、他方で西洋医療の側からの民間医療に対する肯定的な評価を取り込み、民間医療を西洋医療の生医学的・科学的価値観にも対立しない妥当性や共通性をもつものとして捉えている。つまり、トンゴアの民間医療をめぐる状況においては、素材の面における薬草など在来の技術に依拠した民間医療の西洋医療とは異なる独自性や差異性に関する要素と、ものの見方の面における西洋医療の価値観にも対立しない妥当性や共通性に関する要素が、同時にみられるのである。さらに人々は、民間医療と西洋医療の共通性を視野に入れたうえで、民間医療を西洋医療においても治療することが困難な難病にも効果がある、西洋医療を凌駕するものとして位置づける。以上のようなトンゴアの人々の民間医療と西洋医療をめぐる認識に依拠するならば、従来の伝統的事象と西洋的事象に関する人類学的議論はきわめて一面的であったといえる。
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Ver.1 2023-06-20 15:02:35.543043
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