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  1. 020 学位論文
  2. 生命科学研究科
  3. 19 基礎生物学専攻

Eph受容体の自己活性化を制御する脱リン酸化酵素Ptproの同定と、その網膜視蓋投射系における役割

https://ir.soken.ac.jp/records/1053
https://ir.soken.ac.jp/records/1053
62153dc5-ac6f-458e-9525-32737c0c05ac
名前 / ファイル ライセンス アクション
甲1005_要旨.pdf 要旨・審査要旨 (366.3 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2010-02-22
タイトル
タイトル Eph受容体の自己活性化を制御する脱リン酸化酵素Ptproの同定と、その網膜視蓋投射系における役割
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec
資源タイプ thesis
著者名 井原, 賢

× 井原, 賢

井原, 賢

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フリガナ イハラ, マサル

× イハラ, マサル

イハラ, マサル

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著者 IHARA, Masaru

× IHARA, Masaru

en IHARA, Masaru

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学位授与機関
学位授与機関名 総合研究大学院大学
学位名
学位名 博士(理学)
学位記番号
内容記述タイプ Other
内容記述 総研大甲第1005号
研究科
値 生命科学研究科
専攻
値 19 基礎生物学専攻
学位授与年月日
学位授与年月日 2006-09-29
学位授与年度
値 2006
要旨
内容記述タイプ Other
内容記述 神経回路網の形成は高次神経機能発現のための基盤であり、その複雑な分子機構の<br />解明は神経科学における最重要テーマの1つである。網膜視蓋投射系(retinotectal<br />system)は特異的神経結合が形成される仕組みを解明するための研究材料として昔から<br />盛んに使用されてきた。網膜視蓋投射における分子機構の全容を明らかにするために<br />は、それに関わる分子群を網羅的に同定し総合的な解析を進めることが有効な手段で<br />あると考えられる。統合神経生物学研究部門ではこれまでに、RestrictionlandmarkcDNA<br />scanning(RLCS)法を用いて、発生期のニワトリ網膜において領域特異的に発現する遺伝<br />子を多数同定してきた。 RLCS法によって単離されてきた遺伝子の中には、遺伝子の発<br />現調節を行なう様々な転写調節因子群、細胞間の情報伝達に機能する分泌性因子群に<br />加えて、膜タンパク質群、細胞内情報伝達に関わる酵素群および細胞内骨格系の分子<br />群などの、ガイダンスに直接的、間接的に関与すると思われる分子群が多数含まれて<br />いた。彼は本研究において領域特異的な投射形成過程において視神経成長円錐内にど<br />のようなシグナル伝達機構が働いているかを明らかにするために、RLCS法で単離され<br />てきた分子を中心に視神経軸索ガイダンスに関わる分子の分子間相互作用を<br />mammalian two-hybrid法によって網羅的に解析した。 Mammaliantwo-hybrid法は、哺乳<br />類培養細胞を用いて二つのタンパク質の相互作用を調べる方法である。その結果、こ<br />れまでに知られていなかった分子間相互作用を複数検出することができた。この中に<br />は、 EphB2とPtproの相互作用が含まれていた。<br /> Eph受容体は、そのリガンドであるephrinの結合に伴うチロシン残基の自己リン酸<br />化によって活性化する。しかしながら、Eph受容体を負に制御するプロテインチロシン<br />ホスファタ-ゼ(PTPs)は、これまで不明であった。彼は、PtproこそがEph受容体の自<br />己活性化を抑制するPTPではないかという仮説のもとに解析を進めた。まず初めに<br />PTPのSubstrate-trapping mutantを用いた解析によって、 PtproとEph受容体の間の特<br />異的な相互作用を明らかにした。続いて、PtproがEph受容体ファミリーのサブファミ<br />リーであるEphA受容体とEphB受容体の両方を効率よく脱リン酸化することを明らか<br />にした。培養細胞に種々の受容体型pTPとEph受容体を共発現させると、 Eph受容体<br />の脱リン酸化は、 Ptproのみによって特異的に行われ、他のPTPsはEph受容体を脱リ<br />ン酸化しなかった。この結果から、 ptproによってEph受容体が基質として特異的に認<br />識されていることが強く示唆された。<br /> 生化学的な解析から、 PtproはEph受容体の膜近傍領域の特定のリン酸化チロシンを<br />脱リン酸化することが明らかとなった。膜近傍領域のチロシンはEph受容体のファミ<br />リー分子間で保存されており、そのリン酸化はEph受容体の活性化と下流へのシグナ<br />ル伝達に必須とされている。従って、 Ptproは活性化状態にあるEph受容体の量を調節<br />していると考えられた。彼はさらに解析を進め、 ephrin-A2を用いてstripeアツセイと<br />collapseアツセイを行なうことにより、Ptproが視神経軸素のephrin-A2への感受性を調<br />節していることを実証した。 Stripeアツセイとは、視蓋の前側または後ろ側から調製<br />した膜画分のカーペットをニトロセルロースフィルター上に交互にstripe状に敷き詰<br />めて、その上に網膜組織片を置いて軸素を伸長させる実験系であり、成長円錐は視蓋<br />前側の膜画分と後ろ側の膜画分を選択しながら伸長することになる。今回のstripeアッ<br />セイでは、視蓋の膜画分の代わりにephrin-A2を用いており、成長円錐はephrin-A2が<br />吸着したカーペットと吸着していないカーペットを選択しながら伸長することになる。<br />collapseアッセイとは、成長円錐の退縮(collapse)と呼ばれる形態変化を指標にして成長<br />円錐の伸長を阻害する分子を同定するための簡便なアッセイ系である。今回のcollapse<br />アッセイではephrin-A2を網膜から伸長した視神経に対して加えて、成長円錐の形態変<br />化を観察している。 Ephrin-A2を用いたstripeアツセイの結果から、 Eph受容体の発現<br />量(活性)がもともと高い網膜司側からの軸乗が、野生型ptpro(ptpro(wT))の過剰発現に<br />より本来のephrinに対する感受性を失うこと、および、 Eph受容体の発現量(活性)がも<br />ともと低い網膜鼻側からの軸索が、ドミナントネガティブ変異体Ptpro(ptpro(DA))の強<br />制発現によりephrinに対する感受性を獲得することが示された。 Collapseアツセイか<br />らも同様の結果が得られた。以上の結果はPtproが視神経軸索のephrin-A2への感受性<br />を調節していることを示している。<br /> 最後に、視神経におけるPtproによるEph受容体の活性調節の生理的意義を明らかに<br />するために、ニワトリ腔を用いてinvivoの網膜視蓋投射への影響を調べた。 Ptpro(WT)<br />の過剰発現またはptpro(DA)の強制発現や、RNAiを用いたPtproの発現抑制を行なうこ<br />とによって、網膜祝蓋投射における異常の有無を解析した。 Ptpro(WT)をニワトリ腔網<br />膜に過剰発現させた場合、 EphA3の発現量(活性)の高い網膜耳側からの軸乗は、正しい<br />投射位置(視蓋前側)を越えて視蓋の中程まで伸長し、まばらなarborを形成していた。<br />これはptproの過剰発現により、 Eph受容体の活性化が抑制されたためであるど考えら<br />れる。一方、 ptpro(DA)を強制発現させた場合、あるいはpEproの発現抑制を行った場<br />合、本来視蓋後側でarborを形成する網膜鼻側からの軸索は、視蓋前側でもarborを形<br />成した。同時に、背側網膜からの軸索は、arborの形成位置が視蓋背側方向へ拡散した。<br />これは、それぞれ、Eph受容体がptpro(DA)のドミナントネガティブ効果、あるいはptpro<br />の発現抑制によって、本来の状態よりも強く活性化されたためであると考えられる。<br /> 本研究において、彼は、 1)PtproがEph受容体の自己活性化を抑制する特異的な脱リ<br />ン酸化酵素であること、 2)PtproがEph受容体の活性を制御することによって網膜視蓋<br />投射において重要な役割を担っていることを明らかにした。本研究は、 PtproがEph受<br />容体の活性を調節するホスフアタ-ゼであることを、 invitroとinvivoの両方で示した<br />初めての研究である。
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